コミュ力養成講座 第2回「超体育会系」(企画:トキオ・ナレッジ 漫画:カマタミワ)
ベストセラーを多数生み出すクリエイティブユニット・トキオ・ナレッジと、大人気漫画家カマタミワさんによる新シリーズがスタート。
人見知りや超体育会系、忙しぶる人など、迷惑まではいかないまでも、なんとなくコミュニケーションがとりづらい人たちっていますよね。そんな一筋縄ではいかない人たちともお近づきになれる攻略法をご紹介!
●今回の登場人物
好井亜里(すくい・あり)
22歳。彼氏いない歴=年齢の新卒OL。
人間観察が得意で、社会人になって改めて「いろんな人がいるんだなぁ」と思い悩み、コミュ障をこじらせ気味。それでも、社会人として「ちゃんとしなきゃ」と思っている。とりあえずの目標は「目指せ仲良し100人!」。
押田剛(おしだたけし)
入社2年目の営業部員。24歳。ゴリゴリの超体育会系。
細井広(ほそいひろし)
非体育会系。36歳。対人関係がやや苦手。
第2回:超体育会系
①面倒見が良すぎてメンドウ
②根性と気合いで乗り切ろうとする
③とにかく伝統を重んじる
④デリカシーがない
爽やかで礼儀正しい、フレンドリーだがノリが暑苦しい
爽やかで健康的、上下関係もしっかりしていて、チームワークを重んじる体育会系の人たちは、誰からも好印象。基本的にフレンドリーなので、仲良くなるのはさして難しいことではありません。
けれども直属の先輩・上司にとっては、なかなかどうして持てあまし気味。めんどうに思ってしまうシーンも多いものです。
なんでも気合と根性で乗り切ろうとする精神論をグイグイ押し出してくるので、たいていノリが合いません。悪気がないのはわかるのですが、伝統が大好きすぎて「伝統の言うことは絶対!」です。そのフォローをしたりたしなめたりするのも、めんどうに感じてしまいがち……。
さらにデリカシーがない、声のボリュームがぶっ壊れてる、服装に季節感がない、後ろ姿がだいたい同じ、笑いのセンスが絶望的etc.--といった細かいことまで、その特徴を挙げだすとキリがないほど、突っ込みどころが多いのが体育会系の人たちです(※あくまでリサーチ結果です! 個人的な恨み憎しみは一切ございません)。
声のボリューム、見た目などに関してはどうにもなりませんが、実は「接しづらいなあ……」と感じさせる彼らの特徴は、こちらの対処次第でプラスにすることもできるんです。
体育会系の人たちと仲良くなるハードルは、彼らがなんでもやり過ぎてしまうところです。
「スポーツは練習をやればやるほど上達する!」という思考が、無意識に「人間関係も同じだ!」となっている……のかは定かではありませんが、いい感じで止めておけばかなり好感度が高いのに、やりすぎてしまって迷惑になってしまう傾向があるのです。
つまり、彼らの中でほどよくブレーキをかけさせることができれば、めんどうに感じなくなるどころか、頼れる同僚・後輩に一括変換できてしまうのです。
とはいえ、「ちょっとブレーキがバカになってんじゃない? 全般3分の1くらいにしてくんないかな?」なんて注意はできません。ことさら上下関係に厳しい体育会系とはいえ、パワハラ認定されてしまいます。
では、対処法にはどんなものがあるのでしょうか。お、亜里ちゃんが細井くんになにやらアドバイスをしたようですよ……。
1歩目:家族や仲間を理由に交わす
2歩目:精神論には仲間意識で対処
3歩目:伝統好きだが、新時代にも弱い
4歩目:ノリであっても曖昧な返事はしない
【解説】
「家族」「仲間」「チームワーク」などのキーワードで心を動かす
体育会系の人たちはお酒好きが多いため、やや強引な飲みの誘い方をされることもあるでしょう。
この時、「明日、早いからさ~」や「お酒、最近は控えてるんだよ」といった弱音での断り方は大NGです。むしろ「じゃあ、鍛え直しましょう!」と、やる気スイッチが入ってしまいます。
一番ベストなのは、家族や学生時代の仲間を理由に出すこと。彼らはそういった「絆」にめっぽう弱いので、確実に断りながら、人望もアップさせられます。ただし、「彼女(彼氏)と~」とか「嫁(旦那)が〜」などは、なぜかあまり響かないので注意しましょう。
続いて、彼らが大好きな「なんでも根性と気合いで乗り切れる!」といった精神論。これは比較的イージーです。
キーワードは「仲間」「チームワーク」「助け合い」--彼らが根性論で無理をしようとしていた時は大チャンスです。
「仲間だから当たり前!」を全開にアピールしてフォローすれば、あなたの好感・信頼度は盤石のものとなるでしょう。次の日、3回咳き込んだだけでも気遣ってくれるはずです。
チームワークを大事にしていると言いながらも、責任感の強さゆえに、こと自分のことになるとワンマンになってしまいがちなのが体育会系の人々です。じっくり観察してみると、助けられるチャンスはけっこうあるでしょう。
「伝統」や「歴史」といった受け継がれ系に盲目的に従順してしまうのも、封印可能です。
伝統を大切にするのはとても大事なことですが、「それが伝統だから!」と改善の機会に目をつぶっていては、誰も幸せになりません。
「意味ないな~」とか「ムダだな~」と思ってやめたことを蒸し返すのではなく、「キミたちが新しい扉を開くんだよ!」と煽ってみるとよいでしょう。体育会系の人々は「伝統」や「歴史」に弱い一方、「新しい時代」とか「新世代」というキーワードにも憧れを抱いているものです。リーダーシップを取ってもらえば、「謎の伝統」を永遠に封印でき、かつ仲良くなれるはずです。ただし、その体育会系の人が改革を成功させられる人かどうか見極めるは必要はあるでしょう。
どうしても気になってしまうデリカシーのなさは、曖昧な返事をしないことで被害を最小限に抑えられます。
彼らは「アリかナシか」「ONかOFFか」「白か黒か」かと、物事を極端に分けてしまいがちなので、曖昧に濁した返事は、彼らの中で即座にどちらかに振り分けられてしまっています。
曖昧な返事はしない--肝に銘じておくとよいでしょう。
覚えておいてほしいのは、世間的にはめんどくさいと思われがちな体育会系も、彼らの中では「良かれと思って」やってくれている、ということ。程よい距離感と対処次第では、とても頼れる後輩・同僚になってくれることでしょう。毛嫌いせず、ぜひ仲良くなってみてください。
●漫画:カマタミワ
東京都在住。一人暮らし歴20年のイラストレーター・漫画家。ブログ『一人暮らしカマタミワの半径3メートルのカオス』が人気。livedoor blog公式ブロガー
HP: http://www.miwah.com/
twitter: @kamatamiwa
●最新著書
KADOKAWA 刊
1,100円(税込)
●構成・文:トキオ・ナレッジ
弁護士、放送作家、大手メーカー工場長、デザイナー、茶人、フリーライター、シンクタンクSE、イラストレーター、カメラマン、新聞記者、ノンキャリア官僚、フリーターらで構成される雑談集団。著書に『めんどうな女のトリセツ』のほか、『正しいブスのほめ方』『正しい太鼓のもち方』『スルーする技術』『盛り合わせを選んだらお店のカモ! 大人の経済学常識』など多数。
●最新著書
「イケメントレーナーpresents ずぼら女子のためのおとなキレイ養成講座」
2017年12月19日発売!
ジービー 刊
1,404円(税込)
https://www.amazon.co.jp/dp/4906993478/
●著書
宝島社 刊
1,296円(税込)