スマートフォン用サイトを表示

アルバイトや転職に役立つ情報が満載!最新のお仕事ニュースなら【タウンワークマガジン】

2018年09月18日

アイナ・ジ・エンド(BiSH)インタビュー『ダンスレッスンで生徒にかけた言葉は、自分自身への励ましの言葉でもあった』

アイナ・ジ・エンド BiSH ビッシュ パンク バンド 楽器 タウンワーク
“楽器を持たないパンクバンド”BiSHから2枚看板とも言えるアイナ・ジ・エンド、セントチヒロ・チッチが両A面シングルでソロデビュー! BiSH加入前に自身で初めて作詞・作曲した楽曲「きえないで」について伺ったほか、不器用さ全開のバイト経験や、それでも夢を追いかけ続けた下積み時代のお話を伺いました。

10代の頃に作詞作曲した「きえないで」は、人生において思い入れの強い曲

アイナ・ジ・エンド BiSH ビッシュ パンク バンド 楽器 タウンワーク

——ソロ音源となる「きえないで」の制作エピソードを教えてください。

BiSHになる前から曲は作っていたし、お客さんの全然いないライヴハウスや路上で1人で歌っていた時期もあったんです。今回は、スタッフさんにその当時の曲を入れようと言ってもらえたので、人生で初めて作った曲であり、思い入れの強い「きえないで」を選びました。

——作詞・作曲ともにアイナさんですね。

18歳の時に書きました。小5くらいから、ずっと男性が怖いという気持ちがあったんですけど、好きな人が出来て、やっと男の人を優しいと感じられるようになったんです。友だちでならいられるかもと初めて思えた相手への“ありがとう”の気持ちを込めて書きました。

それともう1つエピソードがあって、19歳の時に親友のお母さんが亡くなったんです。その時に親友が、友だちの中でも最初に私に電話をくれたらしくて、お母さんが亡くなったことを笑いながら話していたんですけど、友だちの声は泣いていて……。その時、その子に「きえないで」を歌ってほしいと言われたのに、私は震えて歌えなかったんです。そのことがずっと悔いとして心に残っていたので、この機会をいただいた時に、改めてその子に届けたいと思いました。

——レコーディングで意識したことはありますか?

歌う前に、壁に指で“きえないで”と書いて、そこにキスをしてから歌いました。親友に届けたいという気持ちと、誰かに届くようにと強い気持ちで歌った歌は、きっと聴いてくれる方にも刺さってくれるだろうと信じていました。レコーディングでは、うまく歌うというより部屋の中でポツリポツリ歌っているような、耳元で囁くようなイメージで、BiSHでもなく、アイナ・ジ・エンドでもなく、一人の女性として歌いました。

——今回は亀田誠治さんがプロデュースをされていますね。

この曲を作った時は、まだ曲作りのノウハウも知らないし楽器も弾けなくて、ピアノとギターしかなかったんですけど、ずっと“ドラムとかベースが入ったら、カッコイイんだろうなぁ”って夢みていたんです。レコーディング前に、亀田さんにアレンジしていただいた曲を聴いて“あれだけ入れたかった音数がいっぱい入ってる、夢が叶った!”と思いましたね。亀田さんは “音楽と結婚しているんじゃないか”と思うくらい音楽に対して真摯に向き合っている方で、そんな方と制作できたことが宝物ですし、「自分の歌をもってる」と言っていただけたのが本当に嬉しかったです。

——そして今回はセントチヒロ・チッチさんの楽曲「夜王子と月の姫」との両A面になりますね。

リーガルリリーさんとチッチの空気感がすごくマッチしていたし、大切なメンバーがすごく楽しそうに取り組んでいる姿を見られたのも幸せでした。

不器用の極み!? カラオケ店では飲み物をひっくり返したり失敗ばかりでした

アイナ・ジ・エンド BiSH ビッシュ パンク バンド 楽器 タウンワーク
——では、ここからはバイト経験について聞かせてください。

初めてのバイトはカラオケ店でした。高校生の頃、友だちと放課後によく遊びに行っていたので、カラオケで働いたらいっぱい歌えるかなと思って(笑)。そこは1年半くらい働いたんですけど、私は要領が悪くて失敗ばかりでたくさん迷惑をかけましたね。

——失敗エピソードも教えてもらえますか?

10杯以上のドリンクを運ぶ時はよくひっくり返していたし、パフェ作りもセンスがなさすぎて、子どもには「なにこれ」って言われたり。でも、何個作ってもクオリティは変わらなかったので「これが通常のパフェです!」って言い切っていました(笑)。不器用の極みで、完全に仕事ができない人でしたね。

——そんな中での初めての給料は覚えていますか?

すごく嬉しかったので覚えています。お金を稼ぐのは大変でめっちゃしんどいけど、バイト代としてまとめてもらえた時に“働いたらお金もらえるんだ”って実感出来ましたね。妹に何かしてあげたくて、食べ放題の安いところだったんですけど焼肉屋に連れて行って、いっぱい食べて、いっぱい遊びました!

——カラオケ店のバイトを辞めたのには理由があったんですか?

ずっと続けていたダンスの時間を増やしたかったので、学校との両立も考えて週1回だけ入れるシュークリーム店で働くことにしました。そこでも仕事覚えは悪くて、何回数えてもシュークリームの数が合わなかったんですけど(苦笑)。

独特なレッスン方法——まずは子どもたちにダンスを好きになってほしかった

アイナ・ジ・エンド BiSH ビッシュ パンク バンド 楽器 タウンワーク
——その頃は、音楽活動も始めていたんでしょうか?

