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2018年08月31日

アーティスト・伊東歌詞太郎インタビュー『そこで“自分が何を感じて何を学ぶのか”その思考こそが大切』

伊藤歌詞太郎 歌ってみた 歌手 音楽 イトヲカシ インタビュー タウンワーク声帯結節の手術で半年の休養を経て、7月に力強い歌声で復帰ライヴを行なった伊東歌詞太郎さん。自身の家庭教師時代の経験をフィクションで綴った初の小説『家庭教室』も重版されるなど多方面で活躍。ここでは音楽への想い、文章を綴ること、そして塾講師・家庭教師でのアルバイトエピソードを伺いました。

音楽や文章に触れた後、人生が1ミリでもプラスになってくれたら

——7月25日に復帰ライヴを行なった感想から聞かせてください。

声帯結節切除の手術をしたため半年間、歌を歌うことが出来ず、歌のリハビリが始まってからも2ヶ月しかなくて、最初はライヴ自体“無理なんじゃないの?”っていう声もあったんです。それでも“出来る”と思ってしまう自分がいたし、復帰ライヴをして改めて自分は音楽バカなんだということに気付きました(笑)。事前に入ったリハーサルでは声が掠れて最後まで歌えなくて、周囲はヒヤヒヤしたと思うんですけど、それを乗り越えれば喉は強くなると思っていたし、当日はすごく調子よく歌えました。ライヴの翌日もスタジオに入って歌いました。

——ライヴでは会場限定の『BLANK DISK』をリリースされましたね。

収録した4曲には喉の手術を終えて、歌が歌えるまでの間に考えたり感じたことを描いています。

——ファンや音楽に対する愛情が詰まっているなと感じました。

音楽とファンが大切だという気持ちは、僕の中では一致しているものなんです。たとえば、『Tonight』は“あなたといるこの時間(ライヴ)が一番なんだ”っていうこと。これまで音楽を続けることで、人に騙されたりしたこともあったけど、どんな状況になっても音楽は絶対に嫌いにならないし、その想いがより色濃く出たなと思います。

——そして、年末にはツアーも控えていますね。

はい。その前には全国で路上ライヴをします。僕の人格の半分は川崎駅前の路上で歌ってきたことで形成されたと思っているので。

——路上で歌う経験をしたことで、改めて感じるのはどんなことでしょうか?

音楽を聴いてもらうことと、そこで伝えたいという想いですね。最近だと、学校終わりに駆けつけてくれた子に“ノートで申し訳ないんですけどサインください”とか“グッズを買えなくてごめんなさい”って言われることがあるんですけど、もう来てくれるだけでもいいんですよ! 僕にとっては音楽を聴いてくれることに意味があるんです。それこそ昔は、どれだけ頑張って作ってアップロードしても再生数が2とか、一生懸命路上で演奏しても5〜6時間やって立ち止まってくれるのが10人とかでしたからね。それが今は待っててくれる人がいる。当時からすると、そんなこと有り得ないんですよ。音楽を聴いてもらう。それが自分がやりたいことであり、ずっと大事にしていきたい想いですね。

——そして、初めて執筆した小説『家庭教室』が5万部を突破しましたね。

発売した後に、販促用のポスターに書き込む感想を読者から募ったんですけど、すごくたくさんのコメントをいただいたので、出版社の方が特設サイトをつくってくれて全員の感想を掲載してくれたんです。お客さん1人1人を大事にしたいっていう気持ちを出版社のチームが大事にしてくれたのが何より嬉しかったですね。それに、メッセージっていうのは“そこに伝えたい想いがある”ということなんですよね。『家庭教室』は、社会への問題提示でもあったので、読者が何かを感じてくれたなら嬉しいです。音楽も文章も、触れる前より触れた後に人生に1ミリでもプラスになってくれたらいいなと思うんです。

生徒ありきの仕事だから、塾講師時代は自分も勉強して全教科を教えてた

伊藤歌詞太郎 歌ってみた 歌手 音楽 イトヲカシ インタビュー タウンワーク——その『家庭教室』は、歌詞太郎さんの経験を基にしたフィクションとなっていますが、家庭教師のバイトをしたキッカケを教えてもらえますか?

アルバイトの紹介サイトに登録したら塾の講師を勧められたんです。最初は「人に教えるなんて出来ないです」って断ったんですけど、その担当の方の押しが強かったんですよね(笑)。試験があるんですけど、それも受かったしせっかくの縁だから頑張ってみようかなと。

——そこで、どんな経験をしたのでしょうか?

塾で小学2年生から高校2年生までの全教科を教えていました。最初は国語の先生として登録したんですけど、「今日は〇〇科の先生が休んじゃって、君しかいなくて」とか頼まれるうちに、最終的には全教科になっていましたね。やっぱり、そこは生徒ありきの仕事だから、自分が勉強して教えられるならという思いはありました。特に、中学・高校の受験前とかは、みんな一生懸命で言動とか顔つきも変わってきますからね。

——節目に携わる醍醐味と責任がありますよね?

