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2020年06月10日

言語聴覚士とは? 仕事内容や必要資格、年収、働く場所などを紹介

言語聴覚士 資格 年収 職場 タウンワーク townwork言語・聴覚・嚥下機能にまつわる機能評価やリハビリテーションを行うスペシャリスト、言語聴覚士。近年、リハビリの専門職として注目を集めています。詳しい仕事内容や必要資格、なる方法や給料、働く場所などを解説します。

言語聴覚士とは

言語聴覚士とは、病気、交通事故、発達上の問題などで、言葉によるコミュニケーションをとることが難しい人に対し、専門的なサポートをする仕事です。また、食べたり飲み込んだりすることがうまくいかない摂食嚥下障害や、認知症、注意・記憶障害などの高次脳機能障害のリハビリも行います。
医療、歯科、福祉・教育関係者などと連携しながら検査・評価を実施し、必要に応じて訓練、指導、助言、その他の援助を行います。また、医師や歯科医師の指示の下、嚥下訓練や人工内耳の調整も行います。このように、言語聴覚士は、言葉のコミュニケーションと食べることをサポートすることで、その人らしい生活ができるよう支援して行く専門職です。(日本言語聴覚士協会ホームページより)

また、言語発達遅滞、吃音や小児失語症など小児が抱える言語、聴覚、嚥下の障害に対応する小児専門の言語聴覚士もいます。症状のある子どもだけでなく、保護者や教育機関に対しても適切なアドバイスや指導を行うことが仕事です。

リハビリテーションに関わる専門職である、理学療法士や作業療法士と混同され「言語療法士」と言われることもありますが、正しくは言語聴覚士になります。

言語聴覚士になるには?

言語聴覚士になるには、国家資格である「言語聴覚士資格」の取得が必須。受験資格を得るには高校卒業後、文部科学大臣または厚生労働大臣が認定した養成施設である大学(4年)、短期大学(3年)、専門学校(3年・4年制)でカリキュラムを修了して卒業することが条件です。また、養成過程のない大学を卒業した後でも、指定された大学・大学院の専攻科、専修学校(2年)を卒業すると受験資格が得られます。中には夜間部(2年)のある専門学校もあるようです。
ちなみに、厚生労働省発表による2019年度の言語聴覚士国家試験の合格率は68.9%。同じリハビリの現場で活躍する理学療法士や作業療法士の合格率が約80%前後であることに比べると難易度は高くなっています。

高校卒業

大学(4年)、短期大学(3年)、専門学校(3年・4年制)

言語聴覚士国家試験に合格

言語聴覚士

または、

高校卒業

養成過程のない大学・短期大学

指定された大学・大学院の専攻科・
専修学校(2年)

言語聴覚士国家試験に合格

言語聴覚士

 

言語聴覚士の給料

勤務先により異なりますが、厚生労働省の平成30年度の介護事業実態調査によると、言語聴覚士を含めた「理学療法士、作業療法士、言語聴覚士又は機能訓練指導員」の平均月収は約34.4万円となっています。言語聴覚士はさまざまな働き先がある仕事です。
また、スキルアップのため、さらに資格を取得する人もいるようです。言語や聴覚、嚥下などの各領域において高度な知識と熟練した技術をもつ言語聴覚士を日本言語聴覚士協会が認定する「認定言語聴覚士」、在宅生活に応じたケアプランを立て生活全体をサポートする「介護支援専門員(ケアマネジャー)」、聴覚障害の患者と深く寄り添える「手話通訳士」などの資格を取って転職の武器にしたり、収入アップにつなげることもできるでしょう。

