アルバイト先で目標を聞かれて困った! 目標のたて方と考え方とは?
アルバイトをはじめたところ、先輩や社員から「目標を決めて、ひと言話して」といわれたことはありませんか。でも、突然、目標といわれても困ってしまいますよね。今回はなぜアルバイトでも目標が必要なのかという理由から、目標のたて方、考え方のコツ、具体的なスピーチまでご紹介します。目標をもつと、アルバイトにも張り合いができ、きっと楽しくなることでしょう。
アルバイトに目標が必要な理由とは?
アルバイトをするうえでの目標といわれても、すぐに答えられる人は少ないはず。では、なぜアルバイトに目標が求められるのでしょうか。その理由から解説していきましょう。
アルバイトに目標を求められる理由は2つ
「アルバイトの目標を決めて」といわれる理由はいくつかありますが、多くは(1)働く当事者として自覚してもらうため、(2)アルバイト自身に成長を実感してもらうためということでしょう。
社会人になると責任も重くなり、それだけ働く当事者としての意識も高まりますが、アルバイトでは、働く意欲や意識が乏しい人もいます。そこで、目標を持ち明確にすることで、「働く一員」として自覚してもらうのがその狙いです。また、アルバイトにも目標を持ってもらうことで、成長してほしい、また自身の成長を実感してもらいたいという思いもあるようです。
目標をたてるのは自分のためになる
また、バイトが忙しくなると、日々の仕事で手一杯になってしまいます。そんなときに目標があると「あ、そうだった、目標に向けてがんばろう」と気持ちを切り替えやすくなります。つまり、目標をもっておくことは自分のためになるのです。
ただ、いきなり「目標をたてて」と言われても、面倒に思うことでしょう。それでもあとから振り返ってみれば、良い経験になることがほとんどです。また、目標を考えてみると、「何に向かって努力するのか」が明確になるので、アルバイトへの取り組み方も変わることでしょう。
目標のたて方のコツ、考え方
アルバイトの目標といっても特別なことをあげる必要はありません。ポイントは、現在の状況を見極めて、将来、どうなっていたいかを考えることにあります。自身の観察力を磨く機会だと思うと、主体的に取り組めます。
目標は小さく、身近なことから
目標といっても、「売上を2倍に!」「100店舗をめざす」などの、大きな目標をたてる必要はありません。反対にもう少しで達成できそうなこと、できていそうでなかなか続けられないこと、などを目標にあげるのがよいでしょう。
目標をたてるプロセスが大事
目標をたてるにあたって、大切なのは課題を自分で発見することです。現状の課題や不満点、改善点はあるかな? という視点でアルバイトをすると、今まで見落としていたことに気がつけます。実はこの観察がもっとも大事です。課題を見つけたら書き出し、メモにしておき、それを改善するための方法を考えれば、目標の完成です。
目標には数字をいれると効果的
また、改善にはいつまでに、いくら、●回など数字をいれると、効果的で「ぐっと目標らしく」なります。さらにアルバイト仲間や、先輩、上司などのみんなにも伝わりやすくなります。
目標のヒントは、日々の不満・イライラにある
実はアルバイトでの日々のイライラや不満が「目標」の大きなヒントになります。考えていても整理できないことがほとんどですので、書き出すと客観的に考えることができるので、紙とペンを用意して行ってください。
(1)現在の業務を書き出す
まず、現在の仕事でしている「内容」をできるだけ具体的に書き出していきましょう。ポイントは具体的に接客、案内、清掃、オーダーなどと、いくつでも構いません。
(2)現在の不満点、イライラする点を書き出す
業務内容が出てきたら、イライラする点、不満な点、ストレスになっている点やシーンを思い浮かべてみましょう。人の悪口ではなく、何が、どうストレスになっているのかを考えてみましょう。
たとえば、「ゴミ捨てや清掃など地味な仕事を担当している人が偏っている」「疲れてくるとオーダーミスが多発して、キッチンとホールでギクシャクする」「忙しくなると食器が足らなくなる」などなど、「いつものこと」と思っている内容も実は目標につながります。
また、お客さんからのクレームも大きなヒントです。何が不満になっているのか、その理由は、と背景を考えてみましょう。
(3)改善方法に数字をまじえて考える
イライラしている点、不満になっている点が見えてきたら、その改善方法を考えます。また考えた結果が「●●をがんばります」だと目標にならないので、数字をいれることを意識するとよいでしょう。
例)
~を○【件】~する
~を○【件】~しない
~を○【件】、早める
【】の単位の部分を、枚、回、分、個、人と入れていくと、目標らしくなります。
例)まずは1カ月、オーダーミスを出さない
例)レジの過不足●日連続をめざす
例)皿洗いに取り組む時間を10分前倒しにする
朝礼などで、目標をスピーチするときの例
目標を決めところ、「せっかくだからみんなの前で話して」といわれることもあるでしょう。今回は、そんなときに使えるスピーチの例をご紹介します。参考にして自分らしいスピーチの一助としてください。
「私はオーダーミスをゼロにしたいと思います」
飲食店などで必ずといっても起きる「オーダーミス」。かんたんなようで持続が難しいので、目標にしやすい内容です。また、どうやってゼロにするのか、続けて発言するといいでしょう。「聞きにくいことも再度確認する」「疲れてきたときこそきちんと聞く」などというと、「真剣に考えているんだな」という気持ちが伝わります。
「レジ締め作業を●時●分ごろには終えたいと思います」
アルバイトでレジの締め作業を任されることもあるでしょう。そんな人はこんな目標がオススメです。ミスの許されない作業を正確にすばやく、は難しいものです。今まではなんとなくの流れではなく、「●時ごろに終わっていればいいかな」というのを、目標をたてることで、心地よい緊張感のもと、行えることでしょう。
「10分前には到着、始業に備えたいと思います」
アルバイトには毎回、ギリギリの人や、早めに到着する人など、いろいろな人がいることでしょう。でも、どんな職場でも早めに到着し、準備しているのは喜ばれます。休憩スペースなど、みんなが使う場所をさりげなく掃除するのもいいですね。1回でなく、続けて習慣にするのがポイントなので、「まずは1カ月を目標にします」と続けて伝えてもいいでしょう。
「体調管理に留意し、遅刻欠勤ゼロをめざします」
職種を問わず使える目標の例です。特に風邪やインフルエンザが流行する時期に体調管理を意識するという意味でよいでしょう。欠勤や遅刻はしないのが当たり前のようでいて、なかなか難しいもの。同様に「クレームゼロ」「トラブルゼロ」のように、「当たり前のようなことを徹底する」のをあげてもいいですね。ただし、実際に体調を崩したときは無理せずに休んでください。
目標をたてることで、見える世界が変わってくる
アルバイトをするうえで目標がなくてもダメなわけではありません。アルバイトを続けることが目標という人もいることでしょうし、目標がなくてもがんばれる人もいます。
ただ、大切なのは、自分の考え方や今の立ち位置を明確にし、伝えること。「目標づくり、めんどくさいな」などと思わずに、今の自分のあり方、将来、どうなっていきたいかを考えてみてください。今、自分が行きたい方向が見えてくると、見える風景もきっと変わってくることでしょう。