阿部夢梨(SUPER☆GiRLS)インタビュー「日々の時間の使い方で夢が叶う確率は変わると思います」
今年で結成10周年となるSUPER☆GiRLSで、昨年からセンターを務める阿部夢梨さん。抜群の愛らしさに加え「清く、あざとく」のキャラクターでも注目の17歳。リーダーの渡邉幸愛さんとWセンターの新曲「忘れ桜」の発売を前に、足跡から振り返ってもらうと、実に思慮深い素顔も浮かび上がりました。
発表会の日にちを間違えた偶然からアイドルに
――夢梨さんは小学5年生から地元・石川のアイドルグループで活動していましたが、どんなきっかけで入ったんですか?
小さい頃は石原さとみさんのドラマを観たりして「私もテレビの中の人になりたい」という一心から、チャンスがあれば何でも挑戦して、グループに入りました。でも、最初からアイドルになりたかったわけではなくて。当時知っていたのはAKB48さんだけ。SKE48さんとか姉妹グループがあるのも知らないくらい、アイドルには疎かったです。スパガも知りませんでした(笑)。
――エイベックスのキッズオーディション『キラチャレ』を受けたのは、メジャーの世界で勝負したい気持ちもあったから?
友だちに「一緒に受けない?」と誘われて、私は思い出作りのつもりで受けました。そしたら決勝に進出して「レッスンを受けませんか?」とお声を掛けていただいて、名古屋まで3時間かけて通うようになりました。
――そこで意欲が高まって?
ただ好きで歌とダンスと演技のレッスンを受けていただけで、習いごとの感覚でした。でも、半年に1回、成果をスタッフさんに発表する日があって、私が日程を1日間違えていたんですね。家にいたら電話が来て、「すいません!」って次の日に行ったら、たまたまiDOL Street(エイベックスのアイドルレーベル)のプロデューサーさんが名古屋校にいらっしゃっていて。「せっかくだから」と顔合わせをさせてもらったら、目に留めていただいたんです。
それでオーディションを受けて、東京のストリート生(研修生)になりました。もし日にち通りに行っていたら、私はiDOL Streetに入ってなかったし、今、芸能界にもいなかったと思います。
研修生時代の自信は全然通じませんでした
――スト生によるスパガ3期生のオーディションには、自信を持って臨みました?
ぶっちゃけ自信ありました(笑)。スト生が個人でお仕事をいただくことはあまりないのに、私は雑誌の『Love berry』のモデルや、『コピンクス!』(静岡朝日テレビ)の宮本佳林さん(Juice=Juice)、浅川梨奈さん(元SUPER☆GiRLS)、廣川奈々聖さん(わーすた)を継いだキャラクターをやらせていただいていたので。
スト生のレッスン中に浅川さんが来て、「アベユメリって子はどこ? かわいい!」と言われて、写真をSNSに挙げていただいたこともありました。だから、逆に「これで受からなかったらヤバイな」と思ったので、余裕を持ってオーディションを受けたわけではないです。
――見事合格して、中2で期待の新メンバーとなりました。
でも、入った当時は先輩たちと比べたら歌もダンスも全然できなくて、自分でビックリしました。スト生のときは「上手だね」と言われていたのが、スパガ加入当初の動画を観たら、まるでダメなレベル。すごく焦ってレッスンに通わせていただいたり、家にいるときはずっと歌ってました。
――高校進学の際に上京もしました。
石川も東京もそんなに変わらないと思っていたら、違ってました。私は石川で一番かわいいと思っていたんですよ(笑)。でも、東京の高校に入ったら、もっとかわいい子がたくさんいて、イケイケで輝いていて。「負けられない!」と思いました。
悩んだら時の流れを待って1人焼肉に行きます(笑)
――その高1の頃を振り返って、去年ラジオの『ナイスゆめり!』で「全部捨てて逃げようと思っていた」と、涙ながらに話していました。
仕事と学業の両立に本当に悩んでしまって……。私は力を抜くということができないんです。「アイドル活動を頑張るぞ!」と思って上京しましたけど、勉強もやるからには全力を尽くしたくて。両方とも一生懸命やっていたら、どんどん苦しくなって、負のスパイラルに落ちてしまいました。
自分ではどうしたらいいかわからなくなって、幸愛さんに相談したんです。そしたら焼肉に連れて行ってくれて、「時間が解決してくれるから」と言われたので、とにかく日々を頑張って、時が流れるのを待ちました。
――今は落ち込んだときはどうしてますか?
1人焼肉に行きます(笑)。去年の年末くらいから始めました。焼肉って仲良い友だちと行っても、ちょっと気をつかうじゃないですか。焼いてばかりいて、自分はあまり食べられなかったり。それがイヤだったんです。だから、ずっと「1人で行きたい」と思いつつ、ボックス席に1人というのも抵抗があって。
でも、17歳になって行ってみたら、余裕でした(笑)。周りにも、ほぼ男性でしたけど1人焼肉の方がいたし、好きな牛タンやカルビを自由気ままに焼いて食べられるのは幸せでした。焼肉に行く日はカロリーとか気にしてられないので、とことん食べます(笑)!
アイドルはあざとくないといけないと思います
――“あざとい”を売りにしたのはいつ頃からでしたっけ?
