コミュ力養成講座 第3回「自称・恋愛マスター」(企画:トキオ・ナレッジ 漫画:カマタミワ)
ベストセラーを多数生み出すクリエイティブユニット・トキオ・ナレッジと、大人気漫画家カマタミワさんによる新シリーズ。
人見知りや超体育会系、忙しぶる人など、迷惑まではいかないまでも、なんとなくコミュニケーションがとりづらい人たちっていますよね。そんな一筋縄ではいかない人たちともお近づきになれる攻略法をご紹介!
●今回の登場人物
好井亜里(すくい・あり)
22歳。彼氏いない歴=年齢の新卒OL。
人間観察が得意で、社会人になって改めて「いろんな人がいるんだなぁ」と思い悩み、コミュ障をこじらせ気味。それでも、社会人として「ちゃんとしなきゃ」と思っている。とりあえずの目標は「目指せ仲良し100人!」。
恋塚愛之助(こいづかあいのすけ)
企画部担当。34歳。
第3回:自称・恋愛マスター
①鉄板フレーズは「女心がわかってない」
②心理テストが好き
③他人の恋愛に干渉したがる
④アンテナの感度が高い
相談やアドバイスをくれるのはありがたいが、説得力がない
古今東西、老若男女を問わず、誰しも恋愛の悩みを一つや二つは抱えているものです。
そして、相談に乗ってくれたり、アドバイスをくれる人はとてもありがたいのです。ただし、説得力があれば、の話。自称・恋愛マスターに欠けているのは、この「説得力」だといえるでしょう。さんざん恋愛のことをわかっている口ぶりなのに、それをまったく体現できていないところが「自称」の取れないゆえんです。
彼らは他人の恋愛にぐりっぐりに首をねじ込んでくるうえに、なぜか「相談に乗ってあげている」というスタンスの上から目線。「そういうとこが男(女)心をわかってないんだよ」、「男(女)っていうのは○○してほしいものなんだよ」と、性別でのざっくり決めつけが多いのも気になるところです。
自分の恋愛はまるでうまくいっていないのに、彼らはなぜ自信満々に「恋愛っていうのはさぁ」と語れてしまうのでしょう?
これまでの恋をすべて成就させてきたから? それとも、ふられたことがないから?
いずれもパーフェクトは無理にしても、過去の失敗を生かしてこその恋愛マスターと言えるでしょう。ところが、不思議なことに恋愛がまったくうまくいってない人ほど、自称・恋愛マスターになりがちなのです。
本当なら「恋愛しくじり先生」を名乗るべき彼らが、真逆の「マスター」を名乗るという不条理。凡人にはまったく意味がわかりませんが、彼らの脳内
ではちゃんと筋が通っています。
「自分は人よりも純粋な恋愛経験がある(片思い)」
「なんども裏切られ傷つけられている(食事を数回奢っただけ)」
「モテそう!ってよく言われる(言われるだけ)」
そうです、彼らは自分の恋愛を過剰に美化しているのです。
恋愛ナルシストーー「冷静に考えると切なくなるだけなので、美化しないとやってられない」説も巷ではささやかれています。
さて、そんな彼らと仲良くなるにはどうすればいいでしょうか。お、亜里ちゃんがいい作戦を思いついたようですよ。
1歩目:女性も千差万別あることを知ってもらう
2歩目:心理テスト返し
3歩目:恋愛の愚痴は言わない
4歩目:情報くれるマンとして活用しよう
【解説】
異性の本音、大好物を与えるなど“急所”を知って対応
性別や職業、年齢が違うように、考え方にも多様性があるものです。
それなのに、雑にカテゴライズして一括りに「女(男)心ってのはさぁ」と言う人は、経験ではなく本やネットの受け売りの場合が多いようです。そんな彼らに異性にもいろんなタイプがいて、みんな考え方が違うんだよ、ということを教えるには、具体的な実例を挙げつつ柔らかく否定するのがよいでしょう。
ポイントは、当事者である異性の口から言うこと。人生いろいろ、人それぞれだとわかってもらえれば、大雑把な発言をする前に「実際、君はどう思う?」と意見を求めてくるようになるはずです。
