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2023年10月23日

声優・悠木碧さんインタビュー 「自分の内側にある“何で”を深掘りすることで、なりたいものに近づける」

悠木碧 声優 インタビュー タウンワークマガジン townwork

(C)米田育広

ファーストエッセイ集「悠木碧のつくりかた」(中央公論新社刊)を上梓した悠木碧さん。子役として芸能活動を開始したものの、声優へシフトチェンジするきっかけとなった出来事や、二足の草鞋で多忙を極めた学生時代の思い出を聞いたほか、声優やクリエイターとして第一線を走り続ける現在について、たっぷりとお話を伺いました。

 

執筆作業を通して、改めて自己分析することができました

悠木碧 声優 インタビュー タウンワークマガジン townwork

(C)米田育広

――まずは出版の経緯から聞かせてください。

「エッセイを書いてみませんか?」とお声がけいただいて、私自身、以前から文章を書くことが好きで、1冊書かせていただく機会なんてめったにないと思ったので、「ぜひ!」とお返事しました。ただ、エッセイを書いたことはあっても、楽しく読みきれるものにするのはどうしたらいのだろうというのは、結構な悩みどころでした。

――執筆するうえで苦労した部分はありましたか?

自分が歩いてきた道を振り返るとなると、どうしてもネガティブなことも出てきますし、芸能界って華やかにみえているぶん、同時に影もあると思われがち。嘘がない状態で、ポジティブな表現で書くということはすごく意識しましたね。

――子役時代にマネージャーさんから「お芝居の勉強をするのが嫌なら自分を観察しなさい」と言われ、自己分析を始めたとありましたが、これはどんな職業の方にも役に立つのではないかと感じました。

こんな理由があって、今、こういう気持ちになっているというのを紐解いていく作業って、一旦頭をフラットな状態にできるから、心がラクになるんですよ。最終的にどう決断するにせよ、その時の感情を向けるものの焦点が定まってきて、歩きやすくなる。「悠木碧のつくりかた」を通して、私自身も改めて自己分析することができました。

 

人生で一番忙しかった大学時代は、ノリと勢いで仕事と両立

――芸能活動をしながら、学業と両立させるのはとても大変なことだったと思います。

時間の管理をきちんとしないと、どちらも中途半端になってしまうというのが当時の心境です。時間って自分の心の持ちようでは決められないものだから、限られた時間をいかに仕事に配分するか、授業の遅れをいかにとり戻すかを考え、さらに、生きていくうえで必要不可欠な食事や睡眠にかける時間など、そのバランスをとるのがすごく大変でした。

――モチベーションを支えてくれたものは何でしたか?

ノリと勢いです。走っている時はアドレナリンが出ていて、「止まったら終わり」という考えが自分の中にあった。だから、足が止まらないようにわざと忙しくしていました。大学時代がおそらく人生で一番忙しかった時期で、今、振り返っても「よくやったな」と思います。

――どちらかの草鞋を脱ぎ捨てようと思った瞬間はありませんでしたか?

同業者や年齢が近い人から「大学を辞めた」という話を聞いて、「私も辞めちゃおうかな」と思ったことは何度もありました。だけど、この山を登りきった後にしか見ることができない頂上みたいなものがきっとあるんだろうなとなんとなく感じていて、ここで大学を諦めて、また1から始めるほうがもっと大変だと思ったので、踏みとどまることができました。

 

好きなことを仕事にするのではなく、得意なことを仕事に

悠木碧 声優 インタビュー タウンワークマガジン townwork

(C)米田育広

――著書には自己肯定感に関するエピソードが度々登場しますね。

最近、イラストレーターの方と会うことが多く、そこで話題になったのは、昔って自分が描いた絵を「最高に上手い」と自賛することができたけれど、今はもっと上手い絵がネット上でいくらでも見られるから、「自分が一番だと思い込めないのはしんどいだろうな」と。その言葉を聞いて、なるほどと思いました。絵に限らず、語学や推し活など自分以上の人に出会ってしまうと、肯定感を保つことが難しくなる。だからこそ、私はこの本に「好きなことを仕事にするのではなく、得意なことを仕事にしたほうがいい」と書いたんです。自分を俯瞰でみられる現代だからこそ、自分で自分に納得してあげるしかないんじゃないかなって。

――どんな方にこの本を読んでほしいですか?

