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2020年07月28日

古川 慎 インタビュー『バイト先の先輩・仲間の後押しが声優の夢を叶える原動力になった』

古川 慎 声優 インタビュー townwork タウンワークマガジン声優として活躍する一方、2018年から自身名義での音楽活動をスタートさせている古川 慎さん。声優の夢を追いかけて専門学校に通いながらバイトをしていたという当時のエピソードを伺いました。さらに、アニメタイアップソングにもなっている新曲「本日モ誠ニ晴天也」制作秘話についてインタビュー!

 

アニメの時代背景に寄り添った和風レトロな楽曲を楽しんでほしい

——表題曲「本日モ誠ニ晴天也」は、TVアニメ『啄木鳥探偵處』のオープニングテーマになっていますね。

はい。オープニングでのタイアップは初めてということもありとても嬉しかったですし、初めて聴いた時からアニメの時代背景に寄り添った楽曲だという印象がありました。これまで、僕自身があまり聴いてこなかったタイプの楽曲だったので新鮮でしたね。

――レコーディングで意識した点を教えてください。

歌詞にも、〈文明開化〉や〈牛鍋〉など時代を象徴するような絶妙なワードがちりばめられているので、そういったところを強調したり際立って聴こえるように意識して歌いました。感情の強弱は現場のスタッフさんとディスカッションしながら進めていきました。

――歌詞の内容で特に共感した部分はありますか?

個人的に好きだなと思っているのが、2番の〈四季折々のあはれ〜砂粒ほどの人生さえ悪くない〉の部分ですね。砂は、石川啄木の「一握の砂」という作品からのワードなのですが、石川啄木が亡くなる少し前に人生を回顧して綴った本を読んで、この一節を読み解いていくとより深く共感できます。本当に「砂粒ほどの人生でいいのか?」と言われると考えてしまいますが(笑)、この歌詞の中でも心の強さを感じる部分です。アニメは、歴史上の人物もキーパーソンになっているので、それを踏まえて楽曲を聴いたりアニメを観ていただくと、また違った面白さを感じていただけると思います。

古川 慎 声優 インタビュー townwork タウンワークマガジン――カップリング「パトスのカタチ」はラテン調の楽曲で、古川さんご自身が作詞されています。

以前からの希望だった“ラテン系の曲をやってみたい”という願いが叶いました。歌詞は、情熱=気持ちのベクトルや熱量をテーマに書いています。僕自身がもともとビビりで、ネガティブになりがちなところがあるので、冒頭には〈誤魔化した〉という表現を使っていたりと“どうせやったって出来やしない”という負の感情を書いています。そこから後半に向かって、どんなに凹んだり、腐ったり、言い訳したとしても、結局大事なのは負の感情になる前に持っていた情熱なんだという思いを込めて書きました。

――ラストの一文にも思いが集約されているのを感じました。

〈果ての無い夢を 叫び続けよう〉と締めていますが、何かを変えたい・叶えたいという熱量を込めたので、夢を追いかけている方や、少しネガティブになってしまっている方にも是非聴いていただいて、少しでも共感してもらえたら嬉しいです。

 

小心者だから、初めてのバイト先は悩みながら慎重に選びました(苦笑)

古川 慎 声優 インタビュー townwork タウンワークマガジン――ここからはアルバイト経験について伺いたいのですが、いくつかバイトは経験されていますか?

はい、単発も含めるとかなりたくさんやっています。初めてのバイトは18歳で、地元の熊本から福岡に出て、一人暮らしをしながら専門学校に通いだした頃です。親から仕送りはもらっていましたが生活費の補填のために、スーパーで品出しのバイトをしました。

――バイト選びのポイントはどこだったのでしょうか?

最初は何をしていいのか全然わからなくて色々な情報を見たんですけど、小心者だから“どんな仕事内容なんだろう? 自分に出来るのかな?”とビビるわけですよ(笑)。そのなかで、“スーパーの品出しは想像できるから自分でも出来るかもしれない!”と思って選びました。ペットボトルとかお菓子をバックヤードから出したり、お客さんからの問合せに対応したりしていました。1年ほどで、その部署はなくなってしまったんですけど、現場は楽しかったですね。

――初めての給料をもらったときのことは覚えていますか?

はい。自分が働いた結果がお金になって返ってくるというのを初めて経験したので、すごく嬉しかったのを覚えています。基本的には生活費になっていましたが、専門学校時代に、すごく安いものですが自分用のマイクを買ったのは夢に向かう一つの後押しにもなりました。

 

家電と自転車フロアを担当していた販売員時代、知らない間に体力がアップした

古川 慎 声優 インタビュー townwork タウンワークマガジン――上京後もバイトはされているのでしょうか?

