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2021年06月22日

笠原桃奈(アンジュルム)インタビュー「人と比べると成長が止まるので、自分にできることを見つけます」

笠原桃奈 アンジュルム インタビュー タウンワークマガジン townworkハロー!プロジェクトの中で、カッコ良さや強さを打ち出しているアンジュルム。その象徴的なメンバーが笠原桃奈さん。中学1年で加入して現在は高校3年。つい昨日、海外で歌とダンスを学ぶため、年内でのグループ卒業を発表しました。トリプルA面シングルの発売を機に、成長期と重なった足跡を振り返ってもらいました。

 

研修生時代は劣等生で辞めるつもりでした

――よく「ハロプロ研修生時代は劣等生だった」と話していますね。

同期がつばきファクトリーの小野瑞歩ちゃん、秋山眞緒ちゃん、BEYOOOOONDSの前田こころちゃんたちで、しっかりしているうえに歌やダンスも上手だったんです。私はバレエは習ってましたけど、マイクを左手で持つことも知らなかったり、右も左もわからなくて。練習で周りの子に「どういうこと?」と聞いて、先生には怒られてばかりでした。

――特にグサッときたことというと?

先輩たちのパフォーマンスを見ているときの姿勢が悪すぎて、リハーサル室から追い出されたことがありました。たぶん自信のなさから、そんな姿勢になってしまっていたんだと思います。

――中学1年だった2016年の研修生発表会『公開実力診断テスト』を最後に、辞めるつもりだったとか。

自分には向いてないと思って、家族と話し合って、マネージャーさんに「最後の舞台にします」とお伝えしました。それで悔いを残さないように全身全霊を懸けたら、ベストパフォーマンス賞をいただいて。

ずっと自信がなかったので、ウソかと思うくらいでしたけど、家族と話し合いをし直しました。せっかく賞をいただいて、終わりにしていいのか? もしかしたら、ここから変われるかもしれない。「じゃあ、続けよう」と決めたら、その後すぐ、アンジュルムに入ることになりました。

 

とにかくやるしかないから大変という感覚もなくて

笠原桃奈 アンジュルム インタビュー タウンワークマガジン townwork――結果的には同期で真っ先にデビューとなりました。

研修生は先輩のツアーでバックダンサーをすることもあるんですけど、私は一度も選ばれたことがなくて。研修生発表会でも、全員で歌う曲しか出番がないこともありました。そんな劣等生の私が最初にデビューするなんて、人生何が起こるかわからないと思いました。

研修生を辞めるか考えていた頃、アンジュルムの日本武道館公演を観て、衝撃を受けたんです。めちゃくちゃカッコ良くて、キラキラしていて、圧巻でした。特に「次々続々」に勇気付けられて、家でもずっと流していたんです。そのグループに自分が入れるのは、夢のようでした。

――一方、加入が発表されたハロプロのコンサートで、即アンジュルムの一員としてパフォーマンスをしたり、いきなり大変だったのでは?

アンジュルムに入ると言われた2日後から、先生と1対1でリハーサルを始めたり、ドタバタでした。ステージデビューの2日後には『FNS歌謡祭』に出演させていただいて、夏だったからフェスやイベントもあって。10曲近くを一気に覚えないといけなくて、寝る暇もありませんでした。

しかも、研修生の頃は元気に飛び跳ねて歌う感じでしたけど、アンジュルムはダウンでリズムを取る曲が多いので、ダンスのクセも矯正しないといけなくて。でも、当時はあまりに目まぐるしくて、大変という感覚もなかったです。とにかく、やらないといけない。最初がそうだったから、その後もいろいろなことを乗り越えられたと思います。

 

十人十色の多様性を受け入れることを学びました

笠原桃奈 アンジュルム インタビュー タウンワークマガジン townwork――以後はどんなことを乗り越えてきたんですか?

