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2019年06月18日

アーティスト・さなりインタビュー『趣味からプロへ。誰かに聴いてもらいたいという意識は強くなった』

さなり アーティスト オオカミ タウンワークマガジン
人気ロックバンドを排出するレーベル・A-Sketchが立ち上げたプロジェクト「OverFlow」で、昨年1月にグランプリを獲得した・さなりさん。自身で作詞作曲まで手がける16歳の新星アーティスト。ラップとの出会いや、プロとしての活動を始めた現在の仕事観、さらに6月5日にリリースされたばかりのアルバムについてインタビュー。

アルバムは今やりたいことを詰め込んだ“ありのまま”の作品

——アルバム『SICKSTEEN』がリリースされましたね。

特にコンセプトにこだわったわけではなく、今の自分が本当にやりたいことや、好きな曲を作って詰め込んだ“ありのまま”の作品になったと思っています。

——今作は様々なプロデューサーが参加していますが、特に印象に残っている楽曲はありますか?

SKY-HIさんにプロデュースしていただいたデビュー曲の「悪戯」は、まずビートを僕が作って、それにSKY-HIさんが音を足してくれました。ラップの乗せ方や、発音、フロウなど学ぶことばかりで印象的でしたね。レコーディングの現場でも、上手く言葉がのるように色々指導してもらったんですけど、自分の中にはない新しい要素が多く苦戦したぶん、吸収することも多かったので感謝しかないです。

——まさに発見の連続だったと。

はい。そういう意味ではアルバム後半の「キングダム」や「Never End」も初挑戦でした。今まで、ギターを主軸にしたロック調の楽曲は作ったことがなかったので、プロデューサーの方に入っていただいたことで新しい試みが出来ました。

——アルバム前半は、さなりさん特有の柔らかいメロディや揺らぎが心地いいですね。

「嘘」や「もっと」は、早い段階で出来た曲で、自分が元々持っている素の要素が強いかもしれないです。感情をさらけ出すエモーショナルな感じや切なさが強く出せたと思います。ただ、そのなかでも、「嘘」は、メロディの乗せ方や作り方にもこだわって普段とは少し変えています。それと、「タカラモノ」は曲始まりから印象の強いメロディを持ってきたくて、サビから始まる展開にしています。

——歌詞(リリック)はどのように書くことが多いですか?

いつも曲から作るのでリリックは最後なんですけど、曲のイメージが湧いた時に歌詞のニュアンスも浮かぶので、曲調に呼ばれる感じですね。あまり具体的にはせず、いつ歌ってもちゃんと共感できるように、なるべく抽象的に書くようにしています。僕のリリックは割と、ネガティブというか悲しい内容になってしまうことが多いんですけど……(苦笑)。

——とはいえ、ラストの「BRAND-NEW」は力強さや光に溢れた曲ですよね?

この曲は、アルバムでも最初か最後の曲にしたくて、“終わりは次への始まり”でもあるので、ここからの新しいスタートという意識はありました。

——確かに、単語としては“うんざり”とか“ハリボテ”という、ちょっと冷めたワードもありますけど、サビはポジティブに綴られていて、その絶妙さがリアルだなと。

そういうバランスがすごく好きなんです。現実を少し冷めた目線でとらえているようなところがあって。それでも結局は前に進んでいくんですけどね(笑)。

アルバムタイトルも、“年齢=SIXTEEN”と“SICK=病む”を掛けていますが、現実のなかで感じる様々な問題や葛藤とか痛みに心が動くし、言葉を突き詰めていくなかで、空想的なものよりは現実と向き合ったものを書くことが多いかもしれないです。

1人の時間があったことで音楽制作に没頭していった

さなり アーティスト オオカミ タウンワークマガジン

——では、現在16歳のさなりさんですが、音楽を始めた頃のことも教えてもらえますか?

中学時代に友だちと、即興で音に合わせてラップをするフリースタイルで遊んでいたのが最初ですね。特別なことではなくて、本当に遊びの一環としてラップとか音楽があるという感じでした。その友だちとは24時間一緒にいるぐらいずっと遊んでいたから、自然と音楽に触れている時間も長かったですし、なにより楽しかったので。

——生活の一部だったわけですね。

はい。でも中学2年の2学期に引越しをしたことで、その友だちとは遊べなくなってしまって1人で過ごす時間が増えたんです。その前から作曲はしていましたが、本格的にラップをしようと思って機材をそろえたことで没頭していきました。今振り返ると、その時期はゲームと音楽しかしてなかった。音楽を始めたのは“やることがなかったから”っていうのも大きなキッカケかもしれないですね(笑)。

——そう考えると1人の時間も大事ですね。

そうですね。それがなかったら、ここまで真剣に音楽に取り組んではいなかったかもしれないです。

“高校生になるまでに何かを形にしたい”という無意識の焦りがずっとあった

さなり アーティスト オオカミ タウンワークマガジン

——昨年、オーディションを受けた時には、もうプロになりたいという思いは固まっていたんでしょうか?

