コミュ力養成講座 第25回「頑固な人(上司)」(企画:トキオ・ナレッジ 漫画:カマタミワ)
ベストセラーを多数生み出すクリエイティブユニット・トキオ・ナレッジと、大人気漫画家カマタミワさんによる新シリーズ。
人見知りや超体育会系、忙しぶる人など、迷惑まではいかないまでも、なんとなくコミュニケーションがとりづらい人たちっていますよね。そんな一筋縄ではいかない人たちともお近づきになれる攻略法をご紹介!
●今回の登場人物
好井亜里(すくい・あり)
22歳。彼氏いない歴=年齢の新卒OL。
人間観察が得意で、社会人になって改めて「いろんな人がいるんだなぁ」と思い悩み、コミュ障をこじらせ気味。それでも、社会人として「ちゃんとしなきゃ」と思っている。とりあえずの目標は「目指せ仲良し100人!」。
石頭堅(いしず・けん)
頑固(すぎる)上司。40代。
第25回:頑固な人(上司)
①人の話を聞かない
②自分の考えは絶対!
③人に頼れない(不器用で要領が悪い)
④融通が効かない
組織やルールを守るために頑固さはある程度必要。だけど度が過ぎると…
妙な威圧感を放つ、やりたいことをやらせてくれない、規則に厳しい――若手から見た頑固上司は、とても迷惑な存在に映ることでしょう。とはいえ彼ら彼女たちの立場になって考えてみれば、それは仕方のないことだとも言えます。若手になめられてやりたい放題&ルール無用を許していては、組織が成り立たないからです。
そういう意味では、頑固上司のいない職場というのは存在しないと考えていいでしょう。とはいえ、例によって頑固が「過ぎる」と様々な弊害が生まれるもの。よくある特徴を見ていきましょう。
1つ目の「人の話を聞かない」は、特に新しいことを提案しようとする時に発動します。
彼らが一度「ダメ!」と言ったことを覆すのは困難の極み。「リスクは負わない」という頑固さプラス、「決めたことは曲げない」という頑固コンボにより、押せば押すほど無駄な努力に終わるでしょう。
「自分の考えが絶対」というマッチョなジャイアン思考は、彼ら彼女たちに決定権があるからこその特徴です。
若手が「少しくらい意見を聞いてくれても…」とモチベーションがダウンしようがお構いなし、頑固上司が自分より経験の浅い目下の人たちの意見を柔軟に取り入れることは基本的にありません。
「人に頼れない」という特徴は、責任感の強さを併せ持っている頑固上司ならではのものです。
基本的に「人に頼るのは甘え」という固定観念があるため、彼ら彼女たちは苦手分野でもなんでも、自分でやろうとしてしまいます。その心意気は見上げたものですが、問題は若手からの自主的なフォローを拒むオーラがビンビンなこと。謎プライドで「自分でなんとかしようとしすぎる」ことが、仕事の効率を下げている、なんてことは夢にも思っていません。
最後の「融通が利かない」は、責任感の強さからルールを「守らなければ! 守らなせなければ!」という思いの強さが原因です。コンプライアンスの遵守はチームはもちろん企業のガバナンスとして必要条件ではあるのですが、先に挙げた3つの特徴が強すぎて、ただただ反感を招くだけ。
ある程度の裁量があるからこそ、自らの責任のもとで多少の融通を利かせられるとよいのですが…。
以上を踏まえたうえで、対処法を見ていきましょう。
1歩目:興味のある話題から入る
2歩目:とにかく褒めちぎる!
3歩目:第三者に応援を求める
4歩目:融通が利かない理由を聞く
【解説】
分厚く張っているバリアを破るには、興味あることや共感、褒めちぎりなどが有効
まずは、「人の話を聞かない」への対処法から。
いきなり本題から入ると頑固上司も構えてしまうため、彼ら彼女たちが興味のある話題から入りましょう。つい流れで聞いてしまう空気を作ることがポイント。ご機嫌が最高潮になる瞬間を見定めて提案するとよいでしょう。
もしもこれといった話題が見つからない場合は、共通点探しから始めましょう。誰もが認める実績があるならまだしも、取り付く島を見つける努力なしに「話、聞いてもらえないすか?」というのは、相手の器が相当大きくないと難しいと心得るべきです。
話を聞いてもらえたとしても、次なる特徴が立ちはだかります。そう、「自分の考えは絶対!」の押し付けです。
ここでオススメしたいのが【とにかく褒めちぎる!】なのですが、「ますます“自分の考えは絶対!”になるのでは?」と懸念される向きも多いでしょう。けれども「完璧です!」「素晴らしすぎます!」などと手放しで褒めちぎられると、逆に不安や疑問を感じるのが普通です。「本当にそうなのかな?」「いや、そこまで完璧か?」と。頑固上司は特別なわけでも変なわけでもなく、ごくごく普通の人なのです。
否定から入るのではなく、まずは全力で褒めちぎる――ぜひ試してみてください。
「人に頼れない」への対処は、【第三者に応援を求める】に尽きます。これにもちょっとした気遣いが必要です。
「できないなら…」なんて声をかけるのはNG。プライドを傷つけてしまい、かえって「自分でできる!」と意固地になってしまいます。そこで「自分も気になっていた」という共感から入りつつ、最終的に第三者の介入前提で手伝うのです。
そうすることであなたへの信用度と評価は上がれば、前述の「話を聞かない」「自分の考えが絶対」という頑固さもかなり和らぐはずです。
最後の「融通が利かない」に対しては、【融通が利かない理由を聞く】という手順を踏まえたうえで「さらに上司」に働きかけてもらうのが最善手。
融通が利かない理由はほぼほぼ、「上に目をつけられるのがイヤ」「特例を認めてもらうのが面倒」の2点でしょうから、それ以上のストレスをちらつかせるとよいでしょう。今回の例のように、ルールを守ることでより面倒なことに対応しなくてはならなくなる場合だと案外簡単に折れてくることもあります。
気持ちよく仕事をしてチームの成果を高めるマネジメントこそ、彼ら彼女たちはもちろん、会社もあなたもHAPPYになれる唯一のソリューションと言えるでしょう。
–memo——————
さらに上司との板ばさみの中で
若手の育成をしながら
売り上げなど様々な責任を抱えなければならないため、どうしても頭が固くなってしまいがちな立場であることを理解しておきたいところです。
●漫画:カマタミワ
東京都在住。一人暮らし歴20年のイラストレーター・漫画家。ブログ『一人暮らしカマタミワの半径3メートルのカオス』が人気。livedoor blog公式ブロガー
HP: http://www.miwah.com/
twitter: @kamatamiwa
●最新著書
KADOKAWA 刊
1,100円(税込)
●構成・文:トキオ・ナレッジ
弁護士、放送作家、大手メーカー工場長、デザイナー、茶人、フリーライター、シンクタンクSE、イラストレーター、カメラマン、新聞記者、ノンキャリア官僚、フリーターらで構成される雑談集団。著書に『めんどうな女のトリセツ』のほか、『正しいブスのほめ方』『正しい太鼓のもち方』『スルーする技術』『盛り合わせを選んだらお店のカモ! 大人の経済学常識』など多数。
●最新著書
「イケメントレーナーpresents ずぼら女子のためのおとなキレイ養成講座」
2017年12月19日発売!
ジービー 刊
1,404円(税込)
https://www.amazon.co.jp/dp/4906993478/
●著書
宝島社 刊
1,296円(税込)
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。