後輩が入って初めての『十人十色』のツアーでは、後輩といっても船木結さんは研修生の先輩で川村文乃ちゃんは年上で、自分よりずっとしっかりしていたんですね。何でもできる2人を見ていて、「私は何のためにいるんだろう?」と悩みました。

当時のアンジュルムは「自分たちならどこまでも行ける」とギラギラしていて、みんなが自信を持っていた中で、私だけが「後輩よりダメだ……」となっていました。でも、リーダーだった和田(彩花)さんが「年齢とか歴とか関係ない。多様性を受け入れる」というスタイルだったんです。

タイトル通りメンバーは十人十色で、1人も欠けたらいけない。そういうことを確立できたツアーでした。私も「自分を違う人と比べても意味がない。自分なりに成長できればいい」と思えるようになって、最後の日本武道館では不安や緊張より楽しさが勝つことを知りました。

――ツアーをしていて、悩みが自然に解消された感じですか?

そうですね。研修生時代も含め、悩んだり誰かと比べている間に、成長するタイミングを逃していたと思うんです。落ち込んだり、ふてくされているときは、歩みが止まって何も生まれない。振り返ると本当にもったいなくて。それより自分ができることを見つけて、自分のやり方で頑張らなければいけないと学びました。

 

求められるものもやりたいことも大切にできたら

笠原桃奈 アンジュルム インタビュー タウンワークマガジン townwork――アンジュルムに加入して5年になりますが、今、アイドルとして大事にしていることは何ですか?

今言った多様性は大切だと思います。「タデ食う虫もLike it!」の歌詞のように、アンジュルムはメンバーの好きなものやスタイルはバラバラなんです。だから、「アイドルだからこうしなきゃいけない」とか、決まったイメージに捉われたらダメだなと。

でも、アイドルはファンの方がいて成り立つもの。自分がやりたいことだけで突っ走って、「受け入れて」と言うなら、アイドルをやる意味がない気がします。かと言って、自分のやりたいことを全部犠牲にして、求められたものだけをやるのも違う。人間性も愛してもらってこそ、アイドルだと思うので。

私はブログで「どういう髪型がいいですか?」と聞いたりしますけど、ファンの皆さんと意志疎通して、求められるものと自分のやりたいことと、どちらも大切にできたら、アイドルとして最高のあり方かなと。

 

自粛期間に歌から離れたら自信がなかったことも忘れていて

――5年の中で、今だから言えるようなピンチもありました?

去年の自粛期間に入る前の1年くらいがスランプでした。アンジュルムの活動は楽しかったんですけど、歌に自信が持てなくて、「私はヘタだな」と思いながら歌っていました。そうすると、本当にヘタになってしまうんです。でも、そんな状態にずっと気づけずにいました。

自粛中、私は根っからインドアなので、何をしていたか覚えてないくらい、何もしなかったんですね(笑)。歌やダンスのことも考えてなくて。その時期を経て、ハロプロの『The Ballad』のコンサートで歌ったら、自分の中で何かが変わって、周りからも「うまくなったね」と言われました。

歌から一度離れたら、自信がなかったことも忘れたというか。しかもソロで歌うので、ただ自分の歌声を届けることに集中したら、スランプから抜け出せました。

――自粛中にたくさん練習して乗り越えたのでなく、一度無になったことが良かったと。

リモートでボイストレーニングもしましたけど、ステージから離れて何も考えない時間も必要だったようです。『Ballad』では、Doughnuts Holeさんの「おとなの掟」をカバーさせていただいたことは特に大きくて。

――椎名林檎さんが作詞・作曲した、ドラマ『カルテット』の主題歌ですね。

もともとカラオケでいつも歌っていて、ボイトレの先生といろいろな曲を練習した中で、「おとなの掟」だけは「練習する必要ない」と言われました。自分の表現したいように歌ったら、ファンの方にすごく誉めてもらえて、「新しい一面を見られた」という声もいただきました。

自分でも今までやったことのない歌い方をして、感情を本気で乗せられたと思います。それまでは「うまく歌いたい」と悩んで、自分の本来の声で届けることを忘れてしまっていたのかなと。大切なことを改めて思い出すきっかけになりました。

 

ジャズ系は好きなので迷いなく歌えました

笠原桃奈 アンジュルム インタビュー タウンワークマガジン townwork――普段は落ち込むことはありますか?