最初はプロになりたいというよりは、“オーディションに受かってワンチャンをものにしたら地元の仲間にも自慢できるじゃん!”とか“これ受かったらすごくない!?”っていう、もしかしたらを狙いにいく感じでした(笑)。

——オーディションを受けることに戸惑いはなかったですか?

根拠のない自信があったのと、今思うとちょっと生き急いでいたというか……。中学生になった頃から、“高校生になるまでには何かを形にしたい”って、ずっと焦っていたんです。無意識のうちに“何かをしなきゃ”“見つけなきゃ”っていう思いが常につきまとっているような感じだったので、オーディションはそれを打破するキッカケでもありました。

——ちなみに、地元の友だちに自慢は(笑)?

そうは言いつつ、実際には自慢したいというタイプでもないので近況報告程度に、“何しよん?”って聞かれた時に“まぁなんかやってるよ”くらいでしたね。でも最近、僕の曲を知ってくれた仲間には“お前やるやん!”って言われました(笑)。最近、色々な人が自分の音楽を聴いてくれているんだという実感がようやく湧いてきてすごく嬉しいですね。

——作詞作曲も手がけるさなりさんですが、制作面においてどんな時が楽しいですか?

音楽に触れている時間は比較的いつも楽しいです。作っている時も夢中でやっていますし、完成してみんなに聴いてもらえる瞬間も楽しいです。

プロになって吸収することも多く、自分のなかでハードルはあがってきている

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——音楽が仕事になったことで変化は感じていますか?

まだ言葉にするのは難しいです。でも、1人でやっていたころは“生み出して、歌って”っていうだけの世界だったので浮かんだ曲をボツにすることがなかったんです。ネットにあげてはいたけど、友だちと共有するためで、“誰かに聴いてもらいたい”っていう感覚とはちょっと違って、もっと趣味の要素が強かったですね。

今はプロの方たちと仕事をして吸収することも多いので、曲を作り直したりもするし、徐々に自分のなかでハードルは上がってきているのは感じています。

ライヴは緊張するけど、聴いてくれている人の表情をみると安心する

さなり アーティスト オオカミ タウンワークマガジン

——昨年デビューしてからは、初体験のことばかりだと思いますが楽しめていますか?

少しずつ慣れてきました(笑)。最初の頃は本当に何もかもが初めてで、写真撮影も“どうしたらいいんだろう?”って戸惑ったり、ライヴにしても人前で歌う経験があまりなかったので緊張の連続で。でも“楽しく歌おう”というのは自分に言い聞かせていました。

——ステージでは、オーディエンスともコミュニケーションをとれているのが印象的でした。

けっこう集まってくれた方のことは見るかもしれないですね。“どういうふうに聴いてくれているのかな?”とか気になりますし、自分が緊張しているほど見ちゃいますね(笑)。そこで、一緒に口ずさんでくれる方を見つけたり、楽しそうに聴いてくれている姿を見ると安心します。自分も楽しいし、聴いてくれる方も楽しいと思える空間になっていたら幸せだなと思います。

新しい挑戦をする時は、自分をフラットにするようにしてる

さなり アーティスト オオカミ タウンワークマガジン

——初めての事に挑戦するのは好きですか?

好きですね。新しいことを始める時は、なるべくネガティブな想像はやめて、“とりあえずいくかぁ”ってフラットに考えるようにしています。もちろん不安はあるんですけど、今は自分自身に言い聞かせて強がっていたらいいんじゃないですかね(笑)。

——では最後に、今後はどんなアーティストになっていきたいですか?

音楽に限らず色んなことに挑戦してみたいです。たとえば、作詞作曲をした楽曲のミュージックビデオも自分で録ってみたい。作曲にしても、まだまだやりたいことは尽きないので、色々なチャレンジをしていきたいです。

 

■Profile
さなり

学生時代から始めた動画投稿の収入でパソコンを購入し動画制作などを始める。同時期に、ラップミュージックと出会いフリースタイルのラップで友だちと遊び始めたのをキッカケにオリジナル楽曲も制作。『OverFlow Project supported by CAMPFIRE MUSIC』でグランプリを獲得し、16歳にしてラップ・アーティストとしてメジャーデビュー。
さらに、AbemaTVのオリジナル恋愛リアリティーショー『白雪とオオカミくんには騙されない』への出演でも話題を呼んだ。

◆さなり OFFCIAL SITE: https://sanaridayo.com/
◆さなりOfficial Twitter: @takoyaki6678
◆さなり Offical Instagram : @sanaridayo17

企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:河井彩美 取材・文:原 千夏

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