大型量販店の販売員や、居酒屋の接客、運送会社での仕分けのほかに、短期で入れるバイトもしました。後半は、声優のお仕事をいただくようになっていたので、シフトで時間を選べるバイトが多かったですね。

――大型量販店では、どんな作業がありましたか?

持ち場は家電担当で、お客さんの対応や品出しがメインでした。家電に関しては、専門のアドバイザーさんがいたのでそれほど難しくはなかったです。それと、自転車フロアも任されていたので、購入された方用に自転車を微調整したりしていましたね。

――そこでも楽しく働けましたか?

そうですね。基本的に品出しや仕分け、商品を見つけ出すみたいな作業は好きでした。大変だったのは、意外と肉体労働だったことくらいかな。自転車は、量販店の入り口まで運んでお客さんにお渡しするのですが、新生活シーズンはすごく売れるんです。自転車以外にも家具なども売れるので、エレベーターがなかなか使えなくて、立て続けに4台売れた時は、自転車を担いで4階から1階まで を4往復。それはなかなかハードでしたね。でも、そのおかげで、いつの間にかハシゴを使うような高い棚に重たい荷物もあげられるようになったりと、体力とバランス感覚が身についていたので、知らない間にスキルアップ出来ました(笑)!

 

声優の現場に快く送り出してくれたバイト先の先輩には感謝しています

古川 慎 声優 インタビュー townwork タウンワークマガジン――ほかに、印象に残っているバイトがあれば教えて下さい。

一番最後に働いた運送会社の仕分けは、面倒を見てくださった先輩が声優に理解のある方ですごく助けていただきました。その頃は、声優の仕事も増えていたので、なるべく早朝のバイトを選んではいたのですが、それでも時間が被ってしまうことが増えていて……。急なお願いでも相談をすると、毎回代わりのスタッフを揃えてくれたりと融通を利かせてもらっていました。

たまたま僕が、その方が推している声優さんと同じ作品に出演していたのがキッカケだったんですけど(笑)。「〇〇さんの、サインをもらってきてくれるならいいよ」なんていう冗談を言って、あえて僕が言い出しやすいようにしてくれたりと気持ち良く送り出してくれていました。シフトを動かすのは大変だったと思うので感謝していますね。

――そういった優しさをもらうと夢への活力にもなりますね。

すごく有難かったです。その職場は、1シーズンに1回くらい飲み会を開いていて僕も参加していたんですけど、まだ年数が浅い僕にも「〇〇の作品観たよ」とか声をかけてくださる先輩や上司が多くてすごく嬉しかったですね。最後は、送別会で応援の言葉もいただきました。そうやって、一緒に時間を過ごした方たちに応援してもらえたことが支えになったし、信じてくれる方がいるということが力になりました。

 

夢を一直線に追うなかで、バイトが自然と社会経験になった

古川 慎 声優 インタビュー townwork タウンワークマガジン――インタビュー冒頭でも、ご自身を“ビビり”だとおっしゃっていますが、バイトを始める勇気が持てない方へのアドバイスをいただけますか?

僕はとても慎重な人間なので、まずは“自分でもやれそうだな”と思うことを着実にやっていきたいと思うタイプなんです。なので、どうしても心配な時は、バイトを始める前に、募集しているバイト先の様子を見に行ってから面接に行くようにしていました(笑)。困った時は、まず「自分にも出来そう」「楽しそう」と思えるものを選んでみることをオススメします。

――バイト経験が今に活かされていると感じることはありますか?

声優を目指すにも色々なパターンがあるとは思いますが、専門学校から養成所に入った場合、社会経験をする機会が少ないんです。僕自身、まだまだ社会人として恥ずかしい思いをすることもありますし、実生活においてバイトでの経験が直接活かされる機会は限られるかもしれません。でも、実際に体験したことで得た社会経験や知識が、知らず知らずのうちに自分の中に取り入れられているという意味では、バイトをしていて良かったと思っています。

 

■Profile
古川 慎
(ふるかわ まこと)

9月29日生まれ。熊本県出身。声優として、「ワンパンマン」サイタマ役、「かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜」白銀御行役、「アイドルマスター SideM」アスラン=ベルゼビュートII世役など多数の作品で活躍中。
2018年7月4日にランティスよりアーティストデビューし、デビューシングル「miserable masquerade」をリリース。オリコンデイリーランキングでは初登場7位を記録するなど話題を呼んだ。2018年12月には大型イベント「Original Entertainment Paradise 2018」神戸公演にゲスト出演し、ソロ名義で初となるパフォーマンスも大成功させた。待望の3rdシングル「本日モ誠ニ晴天也」は、2020年4月より放送開始のTV アニメ「啄木鳥探偵處」OP主題歌。

◆古川 慎 OFFCIAL SITE:https://www.toysfactory.co.jp/artist/makotofurukawa/
◆古川 慎 Twitter:@M_Furukawa929

企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影・河井彩美 取材・文:原 千夏

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