それでも止まらない場合は「○○さん、女子(男子)のことなんもわかってないですよ。前々から。けっこう前々から。誰も言わなかったですけど」と、リーサルウェポンをぶっ放すしかないでしょう。
2コマ目の心理テストは自称・恋愛マスターにとって最強のコミュニケーションツールの1つです。
なので、彼ら彼女らは常に新しい心理テストを求めています。知らない心理テストを出してあげると、よだれダラダラで楽しんでくれるのは、そのためです。もし、知っている心理テストを出された場合は、「それ知ってます!」で終わらせずに、あえて知らないフリをして、彼ら彼女らが喜びそうな答えを出してあげましょう。マンガでは、ポニテの子が実践してましたね。これまたよだれダラダラです。
彼ら彼女らが人の恋愛に首を突っ込んでくるのは、アドバイスをしたくて仕方がないからです。
「いろいろ言われそうだなぁ…めんどくさいなぁ……」と思う時は、幸せなこと、恋人の良いところだけを話しましょう。うっかり愚痴をこぼしたりして、アドバイスする隙を作らないことがポイントです。本当は愚痴があっても、良いところ、幸せなことを思い出しながら話しているうちに、自分もポジティブになっていく効果もあります。
自称・恋愛マスターたちは使えそうなデートスポット、イベントへのアンテナがびんびんです。
さらにプレゼントに喜ばれそうな情報にも目を光らせているので、困ったときに相談してみると、情報くれるマンとして活躍してくれるでしょう。
この時、「誰と行くの? デート? いい人見つかった? 相談乗るよ?」と、100%グイグイくるため、めんどうな場合は「同性と行く」と言ってかわしましょう。
そう考えて改めて見ると、自称・恋愛マスターも悪い人ではなく、むしろ楽しい人だとわかるはず(決して面白くはありませんが)。適度に距離を保ちつつ、彼らの承認欲求を満たしてあげるとよいでしょう。
恋愛マスター像を作りあげている(つもり)ゆえ、プライドが邪魔をして恋愛相談ができない彼らも、観念すれば素直なものです。そこには、世代や立場を超えた信頼関係が生まれていることでしょう。
ちなみに使いどころは会社内ではなく、プライベートな場がベターです。社内でかましまくっている彼らを貶めるのが目的ではありません。職場では、これまで通り、いやこれからは「自称」抜きの恋愛マスターとして崇め奉ってあげましょう。
【注意点!】
今回、亜里ちゃんが実践した方法は、女子から男子に向けてのものです。同性に使うのはオススメしません。特に2つ目と3つ目は、男子が同性に使うと「あ?」となってしまいかねません。
効果を発揮するのは異性なので、男性なら女性の自称・恋愛マスターに、女性は男性の自称・恋愛マスターに使いましょう。
●漫画:カマタミワ
東京都在住。一人暮らし歴20年のイラストレーター・漫画家。ブログ『一人暮らしカマタミワの半径3メートルのカオス』が人気。livedoor blog公式ブロガー
HP: http://www.miwah.com/
twitter: @kamatamiwa
●最新著書
KADOKAWA 刊
1,100円(税込)
●構成・文:トキオ・ナレッジ
弁護士、放送作家、大手メーカー工場長、デザイナー、茶人、フリーライター、シンクタンクSE、イラストレーター、カメラマン、新聞記者、ノンキャリア官僚、フリーターらで構成される雑談集団。著書に『めんどうな女のトリセツ』のほか、『正しいブスのほめ方』『正しい太鼓のもち方』『スルーする技術』『盛り合わせを選んだらお店のカモ! 大人の経済学常識』など多数。
●最新著書
「イケメントレーナーpresents ずぼら女子のためのおとなキレイ養成講座」
2017年12月19日発売!
ジービー 刊
1,404円(税込)
https://www.amazon.co.jp/dp/4906993478/
●著書
宝島社 刊
1,296円(税込)
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。