最初はファンの皆さんや声優を目指している方に向けて書いていたのですが、ありがたいことにアニメや声優にあまり興味がないという方からも「面白い」と言っていただけて。人って、他人のことを一つ知るとどこか安心する部分があるじゃないですか。生きることが不安な方にぜひ読んでいただいて、安心してほしいです。よく「闇が深いんですか?」とも聞かれますが(笑)、人並みに闇を抱えていることを自覚しているからこそ、光も持つことができる。光だけの人間は相手を焼きつくしますから、時には闇も必要です。

 

子役時代に挫折を経験したことも。“黒い羊”にならないよう意識していた

――本格的に声優としてやっていこうと決意した時期やきっかけを聞かせてください。

小5の時に初めて声優業に挑戦したのですが、どんな姿にもなれることにすごく魅力を感じたんです。表に出る仕事をしているとどうしても目立ってしまい、群れになじめないことが出てくる。でも、お芝居は好きだからどうやって生きていこうと悩んでいた時に、沢城みゆきさんという、今も尊敬してやまない先輩の声優さんと出会えたことが大きかったです。

――これまで挫折と感じた出来事はありましたか?

挫折は子役時代です。子役って実力というよりも、大人時代を演じる方に似ている子が起用されることが多いんです。どんなに台本を読み込み、役柄を理解していっても、顔が似ている子が仕事を勝ちとっていくというシビアな世界。また、芸能界では個性的であるのが生き残るうえで大事なことだと教わるのに、学校では目立ち過ぎると群れになじめなくなるので、“黒い羊”にならないようにする塩梅が難しかったです。

 

キャラクターのビジュアルと設定をつなぐことが声優の仕事

悠木碧 声優 インタビュー タウンワークマガジン townwork

(C)米田育広

――普段、仕事をするうえで大事にしているのはどんなことですか?

2019年に「言葉の疑獣化」をテーマに企画・原案・キャラクターデザインを担当した「YUKI×AOIキメラプロジェクト」を立ち上げたのですが、作品をつくる側になったことで感じたのが、スタッフさんは私たち声優が作品に携わる時間よりもっと長い時間、作品やキャラクターのことを考え、その人にとっては一生に1作になるかもしれないという強い意志をもって臨んでいるということ。これまでも、作り手の意向になるべく沿いたいという気持ちはありましたが、自分が制作する立場になり、その思いをより感じるようになりました。

――さらに、声優として大切にしているのはどのようなことでしょうか?

アニメに登場するキャラクターって、絵と設定が合っていないパターンがあって、例えば「冷静沈着なお姉さんキャラです」といいながら、髪型がツインテールだったりする。冷静沈着な社会人はあまりツインテールにしないじゃないですか(笑)。その中で、ツインテールと冷静沈着なお姉さんキャラをうまくつなぐのが声優の仕事だと思っているので、その辻褄を合わせていくことが楽しいし、それができる人でありたいと思って臨んでいます。

――夢や目標に向かって奮闘する若い世代の皆さんへメッセージをお願いします。

私が声優としての目標に向き合ううえで重要視していたのは、やはり自己分析です。自分の感情や行動のすべてに、自分にしか理解できない理由みたいなものがちゃんとあって、その理由をもとに、次はどう進むべきかがみえてくるというのが一番の味方になってくれる考え方でした。今、将来の方向性について悩みを抱えている皆さんがどんな気持ちなのかは私にはわかりません。だけど、皆さんにはわかっているはず。何で共感したのか、どんな部分に共感できなかったのか。その「何で」を深掘りすると、自分のなりたいものに近づけるのではないでしょうか。一緒に頑張っていきましょう!

 

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■Profile
悠木碧
(ゆうき・あおい)

1992年3月27日、千葉県生まれ。4歳で芸能活動を開始し、2003年「キノの旅」で声優業に初挑戦。主な出演作に「ポケットモンスター ベストウィッシュ」(アイリス役)、「魔法少女まどか☆マギカ」(鹿目まどか役)、「戦姫絶唱シンフォギア」(立花響役)、「七つの大罪」(ディアンヌ役)、「ソードアート・オンライン」シリーズ(ユウキ役)、映画「聲の形」、「君の名は。」など。音楽活動の再スタートにあたり、ボイスチャットアプリ・Discord内にコミュニティ「妖精夜行」をオープンした。

◆Official Site:https://www.aoni.co.jp/search/yuki-aoi.html
◆Official X(旧Twitter):@staff_aoi
◆Official Instagram:@aoiyuki_official

■作品情報
悠木碧 声優 インタビュー タウンワークマガジン townwork
悠木碧のつくりかた(中央公論新社刊)
発売中

編集:ぽっくんワールド企画
取材・文:荒垣信子

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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