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2025年09月12日

「大丈夫です」はビジネスシーンの敬語表現として正しい?言い換え表現やシーン別の例文を紹介

「大丈夫です」はビジネスシーンの敬語表現として正しい?言い換え表現やシーン別の例文を紹介

目上の方に対して「大丈夫です」とつい言ってしまいそうになったことはありませんか。「大丈夫です」はビジネスシーンの敬語として使っていいのか、別の言い換えをしたほうがいいのでは、と気になる人も多いでしょう。今回は「大丈夫です」の正しい敬語表現や言い換え、シーンごとの例文を紹介します。

「大丈夫です」は敬語表現ではない

「大丈夫です」は敬語の表現としては正しくありません。日常会話の中で便利なフレーズとして使われるケースが多いですが、ビジネスシーンでは正しい言葉遣いとは言えず、特に、上司や取引先の人に対しては避けたほうがいいでしょう。「大丈夫です」の語源や意味、使う際の注意点について解説します。

「大丈夫」の3つの意味

「大丈夫」の語源として、「丈夫」は本来仏教用語で、「一人前の男子」のことを指します。「一人前の男子」が派生して、「あぶなげがなく安心できる」「強くてしっかりしている」「まちがいがなくて確か」などの意味を含みます。
そこから現代では大きく3つの意味で使われています。

①相手の依頼や意見、質問への答えに対して「承諾・賛成」など了解の意味
②必要ない場合や遠慮したい場面で、強く拒否できないときの「拒否・否定」など断りの意味
③心配をしてくれた場合や、謝罪を受けたあとの「配慮や気遣い」など相手への気配りとしての意味

「大丈夫です」の位置づけ

日常会話で「大丈夫です」を丁寧な表現として使うことはよくありますが、言葉の響きからもフランクな表現と捉える人も多いでしょう。「大丈夫」に「です」を付けて語尾を丁寧にしても敬語表現ではないにはならないため、敬語で話すことが求められる場面では正しい言葉遣いとはいえません。

「大丈夫です」は曖昧表現となり注意が必要

「大丈夫です」は肯定なのか否定なのか、曖昧なニュアンスがあるため、言い方や状況によっては相手の解釈が変わる可能性があります。たとえば、「幹事を任せてもいいか?」という質問に対して「大丈夫です」という答えでは、承諾されたのか断られたのか判断に困ります。
このように、「大丈夫です」は意図が正しく伝わらない場合もあるため使う際は注意が必要です。

「大丈夫です」を正しい敬語に言い換えると?

取引先や上司など目上の人には「大丈夫です」を使うことは避けるべきですが、丁寧に伝える際の言い換えや意味ごとの使い方を紹介します。

肯定的な使い方は「承知いたしました」「問題ありません」

目上の方との会話で、何かを依頼されたときの承諾や、質問に対して同意を求められたときなど、肯定や賛成の意味での「大丈夫です」の言い換えとしては「承知いたしました」や「問題ありません」があります。
上司や取引先からの依頼にこたえる場合には「ご依頼について承知いたしました」、取引先からの提案や意見を肯定する場合には「確認したところ問題ございません」と言い換えられます。「問題ない」は相手の意見や提案を評価しているニュアンスがあり、上から目線と感じる人もいる可能性があるため「問題ございません」と語尾を丁寧にするとビジネスシーンにふさわしい表現になります。
また、スケジュール変更のシーンでよく使われる「差し支えございません」といった表現を使うことでも「都合が悪い事情はありません」という意味を丁寧に伝えられます。

否定的な使い方は「必要ありません」「結構です」「お断りいたします」

はっきり断ると失礼になるのではという気持ちから、否定的な意味で「大丈夫です」とつい使いがちですが、「大丈夫」には肯定の意味もあるため、曖昧な表現から誤解を招く可能性があります。丁寧な言い換えとしては「必要ありません」や「結構です」、「お断りいたします」があります。「今回は必要ありません。ありがとうございます」や「申し訳ございませんが、お断りいたします」など感謝や謝罪の言葉を添えて使うことで丁寧な印象になります。
また、「結構です」も「否定と肯定」の両方のニュアンスが含まれているため、「大丈夫」と同様の気配りが必要です。

