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2022年10月18日

向井地美音(AKB48)インタビュー「自分を好きでいられる選択を常にしていきたいです」

向井地美音 インタビュー AKB48 総監督 タウンワークマガジン townworkAKB48グループの3代目総監督を務める向井地美音さん。推されてこの役職に就いた前任の2人と違い、進む道を探した末に自ら立候補しました。60枚目のシングル「久しぶりのリップグロス」のリリースを前にしたインタビューで、言葉の随所にAKB48愛が溢れました。

 

夢のような毎日からパンクして大泣きしました

――「久しぶりのリップグロス」は“帰ってきたAKB48王道サウンド”と謳われています。もともとAKB48ファンだった美音さんもそう感じますか?

そうですね。私は「ポニーテールとシュシュ」でAKB48を知って、初めて買ったCDが「Everyday、カチューシャ」だったので、AKB48といえば夏曲みたいなところもあって。自分がメンバーになって、こういう曲を10数年越しに歌えるのは感慨深いです。

――当時は中学生だった美音さんに、AKB48はどう映っていたんですか?

すごく青春している感じでした。元気ないときにメンバーが頑張る姿を見て勇気をもらったり、学校の行き帰りにずっと曲を聴いていたり。MVは何十回と再生して、握手会や劇場にも行きました。

――15期生として自分がメンバーになってからは、夢の日々でした?

最初は毎日が楽しすぎて、先輩たちに半分ファンのような気持ちも捨てきれないまま、本当に夢を見ているようでした。でも、シングルの選抜に選んでいただいて、他のメンバーの意識の高さを目の当たりにすると、「楽しいだけではいけない」と考えることが増えました。

――どんなことを考えたんですか?

“次世代”と言っていただいていて、『マジすか学園』での役名もジセダイでしたけど、具体的に何をすればいいのか? 出しゃばって先輩より目立つことはできない性格ですし、同世代をどう引っ張るかもわからなくて。

歌番組用のアンダーに入れてもらって、休んだ先輩の代わりに出演していたので、1曲のほぼ全ポジションを踊れるようにしましたけど、覚えることが多すぎて。パンクしちゃって、大泣きしたこともあります。センターに選んでいただいたときも、すごくプレッシャーがありました。

 

自分のことよりグループのために何かしたくて

向井地美音 インタビュー AKB48 総監督 タウンワークマガジン townwork――2017年の選抜総選挙で17位と選抜落ちして、スピーチで「初めての挫折」という言葉が出ました。

昔、子役をやっていたこともあって、トントン拍子で来ていて。しかも、センターになってソロコンサートをやった次の年で、絶対に選抜に入らないといけなかったのに入れなくて、悔しさと情けなさはすごく大きかったです。一瞬、自暴自棄になって、心が荒ぶっていました(笑)。

――それをバネにしたわけですよね?

そこから1年くらいは路頭に迷う感じでした(笑)。選抜にも入れないのに「またセンターになりたい」とは言えない。“優等生”とか“王道アイドル”と言われてきましたけど、小栗有以ちゃんが出てきて、私よりもずっとその路線に合うと思いました。私が人に勝てるものって何もない…と悩んでいたとき、『AKB48グループ センター試験』(グループに関する知識を問う筆記テスト)で1位になったんです。

――AKB48愛の強さを証明しました。

それまでも口にしてはいましたけど「AKB48への愛が一番あります」と自信を持って言えるようになりました。私が勝てるのはそれしかない。自分のためにセンターに立つより、グループのために何かするほうがAKB48愛を活かせると思って、総監督になりたい気持ちが生まれました。

 

時代が違うので同じことをする必要はなくて

向井地美音 インタビュー AKB48 総監督 タウンワークマガジン townwork――翌年の総選挙で「総監督になりたい」と宣言して、2019年に横山由依さんを継いで就任しました。

横山さんには以前から、悩んでいるときに励ましてもらっていたんです。2人でごはんに行くと、何時間もずっとAKB48の話しかしなくて(笑)。総監督ぶりを近くで見ていたことは大きかったです。大変そうでも、すごくカッコ良かったので。

――横山さんは「たかみなさん(高橋みなみ=初代総監督)がしていたことは、全部できないといけないと思い込んでいた」と話していました。

めちゃくちゃわかります。今までの総監督像は誰の中にもあるし、何より私の中にあって。リハーサルの進め方だったり、「これができないのは総監督失格だな」と落ち込むことはよくありました。

でも、「時代が違うしAKB48の形も違う」とも言われるので、たかみなさんや横山さんとまったく同じことをする必要はないなと。引っ張っていきつつ、今のAKB48に合った総監督の仕事を修行中です。

――最近のYouTubeチャンネルでも、「自分としての意見が出てこない」「1人のメンバーのために泣けない」という話がありました。

そこが総監督の一番しんどいところでした。何を発言するにもAKB48代表の立場で、外に向けて話す分には光栄ですけど、いつの間にか自分のファンに向けても自分のことを言えなくなってしまって。理想的な発言しかできなくなってきた部分があります。

仲の良いメンバーのことも「総監督がひいきしている」と見られないようにしないといけない。ひいきできる権限はないんですけど(笑)、そう見られたら相手にも申し訳なくて。今回、茂木(忍)さんが11年目で初めて選抜に入って、自分がセンターになったときくらい嬉しかったんです。でも、それを全力で言葉にできないもどかしさがあって、YouTubeで出ちゃいました。

――「ひさしぶりのリップグロス」のMV撮影で、茂木さんのリップシーンに涙する姿もテレビで流れました。

めっちゃかわいくて、しかも、すごくうまかったんです。これだけ実力があって、こういうときにパッと輝ける人が、11年も選ばれなかったのは何てことだと。だからこそ、今回たくさんの人に茂木さんを見てもらう機会ができて、本当に良かったと思ったら泣いちゃいました(笑)。

 

コロナ禍に「自分たちから発信しなければ」と

向井地美音 インタビュー AKB48 総監督 タウンワークマガジン townwork――これまで、総監督としての仕事で特に大きかったことは何ですか?

