アーティスト・俳優／吉野北人さん（THE RAMPAGE）インタビュー「自分のファンになってもらうぐらい、周りの人たちを巻き込んでいきたい」

ダンス＆ボーカルグループ・THE RAMPAGEのボーカル、吉野北人さんが2nd写真集『Orange』（幻冬舎刊）を発売。撮影で訪れたイタリアでの思い出や、約３年ぶりとなる写真集に込めたメッセージを聞きました。さらに、昨年、結成から10周年を迎えたグループに抱く思い、普段、どのような姿勢で仕事に向き合っているのかを尋ねました。

ゴンドラに揺られ、ヴェネチアの街並みを堪能

――まずは完成した写真集をご覧になった感想から聞かせてください。

自分がイメージした通りのカットが撮れたので、大満足です！ お気に入りは「ヴェネチアにいるんだ！」とひと目で伝わる、ゴンドラに乗っているカット。かなり揺れたので乗り心地は思ったほどよくありませんでしたが（笑）、「こんなところまで通るの！？」というような細い運河をめぐって、ゴンドラを堪能することができました。

――ファースト写真集の発売から約３年が経ちましたが、当時と比べて変化を感じたところはありますか？

３年も経っているので多少の変化はあると思いますが、今回の２nd写真集は無邪気なカットが多めなので、そんなに変わっていないんじゃないかな。（ページをめくりながら）だけど、顔つきなどは少し大人っぽくなっているのかもしれません。

――王子様風やマリンテイストの衣装を着ているカットは絵画から飛び出してきたかのような気品にあふれていますね。

アーティスト活動だけでなく、お芝居の仕事など経験を重ねて、表情もいろいろと工夫できるようになったので、表現力の幅は自分でも広がった気がしています。

――写真集のタイトル「Orange」はどのような理由で命名したのでしょうか？

“Orange”という言葉の響きから前向きでポジティブな気持ちを感じたこと、そして、撮影をした当時、僕にとってオレンジはすごく大切にしたい色だったので、このタイトルに決めました。

“頑張ることをしない”がテーマ！　ナチュラルな姿を届けたかった

――撮影で訪れたイタリアは吉野さんたっての希望だったそうですね。

イタリアは以前から行ってみたい国で、特にヴェネチアはどうしても行きたかった場所の一つなので提案させていただきました。ほかに、ローマやフィレンツェも候補に挙がりましたが移動時間がなく、ミラノとクレモナでの撮影になりました。ヴェネチアは古き良き場所があったと思ったら、カラフルで可愛らしい建物が並んでいたり、ミラノはシックでクールな雰囲気が感じられたり、クレモナは素朴な魅力があって、どこも素敵な街でした。

――被写体として事前に準備したことや意識したことはありましたか？

今回はできるだけナチュラルな姿を届けようと“頑張ることをしない”をテーマにしました。撮影現場ではストレスなく過ごしたほうが、ナチュラルな写真が撮れると思ったので、テラスでお酒を飲んだり、毎日ピザやパスタを食べたり、楽しく過ごしました。準備をしたのは、体をはだけるカットの撮影を前にちょっとだけ腹筋したぐらいです。おかげで細すぎず、ムキムキなわけでもなく、ちょうどいい体つきになったと思います。

――オレンジ色は元気を与えるビタミンカラーと言われていますが、吉野さんを元気にしてくれるものは何ですか？

オフに出かけるプライベートの海外旅行ですね。今年の正月にも行きましたが、リフレッシュになりますし、すごく元気になって帰ってくることができました。どんなに忙しくても時間を見つけて、なるべく年に２回は行きたいです。

まもなく28歳！知的な大人の男性に憧れます

――３月６日に誕生日を迎えますが、「大人になった」と感じることはありますか？

約１ヵ月後に28歳となりますが、自分ではまだまだ子どもだと感じることばかりです（苦笑）。30代は芯の通ったカッコいい男性になりたいと考えているので、そこに向けていろいろ頑張りたいですね。個人的にはそうだなぁ……、知的な男性に憧れるので、知識をたくさん身につけたい。そして、将来、家庭をもって親となったとき、子どもに様々なことを教えてあげられるカッコいいお父さんになりたいです。

――これまで壁に対峙したことや挫折をした経験があれば聞かせてください。

デビュー前は挫折ばかりでした。THE RAMPAGEのメンバーに決まったものの、なかなかデビューにたどり着けず、目の前が真っ暗で。何をしてもダメだし、日々、叱られながらどん底に長くいました。でも、そこで逃げ出して、諦めていたら今の自分はいなかったと思いますし、もっとどん底に落ちていたかもしれない。先が見えない状態でも諦めず、続けたからこそ現在につながったと思うので、逃げずに頑張ってよかったと感じています。

――当時と比べて現在の吉野さんは強くなったと思いますか？

この先、何が起きたとしても頑張れると思います。もしかしたら、これから想定外の大きな壁に対峙することがあるかもしれませんが、かつて、どん底にいた時期を思い返しながら、乗り越えていきたいです。

THE RAMPAGEのメンバーでよかったと心から感じている

――2023年１月のタウンワークのインタビューで、仕事をするうえで大事にしているのは「僕は表現者なので、そこに自分の意志がないと表現しづらい」と話していましたが、その後、変化はありませんか？

今も変わらずその思いはありますね。ほかには“周りを巻き込む”ことを大事にしています。自分一人だけではどうしてもできないことがあって、支えてくださるスタッフさんのおかげで実現するものも多いので、そんな方たちをいい意味で僕のフィールドに巻き込んでいく。極端な話、自分のファンになってもらうぐらい味方になっていただいて、作品づくりに向き合いたいです。

――身近なスタッフさんが味方になってくださるのは、とても心強いですね。

僕たちアーティストはその時のベストなものを、受け取ってくださる皆さんに届けたいと思って制作に携わっていますが、スタッフの皆さんにも「一緒にいいものを作りたい」という気持ちをもっていただくことで作品のクオリティはさらに上がると思うので、皆でサポートし合いながら、味方をどんどん増やしていきたいです。

――THE RAMPAGEは吉野さんにとってどんな存在ですか？

THE RAMPAGEというめちゃくちゃカッコいい芯のあるグループがいるから、いろんなことに挑戦できています。グループの存在がなかったら、ビビっちゃって何も挑戦できていなかったでしょうし、できることも限られていたと思う。グループのおかげで、僕は戦うことができているので、THE RAMPAGEのメンバーでよかったと心から感じています。

――２年前の原動力は“食べもの”で、ご両親とお寿司を食べに行った話、特にイカが美味しかったと話してくださいましたが、現在の原動力は何ですか？

今もごはんですね、そこは変わりません（笑）。最近もまた両親が来てくれて、イタリアンに連れていったんです。その時もすごく喜んでくれて、おいしいごはんを大事な人たちといただくことは活力になるし、もっと頑張ろうという気持ちにもなれる。だから、ごはんに使うお金は惜しみません（笑）！

――力強い宣言ありがとうございます（笑）。最後に、夢や目標に向かって奮闘する皆さんにメッセージをお願いします。

シンプルですが「頑張れ！」の一言に尽きます。頑張ることが将来への道を切り拓く一歩につながりますし、今、頑張らないと、この先、生まれるものはないと思うんです。やりたいことや目標としているものがあるのなら、無理のない範囲で頑張ってください。

＞2023年の吉野北人さんのインタビューはこちら
 

 
編集：ぽっくんワールド企画
撮影：河井彩美
スタイリング：吉田ケイスケ
ヘアメイク：大木利保（CONTINUE）
取材・文：荒垣信子