相手を配慮した使い方は「お気になさらないでください」

相手から謝罪を受けた際に「大丈夫です」と返してしまいがちですが、場合によっては相手に冷たい印象を与えてしまうことがあります。配慮が必要な場面で「気にしなくて大丈夫」という意思を伝えたい場合の表現として、「お気になさらないでください」と言い換えることで丁寧さと謙虚さが伝わります。

【シーン別】「大丈夫です」の言い換え表現例

肯定や否定、さらに配慮の意味もある「大丈夫です」の言い換え表現として具体的なシーンの会話を使った言い換え例を紹介します。

「了承」を伝える際の言い換え表現

例1
(相手)「XX日でお願いしてもよろしいでしょうか」
(自分)「XX日で問題ありません」
例2
(相手)「XX時に打ち合わせを入れてもよろしいでしょうか」
(自分)「XX時ということで承知いたしました。お待ちしています」

「断り」を伝える際の言い換え表現

例1
(相手)「XXのご利用を検討していただけませんか?」
(自分)「現在、弊社では必要ございません。ご提案ありがとうございます。」
例2
(相手)「玄関までお見送りいたします。」
(自分)「お気遣いありがとうございます。こちらで結構です。失礼いたします。」

「可能であること」を伝える際の言い換え表現

例1
(相手)「次のセミナーに同行して欲しいのだけど」
(自分)「(喜んで)お受けいたします/承知いたしました」
例2
(相手)「来月末までに納品をお願いできますか?」
(自分)「かしこまりました。来月末までに納品させていただきます。」

「気にしなくていいこと」を伝える際の言い換え表現


(相手)「先日はご連絡が遅くなり申し訳ございませんでした。」
(自分)「どうぞお気になさらないでください。全く支障はございませんでした。」

「大丈夫です」の英語表現

「大丈夫です」を英語で伝える際の使い方を紹介します。

承諾する意味の返答例

①「Yes, sure.」(たしかにそうですね/確信しています)
「Yes」だけよりも確実性の高いニュアンスになります。「Of course」は少し改まった印象ですが、どちらも日常的に使える表現です。

②「No problem.」(承知しました/問題ありません)
承諾の意味合いに加え、謝罪されたときにも使える、フレンドリーな印象の表現です。

③「I agree with your opinion.」(私はあなたの意見に賛成します)
ビジネスシーンでも使える「賛成・同意」です。

断りの意味の返答例

①「Thank you, but no thank you」(ありがとうございます。ですが、今回は遠慮いたします)
「No, thank you」は定番フレーズですが、冒頭に「Thank you」を入れることで、日本語の「遠慮いたします」のような、やわらかい断り方になります。カジュアルな表現なので、ビジネスシーンではあまり使いません。

②「I’m good, thank you.」(十分です。ありがとうございます)
ビジネスシーンに限らず、さまざまなコミュニケーションの場面で使える表現です。

③「I really appreciate the offer, but I’ll pass this time.」(お誘いに感謝します。でも今回は見送ります)
相手から食事などに誘われたときや、提案に対して丁寧な断り方です。

■執筆・監修:尾形圭子
株式会社ヒューマンディスカバリー 代表取締役
人材育成パートナー・講師/キャリアカウンセラー
航空会社、外資系化粧品会社の接遇・人事部門を経て、2004年に会社を設立。「ビジネスマナー」「言葉力」の専門家として、研修・セミナーを展開。著書は30冊以上。
9月18日に「新版 一生使える電話のマナー」(大和出版)を発売。テレビ出演や雑誌・Webサイトへの寄稿も多数

※更新履歴:2025年9月12日

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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