最初の大仕事は2019年夏の全国ツアーでした。横山さんがずっと「やりたい」と言ってくださって、4年ぶりに実現したんですけど、今のAKB48をどう見せるか、セットリストから考えました。定番曲がありつつ、ユニットコーナーでは1人1人に合うように色の付いてない曲を入れたりして、好評でした。

あとは、コロナ禍で劇場公演も握手会もなくなって、各チームのキャプテンとのグループLINEで「待っているだけでなくて、自分たちから何かしないとダメだね」という話をしました。

――“会いに行けるアイドル”としては大ピンチだったわけですよね。

そこでできたのが「365日の紙飛行機」の“おうちver.”でした。ちょうどYouTubeチャンネルを始めた頃で編集も自分でやって、めっちゃ大変でした。メンバー全員から歌っている動画をもらって、サイズや音量、タイミングを合わせて。ダウンロードできない形式や歌う部分を間違えているメンバーもいて、送り直してもらったりもしました。

自分たちから発信したものが皆さんの心に届いたようで、温かいコメントをたくさんいただきました。OUC48という、メンバーがおうちから発信するプロジェクトも始めて、AKB48でYouTubeを活用するようになって。ファンの皆さんに身近に感じてもらう動きが大きくなったのは良かったです。

 

アイドルソングでもダンスは意外と難しいです

向井地美音 インタビュー AKB48 総監督 タウンワークマガジン townwork――アイドルソングの「久しぶりのリップグロス」は美音さんの好みなわけですね?

はい。大好きで電車でよく聴いています(笑)。AKB48らしくて、歌詞を読むと切なくて。あと、1人1人の歌声がよく聞こえる気がして、今のAKB48で作った曲だと実感できて嬉しいです。

――この曲ならではの表現もありますか?

意外とダンスが難しいです。もちろん前2つのダンス曲のほうが難易度は高いですけど、「元カレです」と同じGANMIさんの振付で、昔のようなマネしやすいアイドルソングではなくて。手数が多いし、リズムをしっかり取って合わせる場所も多いんです。かわいいだけでなく、「根も葉もRumor」からの“踊れるAKB48”も忘れないようにしています。

――MVは沖縄で撮影。美音さんと茂木さんなど、ペアの映像もフィーチャーされています。

現実の仲良い関係性がMVに反映されることは今までなくて、エモいなと思いました。私たちはいつも通りワチャワチャして、茂木さんがオレンジジュースをどれだけ高いところからコップに入れられるか遊んでいたり。私が読んでいる本は実は4コマ漫画で、2人で「これウケる」と笑ったりもしていました(笑)。

 

昔は恵まれていたので今は裏から支えていけたら

向井地美音 インタビュー AKB48 総監督 タウンワークマガジン townwork――美音さんは今のAKB48をどう見ているんですか?

私が入った頃のAKB48の選抜メンバーは良くも悪くも個性が豊かすぎたんです(笑)。だから、たかみなさんのような絶対的な人が仕切らないと、どうにもならなかったのが、今はみんながすごく真面目。私が何か言う必要もなくて、たまにやることがないと思ってしまいます(笑)。でも、昔みたいにもっと自由にやってほしいとも思っていて。そういう空気を作るのが総監督としての課題ですね。

――いちアイドルとして、今後目指していくことはありませんか? またセンターに立ちたいとか…。

それはもうないです。前に行ってほしいメンバーがまだたくさんいますから。ファンの方に聞いたのが、カップリング曲とかも含めたら、私はセンター曲が現メンバーで1番か2番かに多いそうです。昔、恵まれていた分、今は裏から支えたくて。

でも、ファンの方に「アイドルのみーおんが見たい」と言われることが多いですね。総監督でなくなったとき、また「センターをやりたい」と言うかもしれません。

――グループとしての夢はありますか?

昔みたいにAKB48でたくさんCMに出たいですし、若い女の子のファンが増えているので、コスメや洋服のコラボもしたいです。また東京ドームの景色を見るのも諦めたくないです。

――そうした夢を叶えるために大事だと思うことは何ですか?

その仕事を好きでいることだと思います。辛いことがあったり無理だと思っても、好きならまた戻ってこられるだろうし、自然と夢に近づいていけるはず。茂木さんが「ここで諦めたら自分のこともAKB48も嫌いになってしまう」と話していたのも、刺さりました。茂木さんはそれで、選抜の夢を叶えましたからね。

諦めた自分と諦めない自分と、どちらを好きでいられるか。夢に近づく選択をした自分のほうが絶対好きでいられると思うんです。その夢が叶うか叶わないかはわからなくても、常にそういう選択をしていきたいです。

 

■Profile
向井地美音
(むかいち・みおん)

1998年1月29日生まれ。埼玉県出身。
2013年1月に「AKB48 15期生オーディション」に合格。2014年11月発売の38thシングル「希望的リフレイン」で初選抜。2016年3月発売の44thシングル「翼はいらない」で初センター。2019年4月よりAKB48グループ総監督に就任。

◆向井地美音 OFFICIAL Twitter:@mionnn_48
◆向井地美音 OFFICIAL Instagram:@___mion.m
◆ゆうなぁもぎおんチャンネル(YouTube):https://www.youtube.com/c/ynmochannel
◆AKB48 OFFICIAL SITE:https://www.akb48.co.jp/

企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:松下茜 取材・文:斉藤貴志

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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