出典:厚生労働省 介護事業実態調査(介護従事者処遇状況等調査)平成30年度介護従事者処遇状況等調査より

言語聴覚士の働く場所

言語聴覚士の働く場所は多岐に渡り、大きく分けると「医療機関」「福祉・介護」「教育機関」「保健所」などがあります。
「医療機関」は言語聴覚士が最も多くが勤務している場所です。総合病院や大学病院のリハビリテーション科やリハビリテーション専門病院などがあります。対象となる患者の年代や症状はさまざまで、より幅広い仕事内容を任されます。
「福祉・介護」は、障害福祉センターや小児療育センター、老人保健施設などです。高齢者であれば、加齢や既往疾患に伴う嚥下障害の食事面でのリハビリや、日常におけるコミュニケーションを円滑にするための発声法や認知症予防のレクレーションを企画・運営することも仕事のひとつです。
「教育機関」は子ども向けの特別支援学校、発達障がい児支援センターなどで聴覚障害や知的障害や発達障害、自閉症、学習障害、吃音や発音障害の子どもたちにコミュニケーションや生活・学習面などでの指導・助言などを行います。

言語聴覚士に求められるスキル

患者がリハビリにより少しずつ回復へ向かい、生き生きとしていく姿を見られるのがこの仕事のやりがいでもあります。専門職ではありますが、患者や患者の家族と密に接して信頼関係を築くことが必要な仕事のため、相手の気持ちや考えを汲み取る力、相手に分かりやすく伝える力も求められます。またリハビリを行うにあたっては、医師や看護師、理学療法士、作業療法士、ケアマネジャーなど医療や介護従事者との協働・連携が不可欠で、。周囲と連携してコミュニケーションがしっかりできる力は必須です。
リハビリがなかなか結果に結びつかないこともあります。そんなときでも、粘り強く患者に寄り添える忍耐力や、別のリハビリプランを考える発想力や柔軟性も求められます。

履歴書や面接で伝える志望動機例文

専門性が高い職業である言語聴覚士を選んだ理由は志望動機において重要な部分です。この仕事をめざしたきっかけを具体的に伝えると良いでしょう。また、国家資格でもあり、超高齢社会今、ますます必要とされる職業でもあるため「将来性を感じる」「一生の仕事として選んだ」など、長く働きたいという熱意を伝えるのもいいでしょう。

<文例>
「人間が豊かに暮らせる作業の中で“話す”“食べる”はとても重要な要素だと思います。発達障害でうまく話せない子どもたちや、病気や障害で食べることが難しい患者が豊かで前向きに生きられるお手伝いがしたいと思い言語聴覚士となりました。異業種からの転職ではありますが、どうしても言語聴覚士になる夢を諦めずに叶えたいと考えています。患者の日常を豊かにすることをモットーに、貴院で学び成長したいと思いますのでよろしくお願い致します」

履歴書や面接で伝える自己PR例文

自己PRでは、応募先で活かせる経験やスキルを伝えます。勤務先により対応する患者層が異なるため、自分が今まで対象としてきた領域での経験や知識、得意とする領域プラン作成経験、患者や家族あるいは職場のチーム内でのコミュニケーションの取り方の工夫、柔軟な対応姿勢などをアピールします。
加えて、5年後、10年後の働き方を示すこともおすすめです。「患者とより深いコミュニケーションを取るために2年後までに手話通訳士の資格取得を目指しています。この資格を使い手話で意思疎通ができる方法を患者にも伝えられるような仕事がしたいと思っています」など、キャリアプランを描けていると良い印象になりやすくなります。

<文例>
「大学病院のリハビリテーション科で主に摂食嚥下障害を7年間、担当していました。多くの患者様の治療にあたることができたため、知識には自信があります。病院勤務時は退院後の患者のケアができないことに物足りなさを感じており、地域に密着したこちらの福祉施設で患者の日常生活からサポートできるようなリハビリをしたいとこの度、応募を致しました。現在、介護福祉士の資格取得を目指して勉強中です。取得後には、より適切な知識で患者と貴社に貢献したいと思います」

記事監修:舛田 悠子(永生病院リハビリテーション部 言語聴覚士)

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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