コミュ力養成講座 第27回「信用できない人(上司)」(企画:トキオ・ナレッジ 漫画:カマタミワ)
ベストセラーを多数生み出すクリエイティブユニット・トキオ・ナレッジと、大人気漫画家カマタミワさんによる新シリーズ。
人見知りや超体育会系、忙しぶる人など、迷惑まではいかないまでも、なんとなくコミュニケーションがとりづらい人たちっていますよね。そんな一筋縄ではいかない人たちともお近づきになれる攻略法をご紹介!
●今回の登場人物
好井亜里(すくい・あり)
22歳。彼氏いない歴=年齢の新卒OL。
人間観察が得意で、社会人になって改めて「いろんな人がいるんだなぁ」と思い悩み、コミュ障をこじらせ気味。それでも、社会人として「ちゃんとしなきゃ」と思っている。とりあえずの目標は「目指せ仲良し100人!」。
口田恵太郎(くちだ・けいたろう)
信用できない上司。40代。
第27回:信用できない人(上司)
①人によって態度が違う
②「やる」と言ったのにやらない
③なんでも「上が言ってるから」で無茶振りしてくる
④相談したことをすぐ人に言う
言動や行動が、人や状況によってバラバラ。仕事上も、精神的にも面倒な存在
前回の頼りない上司もなかなかでしたが、今回はそれに引けを取らないどころかさらに上をいく厄介者、「信用できない上司」です。
彼ら彼女たちの相手をすればするほど、こちらのモチベーションは下がる一方。それでも同じチームとして働く以上、スルーするにも限界があります。上手に付き合うために、まずはどんな特徴があるのか見ていきましょう。
1つ目の「人によって態度が違う」は、多かれ少なかれ誰しも身に覚えがあるかもしれません。とはいえ問題なのは、「度が過ぎる」という点です。
部下に横柄、上司にヘコヘコするのは朝飯前、部下へのエコひいきもあからさま過ぎて苦笑いしかできません。傍から見ているだけで「コイツ信用できんな…」と思うのも、致し方なしです。ヘコヘコされる上司もエコひいいきされている部下も馬鹿ではありませんから、その二面性に辟易していることでしょう。
「やる」と言ったのにやらない、やるやる詐欺も残念な特徴です。
関係が対等な場合などは催促もできますが、上司相手ではあまりせっつけないのもやっかいなところ。業務に支障が出まくるのも見逃せません。やらないことで迷惑をかけている自覚がないことも含めて、信用できない上司認定は避けられないでしょう。
なんでもかんでも「上が言ってるから」で無茶振りするのも、勘弁願いたいポイントです。
自分が批判を集めそうな無茶ぶりはもちろん、何につけても「上が言ってるからしょうがない」の一点張り。「俺もツラいんだよ」とのコンボで同情を買おうとする姑息なテクニックは、清々しいほどゲスの極みと言えるでしょう。
よしんば、その無茶振りを乗り切ったとしても、手柄が我々部下に還元される可能性は低いのみならず、「できた」という既成事実がさらなる無茶振りの呼び水となる可能性もあります。
「相談したことを人に言いふらす」のも、その信用できなさに拍車をかける特徴です。
これがプライベートなことなら口が裂けても相談しませんが、仕事絡みの相談は職場のリーダーである上司にせざるをえません。中には、「あの人とソリが合わない」「家庭の事情で勤務環境を変えたい」など、あまり人に知られたくない相談もあるでしょう。それを言いふらされてしまうのですから、たまったものではありません。
この特徴も相手が上司ということもあって、強めのクレームを入れにくいのが悩ましいところ。今回はただでさえ厄介な相手なのに、上司というおまけつき。どう対処すればいいのでしょう?
