スマートフォン用サイトを表示

アルバイトや転職に役立つ情報が満載!最新のお仕事ニュースなら【タウンワークマガジン】

2023年01月24日

カレー沢薫の「バイト丸わかり図鑑」コンビニバイト編


年も無事明けたわけだが、私の仕事には盆も正月もない。
むしろ皆が浮足立っている時こそ「自宅警備」は気を抜けない、特にこの時期は親戚が家にやってくるので、一層ストイックに自室にこもらなければならないのだ。
さもなくば一瞬の油断が「鉢合わせ」という大事故を招くのである。

そんな24時間ワンオペ自宅警備に励む戦士の数少ない休息と言えば「コンビニ」だ。
自分が家を離れると家の警備が手薄になってしまい、その隙に曲者が侵入しないとも限らない。
とても「注文を受けてから調理をはじめます」が売りの店には入れないし「今から魚を海に捕りに行ってきます」が鉄板ギャグの店も万が一ガチだったら困るので入れないのだ。

一刻も早く要件を済ませて自室と言う名の詰め所に戻らなければいけない、自宅警備の仕事が未だに労基に目をつけられていないのが不思議なぐらいだ。
そんなブラック業務を黙々とこなす我々が用を済ます最適解として選びがちなのが「コンビニ」である。

食料から日用品まで、簡単なものなら大体揃っているし、各種支払い、荷物の発送から受け取りなど利用可能なサービスが多く、口座に金さえあれば金もおろせる。
店内もコンパクトであり、店員の対応もスピーディ、まさに我々自宅警備のために作られた施設と言っても過言ではない、24時間営業という点も親近感を覚える。

そんな「戦友」と言っても良いコンビニだが、我々が「自宅の警備」という専門職なのに対し、コンビニの業務は多岐にわたっている。
自宅警備も極めるのは楽ではない、そういう私もまだ駆け出しレベルだ。
だが、一つを極めるのも難しいが、たくさんの仕事を覚えるのも大変そうである。

同じ24時間戦い続ける者として、陰ながらエールを送り、できるだけ手間をかけさせたくないとは思っているのだが、私の声が小さすぎるのか、レジ袋やカードの有無を聞き返される率が非常に高い。
申し訳ないがわざとではない、何せ私がノイズキャンセルを使うと、私の声がノイズ判定され、雑音の方がピックアップされてしまうレベルなのだ。

そんなわけで、今回のテーマは我が戦友「コンビニバイト」である。

 
気になるコンビニバイトは
ここからチェック!>>

 

自宅警備仲間の間でも「コンビニで働いている人はすごい、自分にはできる気がしない」と話題なのだが、実際にコンビニの仕事は大変なのだろうか。

まず業務が多岐にわたるのは事実である。

まずレジでは商品をバーコードで読み取り会計する通常のレジ業務に加え、ホットスナックやタバコ、切手などの販売、税金や公共料金、携帯代などの代金収納、宅配便の受付などがある。
そしてレジ業務と並行してホットスナックなどの調理も行うのだ。

その合間に商品の陳列や補充にあたり、稀にアルバイトが商品の発注まですることもあるらしい。

さらにその合間を見てフロアの清掃などをし、その間もお客様がATMやコピー機の前で「わからん、何もわからん」と自失していたら使い方を教えにいかなければならない。

さらにマルチなコンビニになると、バイク自賠責保険の加入業務やギフト受付、クリーニングの取次なども行うそうだ。

やはり控えめに言わなくてもやることが多い。
しかし、難しすぎてできる人間が限られているバイトだったら、とても人材が確保できず、24時間どころか「ランチ3時間だけ営業」のような、こだわりの強いそば屋みたいになってしまう。

だが、コンビニのアルバイトというのはどこもマニュアルがしっかりしているし、完全にシステム化されており、使用するレジの機能も優れている。

よって「仕事と覚えることが多すぎて大変」という意見がある一方で「一旦仕事を覚えれば完全な単純作業と化す」という、仕事を覚える前と後で別人に入れ替わったのではというような真逆な意見がある。

また、客層が幅広いため、接客業としてハイレベルのようにも思えるが、我々自宅警備がコンビニのスピーディさとドライさを愛しているように、コンビニに来る客は短時間でクールに去っていく場合が多い。
100円カフェで3時間粘る純喫茶の常連みたいな客はあまりいないため、接客が苦手でもやりやすいという意見もある。

ただコンビニ立地や時間帯によって混み具合が違う
都心オフィス街の昼時は戦場のようになり、マルチタスクが苦手な人間には苦痛かもしれないし、逆に我が村のように少子高齢化著しい20時閉店でも何ら問題ない過疎地のコンビニは逆にやることがなくて苦痛かもしれないし、老人にコピー機やATMの使い方を教えるのが一番の大仕事になる可能性があるので、場所は精査した方がいい。
できるだけ、接客は少なくしたいという場合は場所にもよるが深夜帯を選ぶという手もある、何せ24時間営業なので、働く時間はかなり自由だ。

コンビニの仕事は老若男女国籍問わずできるが、学生などの若者も多い
先日私より一回り上の人がコンビニで「切手」を所望したところ、まだ20代と思しきアルバイトに通じなかったという。

しかも「切手がどこにあるかわからない」というレベルではなく「切手」という概念が通じなかったらしい。
新人だったのか、指導する側も切手を求める客が少なすぎて教えるのを忘れたのか定かではないが、中高年としては心に傷を負う軽い事故である。

おそらく切手は滅びの文化なので、若はその使い方まで覚える必要はない、ただ「切手」と言われたら機械的に、絵の描いてある謎の紙片を出せばよいと覚えておいてほしい。

 
気になるコンビニバイトは
ここからチェック!>>

 

カレー沢薫
1982年生まれ。漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビュー。SNSでは“自虐の神”と崇められる人気作家。
Twitter: @rosia29
コンビニのアルバイト求人は
↓こちらから↓

カレー沢 バイト タウンワーク townwork

 
▼カレー沢薫の「バイト丸わかり図鑑」▼
そのほかの記事を見る(記事一覧はこちらから)

 
▼前回・前々回記事を見る▼

カレー沢 バイト タウンワーク townworkカレー沢薫の「バイト丸わかり図鑑」猫カフェバイト編

カレー沢薫さんが世にあるさまざまなバイトを独自の視点で紹介するコラムです。今回は猫カフェバイト。──「おキャット様原理主義偶像崇拝過激派」。職業を聞かれたら「無職」または「他人の不幸ソムリエ」と答えるが、主義はあるかと聞かれたらこう答えるようにしている。…

カレー沢 バイト タウンワーク townworkカレー沢薫の「バイト丸わかり図鑑」クリスマスバイト編

カレー沢薫さんが世にあるさまざまなバイトを独自の視点で紹介するコラムです。今回はクリスマスバイト。──もうすぐクリスマスだ。そう書いたきり何も書くことがなくなってしまうほど、クリスマスは私にとってあまり関係ないイベントになってしまった。…

早速バイトを探してみよう