メンドウな女(ヒト)のトリセツ・学生版 第25回「決められない女」
●登場人物
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派手すぎず、地味すぎず、どこにでもいる普通の女子大生。人付き合いが上手なのが唯一の取り柄。なのだが…、それによっていつもめんどうな女に振り回されている。そして、心の中ではけっこう修羅っている。彼氏はいないが、彼氏みたいな人はいる。
(1)とにかく責任を取りたくない
(2)アドバイスが失敗したらわりと根に持つ
(3)意思が弱い
対処法
■できるだけ多くの人を巻き込んで「責任を分散」する
人にアドバイスを求めるのは悪いことではありませんが、決定権までも丸投げしてくる人ほどめんどうなものはありません。
こちらに決定権を委ねるということは、よほど信頼してくれているのかと思いきや、それが裏目に出た場合、手のひら返しでクレームを入れてくるので、やっかいです。
これがランチのメニューぐらいなら、まだ許せるというもの。けれども仕事・恋愛・人間関係などなど、今後の人生を左右しかねないレベルでも平気でぶん投げてくるので、他人事とはいえ適当には答えにくいものがあります。
クレームに発展する予感を察知できる人なら、あらかじめ「私だったら」とか「私の場合だと」という具合に、あくまで個人的な意見であることを念押しするかもしれません。けれども実際のところ、これに「効果はない!」と言っていいでしょう。
このタイプに後で「だから、“私だったら”ってちゃんと言ったじゃん」と思い出させようとしても、「そうだった! ごめん‼」とはなりません。しばらくは「あの時、あなたの言うことを聞いたせいで…」と根に持たれてしまいます。
「でも、最終的に私の意見を採用したのは、アナタだよ」も同様です。論破はできても、その後の関係悪化は待ったなしでしょう。
だったら、「私には決められない! 自分で決めて‼」と突っぱねればいいのかというと、これも残念な結末しか待っていません。とにかく責任を負いたくない人たちなので、「決められないから聞いてるんじゃん!」とぷんすか怒り出し、決定権の押し問答になってしまいます。もちろん、そんなクレーム発展必至の案件、決定権を受け取るのは自傷行為です。では、どう対処すればよいのでしょう。
ベストは「責任の分散」――何かを決めさせられそうになったら自分ひとりで決めず、なるべく多くの人を巻き込んで多数決に持ち込むのです。この保険さえかけておけば、たとえ決定が間違いだったとしても、どこに、誰にクレームを入れていいのかわからなくなります。
それでもクレームが飛んできたら、「でも、あの人も言ってたじゃん。そっちにも言えば?」と応答しましょう。多数決の参加者たちと「責任のパス」を無限ループするのです。こうすれば、本人もさすがに諦めざるを得ません。
決定権の押し問答がふたりきりのときに発生しても、慌てることはありません。巻き込めるのは友人だけではないからです。
たとえば買い物などの場合は「店員さんに聞いてみよう!」が使えますし、ネットで検索したアンサーを引用するのもアリです。今の時代、同じような相談をしている人は必ず見つかると言っても過言ではありません。
とはいえ毎回この対処法では、その場しのぎにはなっても、彼女たちの「決めて! 決めてよ‼」攻撃が収まることはありません。自分で決める習慣をつけさせない限り、あなたは永遠に決定権と責任を丸投げされ続けることになるのです。しんどいこと、この上ありません。
というわけで、彼女たちの更生を願うのであれば、何かひとつでも決めさせてください。そして、どんな結果を招こうとも、自分で決めたことを褒めてあげることです。
「自分で決めたことで失敗しても、のちのち必ずいい経験・成長になる」ことを理解できれば、「決められない女」からの卒業は時間の問題でしょう。
●漫画:カマタミワ
東京都在住。一人暮らし歴20年のイラストレーター・漫画家。ブログ『一人暮らしカマタミワの半径3メートルのカオス』が人気。livedoor blog公式ブロガー
HP: http://www.miwah.com/
twitter: @kamatamiwa
●最新著書
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1,100円(税込)
弁護士、放送作家、大手メーカー工場長、デザイナー、茶人、フリーライター、シンクタンクSE、イラストレーター、カメラマン、新聞記者、ノンキャリア官僚、フリーターらで構成される雑談集団。著書に『めんどうな女のトリセツ』のほか、『正しいブスのほめ方』『正しい太鼓のもち方』『スルーする技術』『盛り合わせを選んだらお店のカモ! 大人の経済学常識』など多数。
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