1歩目:「信用できない上司」本人の評判をリークする
2歩目:あっさり諦める
3歩目:言い訳を逆手に取る
4歩目:被害者経験者の証言をリークする
【解説】
信用される、されないことを意識させられれば、その場しのぎの癖を封印できる
信用できない上司たちは、なぜ信用されないような言動を取るのか? まずはそこを紐解いていきましょう。
たいていの場合、彼ら彼女たちは自分が「信用されている」「信用されていない」ことすら意識したことがない適当人間です。すべての言動はその場の思いつき、気分次第。そういった人には何かと会話の節々で「信用」とか「信頼」といったワードを放り込むようにして、意識させるのがポイントです。
「そんな当たり前のことわかってない人いる?」と思われるかもしれませんが、当たり前だからこそ忘れてしまう人もいるのです。信用されるか、されないかの二択を突き付けられたとき、人は誰しも「信用されたい」と思うものです。意識させるだけでも、言動はかなり変わってくるはずです。それを踏まえたうえで、ひとつずつ対処法を見ていきましょう。
まずは、あからさまな対応の違いの対処法から。
これは、「信用できない上司」の人物評(噂話)をリークすることで軽減できます。どちらかというと良い噂の方がベターではありますが、別に悪い噂でもかまいません。要は、「クサした相手が、どこかで誰かに自分のことを言っている」こと、そして「みんながその評価を支持しているっぽい」ことを意識させられればよいのです。
良い噂であればクサした相手を少なからず心憎く思うでしょうし、悪い噂であれば「接し方を改めたほうがよさそうだな…」とさすがに反省するはずです。自分を客観視できるようになれば、あからさまな二面性は自ずと鳴りを潜めるでしょう。
やるやる詐欺には、怒るよりも冷めた対応が効果的。それまでお願いされる立場だった彼ら彼女たちを突き放すことで、「最初はあったはずの信用」がゼロになったことを理解させるのです。
ギャップはあればある方が良いでしょう。最初は普通以上に優しく「お願いしますね」からスタート。当然裏切られるでしょうから、「やってくださいね。次は大丈夫ですよね? 信じていいんですよね?」と、徐々に信用を意識させるステップへと移行。それでもやらない場合は、満を持して「あっさり諦める」を発動させましょう。焦った彼ら彼女たちは、すぐに取り掛かってくれるはずです。
「上が言ってるから仕方ない」には、彼ら彼女たちに反抗しないカタチで抵抗しましょう。
信用できない上司はたいてい、上層部の意向を盾に「俺もツラい」とか「納得してない」といった言い訳を繰り出してきます。それを逆手に取って、「だったら一緒に戦いましょう!」とブチかますのです。「イヤだから」とか「無理だから」という本音ではなく、「ツラい上司を見ていられない!」という大義を前面に押し出しましょう。
もちろん「めんどくせーな、こいつ…」と思われますが、「『上から言われたから』が通用しない奴」を印象づけることが重要です。たとえやることになったとしても、そこまで言われた彼ら彼女たちに「丸投げ」という選択肢は残されていないでしょう。
「相談したことをすぐ人に言う」のを防ぎたいなら、「これは他の人には言わないでくださいね」と釘を刺すだけでは不十分。「わかった、大丈夫」という返事をもらえはしますが、もちろん全然大丈夫ではありません。「忘れてた」の一言で、一瞬にして反故にされます。
ここでも有効なのが、「信用できない上司」の人物評のリークです。この場合は、被害者情報をそのままぶつけるだけで良いでしょう。
そもそもの問題点は、罪の意識が薄いこと。罪悪感を芽生えさせれば、更生の道は近いはずです。
●漫画:カマタミワ
東京都在住。一人暮らし歴20年のイラストレーター・漫画家。ブログ『一人暮らしカマタミワの半径3メートルのカオス』が人気。livedoor blog公式ブロガー
HP: http://www.miwah.com/
twitter: @kamatamiwa
●最新著書
KADOKAWA 刊
1,100円(税込)
●構成・文:トキオ・ナレッジ
弁護士、放送作家、大手メーカー工場長、デザイナー、茶人、フリーライター、シンクタンクSE、イラストレーター、カメラマン、新聞記者、ノンキャリア官僚、フリーターらで構成される雑談集団。著書に『めんどうな女のトリセツ』のほか、『正しいブスのほめ方』『正しい太鼓のもち方』『スルーする技術』『盛り合わせを選んだらお店のカモ! 大人の経済学常識』など多数。
●最新著書
「イケメントレーナーpresents ずぼら女子のためのおとなキレイ養成講座」
2017年12月19日発売!
ジービー 刊
1,404円(税込)
https://www.amazon.co.jp/dp/4906993478/
●著書
宝島社 刊
1,296円(税込)
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