志村(理佳)さんに言われたのが最初で、卒業の少し前だったから、2年前ですかね。当時の私は個性を出すことに悩んでました。「真面目キャラでいい」とも言われましたけど、それだと面白くなくて、自分の殻を破れなくて。
いろいろ探しながら、なかなかハマるものが見つからず、2年くらいウロウロしてましたけど、ツイッターに自分の写真を目を開けたのとつぶったのと2枚ずつ挙げていたら、志村さんに「あざといね」と言われたんです。
最初はイヤでした。「あざとい」って「計算高い」とか「腹黒い」イメージで、私は清楚な王道アイドルでいたかったったので、言われたら「やめてください!」と意地を張ってました。でも去年、幸愛さん以外の先輩たちが卒業されて、スパガが4章に入ったら、自分のキャラを爆発できるようになりました(笑)。
――元から「あざとい」と言われることに心当たりはあったんですか?
今思えば、自分をかわいいと思っていたり、コミュニケーションを取るのが好きなのは、あざとく見えたのかなと。握手会ではファンの方の手首までギュッとしちゃうし。でも、無意識なんです。私は純粋な気持ちでアイドルをやっているだけで、それをあざといと言われても、素だから仕方ない。やっと自分の個性を出せて、今はすごく楽しいです
私はアイドルはあざとくないといけないと思うんです。たくさんの人に応援してもらうにはかわいいほうがいいし、自分をかわいいと思ってなかったら、アイドルにならないじゃないですか。「かわいいね」と言われて、「そんなことないです」と言うアイドルさんも、本当は絶対「でしょう?」と思ってます(笑)。だったら、「そうなんです。ありがとうございます」と言ったほうがカッコよくないですか?
――確かに、かわいくいることもアイドルの大事な務めですよね。そのための努力もしているんですか?
特に意識してやっていることはなくても、私は日に日にかわいくなっていくんですよ(笑)。でも、昔の自分の写真を見返したりはします。当時も自分をかわいいと思ってましたけど、今見たら全然かわいくない。お菓子を食べたくなったら、その写真を見て「このときの私に戻りたい?」と自分に問い掛けます。
新曲はWセンターでの掛け合いが大好き
――去年は2曲続けてセンターを務めて、新曲「忘れ桜」では幸愛さんとWセンター。正直、また単独センターのほうが良かったとか(笑)?
それ、めっちゃ言われます(笑)。でも、そんなことは全然なくて、幸愛さんとのWセンターはずっと憧れでした。
――あざとく好感度を上げようとしていません(笑)?
違うんです! これは素です(笑)。掛け合い系のダンスもエモくて大好きで、本当にお気に入りの1曲。ミディアムテンポの曲調は4章では初挑戦で、新しいスパガを見せようと、メンバー全員、気合いが入ってます。
――ホロッとくる曲ですね。
この季節に合っていて、私は中学の卒業も思い出しますし、今度高校3年生になりますけど、曲を聴いて「あと1年で……」と思ったら、もう寂しくなってきます(笑)。
――『ナイスゆめり!』の年頭の放送では2020年の目標を24コ挙げて、その中に同じ石川出身の浜辺美波さんと「共演する」というのもありました。
絶対共演したいです! 去年10月の金沢マラソンで、ゲストが浜辺さんだったんですね。今年はスパガも呼んでいただいて、浜辺さん&阿部ちゃんの夢のかわいいコラボレーションを実現できたらいいなと思います。
――去年に続き、テストでクラス1位になることも挙がってました。勉強も相変わらず頑張っているんですね。
私がなぜ1位になりたいかというと、チヤホヤされたいからなんです(笑)。私はお仕事でなかなか学校に行けないのに、テストが返されるときに「1位は阿部」と言われて、「すごくない? いつ勉強していたの?」と教室がザワザワするのが好き(笑)。だから、テスト前は夜も寝ないで勉強します。
「私はかわいい」と言うのは自分を追い込むため
――スパガは今年、結成10周年を迎えます。
第4章としては2年目をスタートさせて、ありがたいことにオフがほとんどないくらい忙しくて、こういう毎日がずっと続けばいいなと思います。それで目標の日本武道館に繋げていけたら。私自身、石川のご当地アイドルからここまで来られるとは想像してなくて、振り返ればシンデレラストーリーだなと思います。
――夢を叶えるために大事なことは何だと思いますか?
日々の時間の過ごし方によって、夢が叶う確率は変わると思います。1日だけダラダラ過ごしても変わらないかもしれませんけど、そう考えていたら2日、3日……1週間とダラけてしまう。24時間×7日だと150時間を越えますよね。それだけ時間があったら、いろいろなことができたはず。隙間の時間を有効活用することで、未来は変わってくると思います。
――じゃあ、今30分空いたら、夢梨さんは何をしますか?
今ならテスト勉強をします。(取材日は)期末試験の直前なので。
――「また1位を獲る」と公言してますからね。
これだけ言ってると自分の首を絞めますけど、追い込まれないとやらないので。「私はかわいい」と言ってるのも、言ったからには「本当にかわいくならないといけない」と自分に言い聞かせているんです。
阿部夢梨(あべ ゆめり)
2002年7月29日生まれ。石川県出身。小学5年生から地元のアイドルグループ、Jumipin’で活動。2016年6月にSUPER☆GiRLSに3期生として加入。2019年6月発売のシングル「ナツカレ★バケーション」で初のセンターを務める。ラジオ番組「SUPER☆GiRLS阿部夢梨のナイスゆめり!」(ラジオ日本)でパーソナリティ。
OFFICIAL BLOG:https://ameblo.jp/sg-yumerin/
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SUPER☆GiRLS OFFICIAL SITE:https://supergirls.jp/
企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:河野英喜 取材・文:斉藤貴志