私は基本、悩んでしまうタイプです。でも、その中で学ぶことも多いので。落ち込んだときはダークな曲を聴いて、とことん落ち込んでから、きれいさっぱり忘れるようにします。

――「ダークな曲」というのは?

「おとなの掟」もそうですし、椎名林檎さんの曲はすごく好きです。人生について歌っていたり、シリアスな楽曲もあって。普段は洋楽をよく聴く中で、椎名林檎さんの世界に浸るのも私のストレス発散法です。でも、音楽はいろいろなジャンルを聴いてます。

――今回のトリプルA面シングルでは、笠原さんはジャズ系の「愛されルートA or B?」で歌い出しなどフィーチャーされました。

ジャズは好きで、キース・ジャレットさんのピアノとか、静かで落ち着いた曲をよく聴きます。「愛されルートA or B?」は三拍子のジャズ調で、自分の中ですごくハマりました。

レコーディングは30分もかからなくて、歌割りが少ないのかと思っていたら、「目立っているね」と言っていただく形になって。自分の好きな系統だから、迷いなく歌えたのかなと思います。

 

個人の活動よりアイドルを全身全霊でやりたいです

――切ないミディアムチューンの「泳げないMermaid」は、アンジュルムには珍しい感じです。

最近はガツガツした曲が多くて、こういう系は久しぶりでした。川村文乃ちゃんと伊勢鈴蘭ちゃんがフィーチャーされて、繊細な声質の2人が新しい一面を見せてくれたと思います。

――「はっきりしようぜ」はスターダスト☆レビューのカバーですが、アンジュルムらしいファンクになりました。

今までのアンジュルムの路線ですけど、かわいらしい新メンバー3人が入って、どういう方向に行くのかと思ったら、まさかの上合わせ(笑)。でも、それがアンジュルムの良さで、3人もちゃんとついてきてくれて。ポテンシャルがすごく高くて、これからのアンジュルムが楽しみになります。

――今後、個人でやりたいことはありますか?

私はアイドルを全身全霊でやりたいんです。趣味は写真とかたくさんあって、お仕事に繋がればいいなと思いますけど、今はアンジュルムに100%注いでます。

 

思い込みでも自信を持つことは武器になります

笠原桃奈 アンジュルム インタビュー タウンワークマガジン townwork――新体制のアンジュルムで目指したいことは?

大きい会場でライブをしたいのと、知名度を上げたいです。今、上國料萌衣さんがいろいろなメディアに出ていて。これをきっかけに他のメンバーも知られて、アンジュルムの名前が世界中に広がったら、うれしいなと思います。

――「大きい会場」はどの辺が目標ですか?

横浜アリーナでやりたいです。私はK-POPも好きで、Red Velvetさんの横アリでのコンサートを観に行ったことがあるんです。ステージから一番遠い天井席でしたけど、本当に楽しくて! いつか私たちも横アリに立てたら、天井席まで届くパフォーマンスをしたいです。

――そうした夢を叶えるために大切だと思うことは何でしょう?

研修生で一番の劣等生だった私が、アンジュルムに加入して日本武道館に立てたり、本当に人生何が起こるかわかりません。夢を諦めなければ、いつかチャンスが来ると思います。そのときに「どうせできない」ではなくて、自信を持つことは何より武器になるかなと。

自分はヘタだと思って歌ったら本当にヘタになるのと逆に、自分がうまいと思ったら、たとえスキルが伴ってなくても、いいパフォーマンスができるんです。思い込みでもいいから「私は何でもできる」と自分に言い聞かせるのは、すごく大事だなと思います。

 

■Profile
笠原桃奈
(かさはら ももな)

2003年10月22日生まれ。神奈川県出身。
2014年にハロプロ研修生のオーディションに合格して、2015年より加入。2016年7月よりアンジュルムの新メンバーに。

◆アンジュルム OFFICIAL Blog:https://ameblo.jp/angerme-ss-shin/
◆アンジュルム OFFICIAL SITE:http://www.helloproject.com/angerme/
◆アンジュルム OFFICIAL Twitter:@angerme_upfront
◆アンジュルム OFFICIAL Instagram:@angerme_official

企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:河野英喜 取材・文:斉藤貴志

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