歌でプロになりたいと思ったのがまさにこの時期だったので、シュークリーム店以降に稼いだお金は、全部ダンスと歌に費しました。高校3年の終わりには、ダンススクールでバイトをして、自分の担当クラスもあったんですけど、すぐに上京してしまったので1ヶ月だけでしたね。

——どんなレッスンをしていたんでしょうか?

小さい子たちは親の意向で習いに来る子も多かったので、まずはダンスを楽しいと思ってほしくて、レッスンの最初はみんなで円になってその日の出来事を話したり、コミュニケーションを大事にしていました。それから、電気を消して真っ暗にして曲を流すんです。終わって「どんな気持ちで聴いてた?」ってみんなに聞くと、「寂しい気持ちになった」とか「水の音がいっぱい聞こえた!」とか、すごく純粋な感想が出てくるので、そのイメージから振りを作ってダンスを教えていました。当時の生徒が、今もダンスを好きで続けているという話を聞くとすごく嬉しいなと思います。

——高校生で“人に教える”というプレッシャーではなかったですか?

4歳からずっとダンスはやっていましたけど、教室では一番下手で、バイトをしても失敗ばかりで、いつも笑っていることくらいしか出来ない自分にコンプレックスがあったんです。でも、怒られると萎縮して何も出来なくなる。だから、自分が生徒と向き合う時は、教えるというよりも“出来なくても大丈夫だよ”とか“楽しもう”ということを伝えたかったし、自分に言い聞かせている部分でもありました。

アパレル店で働いたことで、本気で楽しむパワーが人間力を生むことを知った

アイナ・ジ・エンド BiSH ビッシュ パンク バンド 楽器 タウンワーク
——上京後もバイトはするのでしょうか?

渋谷のアパレルで働いたんですけど、そこで全国店舗の中で売り上げ2位になったことがあるんです! その時に初めて、私は人に何かを伝えたり話すことのほうが向いているんだと気付きました。そこでは無理に話を合わせるより、正直に接してお客さんみんなと友だちになろうと心がけていました(笑)。

それとアパレルで働いてみて感じたのは、土地柄もあってお客さんはギャルが多かったんですけど、みんなハッピーオーラがあって、全力でおしゃれを楽しんでいるんです。本当にパワフルだったし、本気で人生を楽しんでいる人こそキレイで、それが人間力につながるんだということをこのバイトを通して感じました。

野音のステージセットが解体されていくのを見て、当時の想いが溢れた

——そのアパレルが最後のバイトですか?

いえ、アパレルで働くのは楽しかったんですけど、本来の目的だったはずの音楽活動が全然うまくいっていなくて……。バイトをしていても、生活費と活動費が必要でお金がなくて、アパレルの店長にラーメンをおごってもらうのが1日の唯一の食事とか。それで心がすり減ってしまったので、音楽に専念するために思い切ってアパレルを辞めました。昼間に音楽をするための時間を作りたくて、朝はパン屋で働いて、夜は解体のバイトをしました。

——解体のバイトというと?

ライヴが終わった後のステージ解体です。コンサート会場のセットは大きくて異次元みたいだし、力仕事は本当にキツかったんですけど、甘えちゃいけないと思っていました。

——その会場にBiSHとして立った経験は?

横浜アリーナとか日比谷野外音楽堂には立てました。野音のライヴの後にセットを解体している光景を見た時に“ウチここに立ったんや!”って改めて実感したんです。そこで働いてくれる人や、応援してくれる方たちへの感謝も溢れてきて、しばらく作業風景を見ていました。

怒こられてばかりだったけれど“言ってもらえること”への感謝は常にあった

アイナ・ジ・エンド BiSH ビッシュ パンク バンド 楽器 タウンワーク
——最後にこれからバイトを始める人へのアドバイスをお願いできますか?

私は怒られることが多かったんですけど、バイトで学ぶことも多かったので、 “人生経験をくれてありがとう”とか、“間違いを教えてくれてありがとう”って、いつも思うようにしていました。今もそうですけど“言ってもらえる”っていうのは本当に大切なことだと思うので、怒られたとしても発想の転換をして取り組んでみてもらえたらと思います。

▼こちらも読みたい▼

セントチヒロ・チッチ BiSH ビッシュ フロムエー タウンワークセントチヒロ・チッチ(BiSH)インタビュー『やりたいと思ったことは全部やりたい。バイトはいつも掛け持ちでした』

“楽器を持たないパンクバンド”BiSHから2枚看板とも言えるセントチヒロ・チッチ、アイナ・ジ・エンドが両A面シングルでソロデビュー! 学生時代に力をもらったというカバー曲への想いや、様々な出会いや経験をもたらしてくれたというバイト時代のエピソードをお伺いしました。
※「フロム・エーしよ!!」に遷移します。

■Profile
アイナ・ジ・エンド(BiSH)

BiSH(ビッシュ)は、アイナ・ジ・エンド、セントチヒロ・チッチ、モモコグミカンパニー、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・Dからなる楽器を持たないパンクバンド。2016年5月4日にシングル『DEADMAN』でメジャーデビュー。エモーショナルなパフォーマンスや個性溢れる歌声で多くのファンを魅了している。アイナ・ジ・エンドは、幼少から始めたダンスを生かして、BiSHの振り付け担当もしている。
10月からは『BRiNG icing HORSE TOUR』がスタート。ファイナルは12月22日(土)千葉 幕張メッセ9・10・11ホールにて開催!

◆BiSH OFFICIAL SITE:http://www.bish.tokyo/
◆BiSH Official Twitter:@BiSHidol
◆アイナ・ジ・エンド Official Twitter:@aina_BiSH

企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:河井彩美 取材・文:原 千夏

早速バイトを探してみよう