コミュ力養成講座 第5回「心配性」(企画:トキオ・ナレッジ 漫画:カマタミワ)
ベストセラーを多数生み出すクリエイティブユニット・トキオ・ナレッジと、大人気漫画家カマタミワさんによる新シリーズ。
人見知りや超体育会系、忙しぶる人など、迷惑まではいかないまでも、なんとなくコミュニケーションがとりづらい人たちっていますよね。そんな一筋縄ではいかない人たちともお近づきになれる攻略法をご紹介!
●今回の登場人物
好井亜里(すくい・あり)
22歳。彼氏いない歴=年齢の新卒OL。
人間観察が得意で、社会人になって改めて「いろんな人がいるんだなぁ」と思い悩み、コミュ障をこじらせ気味。それでも、社会人として「ちゃんとしなきゃ」と思っている。とりあえずの目標は「目指せ仲良し100人!」。
曽輪素羽子(そわ・そわこ)
30歳。心配性。
第5回:心配性
①口癖が「でもなぁ…」「もしさぁ…」
②(何かあったときのために)なんでも持っている
③心配の9割は取り越し苦労
④考えすぎて実行できない
最強のネタだがリスクも高いゴシップ情報を巧みに操る、ある意味ではコミュニケーションの“天才”
あなたの周りにも1人はいる…というか、多かれ少なかれ誰もが当てはまるのが心配性です。みんながそうなのですから、自覚していない人も相当数いることでしょう。
目覚ましのアラームを3分おきに5回以上セットする、ちょっと出かけるのにもバッグが必要、メリットよりもデメリットを先に考えてしまう、LINEの返信は自分で終わりたい、映画館やお店ではいつでもトイレに行けるように端の席を選ぶ…などなど、思い当たることがひとつでもあれば心配性の可能性大です。
心配性は何も悪いことではありませんが、度が過ぎるとネガティブな印象が強くなってしまいます。
「みんなで何かを一緒にやろう!」と盛り上がっているのに「やっぱり、私はやめとく…」と言ってみたり、何をするにも「これで合ってるよね?」と何度も確認してきたり、何かをオススメしても「でもなぁ…もしさぁ……」とマイナスなことばかり言って行動しない――こういった「石橋を叩いても渡らない」タイプは「めんどい人」認定されがちです。
けれど、ほど良い距離感で仲良くなれば、助けてもらえる機会はたくさんあります。
自分が気づかなかったミスや早とちりを気づかせてくれたり、忘れ物をしてしまった時にフォローしてくれたりする心配性さんは、ぜひ仲間にしておくべきでしょう。
お、今回も亜里ちゃんが仲良し大作戦を始めたみたいです…。
1歩目:想像力をほめる
2歩目:ほう・れん・そうは早めに! 忘れずに‼
3歩目:黙っていたら話を振ってあげる
4歩目:「何か変わるチャンスだよ!」に弱い
【解説】
「ほめる」「話を振る」など前向きな方向に背中を押してあげる
心配性な人は大前提として、とにかく“自分に自信がない”ことがほとんどです。そのため彼らから仲良くなるために寄ってきてくれることは、まずありません。最初のコミュニケーションは自分から取っていくようにしましょう。
まず実行したいのは、“ほめる”ということ。
仕事の能力やセンスをほめるのが王道ですが、彼らが突出しているのは「あれがこうなると、それもこうなって、これがこうなって…最悪死ぬ」的なネガティブ・フローチャート作成能力です。そこを、ほめてあげるのです。
どんな好スタートを切ったとしても、ゴールはなんだかんだで必ずネガティブに落ち着くため、聞けば聞くほどその想像力の豊かさに驚かされますよ。できればこの時「ゴールがポジティブになるパターン」も一緒に考えてあげられるとベスト。心配性が軽減される効果が期待できます。
次の「報告・連絡・相談は早めに! 忘れずに!!」は、特にビジネスシーンでは基本中の基本ですが、心配性さん相手には特に気をつかいましょう。マンガの例でいえば、「教えてあげたのに、結果報告がない→間違えた情報だったかも→使えないヤツって思われた」というフローチャートが脳内で作成され、彼ら彼女らは勝手に不安になってしまいます。そうなると、距離は縮まるどころか広がるばかり。なるべく余計な心配はさせないことが大切です。
また、取り越し苦労の多い心配性さんは「空気を読みすぎてしまう」という特徴も持っているため、特に複数人での話し合いで発言することはほぼありません。たとえ考えがまとまっていても、その発言に誰がどういうリアクションをして、それに対してどう返すかまでシミュレーションできないと口を開けないのです。
心配性さんが黙っている時は、不安要素やわからないことがあると思い込んでいる“取り越し苦労状態”なので、発言しやすいように意見を聞いてあげましょう。取り越し苦労が取り除かれれば、みんなが見落としていた落とし穴を指摘してくれるかもしれません。
ここまでである程度、距離が縮まって信頼を勝ち得たら、「デメリットを考えすぎて、なかなか行動に移せない」というコンプレックスを取り除いてあげましょう。そうなんです、彼らは「失敗したくないからやらない」という残念なマイルールに縛られながらも、「そんな自分を変えたい!」と思っている人も多いと思います。
そんな彼らが興味を持っているにもかかわらず、あと一歩が踏み出せないことがわかれば、しめたもの。その場のノリでどんどん背中を押してあげましょう。
時間をあけると余計なことを考えてしまって絶対にやらないので、今すぐ、目の前で行動してもらう事がポイントです。もちろん結婚や転職、投資など、失敗した際にこちらが責任を取れないような大きなことではなく、「買うかどうか迷っている」レベルのことからでOK。ノリでやってみることの楽しさを知ってもらうことで、過度な心配性は抑えられることでしょう。
その際、あなたも一緒にやって同じ失敗や成功を共有できれば、さらに仲良くなれることウケアイです。
●漫画:カマタミワ
東京都在住。一人暮らし歴20年のイラストレーター・漫画家。ブログ『一人暮らしカマタミワの半径3メートルのカオス』が人気。livedoor blog公式ブロガー
HP: http://www.miwah.com/
twitter: @kamatamiwa
●最新著書
KADOKAWA 刊
1,100円(税込)
●構成・文:トキオ・ナレッジ
弁護士、放送作家、大手メーカー工場長、デザイナー、茶人、フリーライター、シンクタンクSE、イラストレーター、カメラマン、新聞記者、ノンキャリア官僚、フリーターらで構成される雑談集団。著書に『めんどうな女のトリセツ』のほか、『正しいブスのほめ方』『正しい太鼓のもち方』『スルーする技術』『盛り合わせを選んだらお店のカモ! 大人の経済学常識』など多数。
●最新著書
「イケメントレーナーpresents ずぼら女子のためのおとなキレイ養成講座」
2017年12月19日発売!
ジービー 刊
1,404円(税込)
https://www.amazon.co.jp/dp/4906993478/
●著書
宝島社 刊
1,296円(税込)