受験で落ちちゃった子に「先生ごめんなさい」って言われることもあって、そういう時は、彼らのその後の人生に関わることはできないけど、頼むから幸せになってほしいって思うし、1つ1つがトゲみたいに胸に刺さりました。だからこそ、彼らの人生の一部に触れるのであれば全力でやるべきだし、それが条件だなとは思っていました。

より家庭との関わりが増えた家庭教師という仕事

伊藤歌詞太郎 歌ってみた 歌手 音楽 イトヲカシ インタビュー タウンワーク——その後、家庭教師がメインになったのでしょうか?

塾講師と被った期間もあるんですけど、最終的には4〜5年続けました。塾と違うのは、より家庭との関わりが増えたことですね。僕の場合は偶然が重なったのか担当していた子たちの8〜9割の家庭が問題を抱えていて、円満だった家庭って本当に少なかったんですよ。

大切にしていたのは話を聞くこと——あまり勉強を教えるタイプの先生ではなかった

伊藤歌詞太郎 歌ってみた 歌手 音楽 イトヲカシ インタビュー タウンワーク——親子関係の問題やイジメなど、本の『家庭教室』の中でも色々な家庭が描かれていましたね。

そうなんです。みんな、すごく色々なことを感じて生きていると思うんです。不安や悩みがあるなかで、勉強だけを押し付けても無理だと思うんですよ。もちろん勉強を教えるのが仕事ですけど、その子たちが“勉強するために必要なことはなんだろう?”っていうのを常に考えるタイプの家庭教師ではありましたね。なので大事にしていたのは話を聞くこと。それが時には、その子以上に、ご両親の悩みとかを聞く場合もあったし。だから、僕はあんまり勉強を教えるタイプの先生ではなかったかもしれないですね(笑)。

——そう思うキッカケはあったんですか?

小学校から高校まで自分も塾に通っていたんですけど、そこで教えてくれていた先生がいつも夢を語るんですよ(笑)。夢や目標が見つかった時に、すぐに行動を始めれば目標までの登り坂もゆるやかになるから、やりたいことは早く始めたほうがいいよって。勉強より、そんな話をしているほうが多かったかもしれないです(笑)。

最初に塾講師を始めた時は、深く人と関わる仕事だとは思っていなかった

伊藤歌詞太郎 歌ってみた 歌手 音楽 イトヲカシ インタビュー タウンワーク——でも、それが大切なことだったんですね。

そうですね。大人になってから、先生にそれを伝えてみたら、「君の授業は癒しだったから好きなこと言ってたんだよね」って笑っていましたけど、僕にとってはそれがすごく良かった。勉強以前に心に引っかかっている問題がある場合は、その手前から解きほぐしていかないといけないんだなっていう思いは強かったですね。問題が解決したら、みんな勝手に勉強するんですよ(笑)。だから、僕はそこまでを頑張るっていう感じでした。
 
——特に嬉しいと感じた出来事を教えてください。

生徒がどういう努力をしてきたかっていうのを全部知っているわけだから、その子たちが第一志望に受かった瞬間は至高の喜びでしたね。最初に塾講師を始めた時は、こんなに深く人と関わる仕事だとは思っていなかったし、そもそもそこまでやるつもりはなかったのに不思議だなと思います。

バイトは時間をお金にすることと自分を磨くこと。その両面を学べる場所

伊藤歌詞太郎 歌ってみた 歌手 音楽 イトヲカシ インタビュー タウンワーク——天職にも思えますが、音楽との両立はどう考えていましたか?

ずっと音楽は続けていて、アルバイトはそのための資金集めだったんです。伊東歌詞太郎としてだんだん音楽だけで食べられるようになりかけたころ、断ったわけじゃないんですけど、担当していた5~6家庭の仕事が不思議と同じタイミングでなくなったんです。1ヶ月、水道ガスが止まった時期があるんですけど、次の月からは音楽だけで食べられるようになって。当時経験した全てのことが今に活きていますね。

——これから、バイトを始める人にメッセージをお願いします!

バイトって時間がお金になるんですよね。だけど、お金をもらう以外のことも絶対に学んで欲しいなと思うんです。たとえば、仕事がツマラナイと感じたら“じゃあ自分の好きなことってなんだろう?”って考えるとか。もちろん失敗してもいいんです。ただ、そのことで自分が何を感じて何を学ぶのかっていう思考につなげて欲しくて。バイトは時間をお金にすることと、自分を磨いていくこと、その両面を学べる場だと思うので、全力で取り組んでほしいです!

■Profile

伊東歌詞太郎(いとう かしたろう)

ネット音楽のカバーで2012年に活動を開始。現在の動画総再生数は8000万回を超えている。2014年にメジャーデビュー。以降「一意専心」「二律背反」「二天一流」のアルバム3枚をリリースし、3作連続でオリコンランキングTOP10入りを継続中。
2018年5月には初の小説『家庭教室』を出版し5万部を突破するなど、マルチな才能を持った注目のシンガーソングライター。メディアでの顔出しはしておらず、狐のお面がトレードマーク。

伊東歌詞太郎 OFFICIAL SITE:https://www.kashitaro.com/
伊東歌詞太郎 OFFICIAL Twitter:@kashitaro_ito

企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:河井彩美 取材・文:原 千夏

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