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2022年10月25日

カレー沢薫の「バイト丸わかり図鑑」結婚式場バイト編

カレー沢薫 タウンワークマガジン townwork来週、同級生の結婚式に行く。
誤解を招く恐れがあるので一応言っておくが、呼ばれたから行くのだ。
呼ばれてない結婚式に、黒タキシードのジョーカーコスプレフォーマルverで乱入、とかそういう話ではない。

ちなみに私は、恨みを持つ関係者によりサプライズと称して新郎or新婦の悪行がご丁寧にスライド仕様で暴露される結婚式エピソードが好きなので、何かの参考にしていただけたらと思う。

しかし、流行り病のせい、という設定で私は3年ぐらい人前どころか外出さえほとんどしていないのだ。
それがいきなり結婚式などというフォーマルな場に出なければいけなくなり、正直ビビっている。

結婚式の主役はあくまで新郎新婦なのだから、出席者のことなんか誰も見てないと言いたいが「友人のクオリティが低い」というのは、新郎新婦のイメージをダイレクトに損ない、後でSNSにも書かれやすいのだ。
ぜひ私の存在が霞むレベルで引き出物が痛いことを期待する。

結婚式に出席する際、一番迷うのは服装である。
最近「元彼の結婚式にこれ見よがしに白いドレスで出席する女」の漫画バナーが頻繁に流れてくるので白がダメなのだけはわかる、やはり漫画は大切なことを全て教えてくれるのだ。

所謂「ちょっとしたパーティに行くのにちょうどいい」とショップの店員が勧めてくるドレスが正解なのだろう。
しかし、デヴィ夫人や叶姉妹の友達でない限り、ちょっとしたパーティの機会などそうそうないのである。
よって、1回ちょっとしたパーティに行く用のドレスを買ったらずっとそれを着続けることになり、気づけばそれが10年前のレトロかわいいドレスになっていたりするのだ。
すでにシャンパンと新郎新婦の返り血でシミだらけというなら買い換える気にもなるが、何せちょっとしたパーティに出席する回数が少ないので服自体は新品同様だったりする。

結婚式用の服の流行りなど気にしなくて良いとは思うが、己の年齢に合わなくなっている可能性はある。
いくら新品同然と言っても20代に買ったドレスを80才になっても着回すのは厳しい。

年齢など気にせず己の好きな服を着るべきという風潮になってはいるが、冠婚葬祭の場となれば別である。
葬式に自分らしさを出すために真っ赤なバラを携えてはこないだろう、個性より常識と周囲との調和が重んじられるのがフォーマルな場というものだ。

このように、結婚式というのはよほどご祝儀要員として重宝されてない限り、そこまで頻繁に出席するものでもない。
また「これが初めての結婚式」という新郎新婦も多く「これで10回目だから、任せとけ」というベテランはあまり居ないはずである。
つまり、不慣れな人間の集まりなので、式がつつがなく行われるよう、他人の結婚式のプロである「ブライダルスタッフ」が常駐しているのだ。

今回紹介するのは結婚式場のアルバイトである。

 
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結婚式場の仕事は、プランナーから、音響、照明、撮影、そしてホールキッチン担当と様々ある。
だがバイトに一生もののイベントのプランを立てさせるのは流石に荷が重いし、ネットで拾ったフリーBGMを流したり、記念写真をスマホで撮影というわけにはいかないだろう。バイトとして求人があるのは主にホールやキッチンである。

ホールスタッフは、式の間、会場内で料理を運んだり飲み物のオーダーを取ったり、他来賓に呼ばれれば用件を聞き、対処する仕事である。
キッチンは料理の調理補助、ドリンク作り、食器洗いなどが主な業務になる。

これだけだと業務内容はファミレスのホールキッチンと大差ないように見えなくもない、しかしやはり結婚式はフォーマルな場である。

ファミレスが適当でいいわけではないが、ファミレスよりも求められるマナーや礼儀のハードルが高くなることは否定できない。
ファミレスでもデザートやドリンクを出すタイミングを尋ねることはあるが、料理はできたものから順次出していき、スープとサラダを出してから一定時間経つまでミックスグリルは出さない、ということはないだろう。
対して結婚式場の料理は運ぶ順番が決められているのはもちろん、式の時間内に料理提供が終わるように時間配分をしなければいけない。遅すぎてもダメだし、来賓挨拶の段階でデザートが出ているようでもダメだ。
また皿の持ち方やカラトリーの交換タイミングも決まっており、皿を下げる時にすらマナーがある。
よって大きな式場では事前にマナーの研修が行われる。
それゆえにマナーや言葉使いの勉強として、就職を控える学生にも人気なアルバイトだという。

確かに、結婚式というのは両者親戚に会社関係者、さらに友人が一同揃い踏みというこれ以上ないほど社会の縮図だ、良くも悪くも学ぶことは多いだろう。

また、結婚式は大体、土日祝日に開かれるため「土日だけ何かバイトをしたい」という人にも手ごろなアルバイトである。
しかし、澄ました顔で立っている時間が長いように見えて意外とやることが多く、それをヒールや革靴で長時間やるので意外とハードという感想もあるようだ。
水面下で必死に足を漕いでいる白鳥のようなバイトだと思った方が良いだろう。

また、結婚式というのはある程度テンプレはあっても、毎回同じプログラムで毎回同じところでキャンドルがどうやっても着かない、ということはなく、結婚式ごとに段取りが変わるので覚えるのが大変という面もあるようだ。

しかし逆に言えば、毎回違うドラマが見れて飽きがこないとも言える。

ぜひスタッフとして、数多の式を見届け、ネットで良く見るタイプの結婚式が本当に存在するのか確かめてみてほしい、そして私に詳細を教えてほしい。

 
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カレー沢薫
1982年生まれ。漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビュー。SNSでは“自虐の神”と崇められる人気作家。
Twitter: @rosia29
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