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2017年09月28日

俳優 瀬戸利樹さんインタビュー『落ち込んでも“もう少し頑張ってみよう”の繰り返しでここまできた』

瀬戸利樹さん
『仮面ライダーエグゼイド』で注目を浴び、印象的な目力でいまや映画や舞台で活躍中の俳優、瀬戸利樹さん。18歳から俳優をはじめ3年目。最近、少しずつ仕事に自信が出てきたという彼の仕事観から、仕事での心掛け、そして初めての写真集撮影の秘話などを聞いてみました。

東京に初めて遊びに行った日にサロンモデルにスカウト

瀬戸利樹さん

――瀬戸さんは中学生まで野球少年だったらしいですね。

はい! 野球一筋で髪型もずっと坊主でした。だから芸能界なんて遠い世界のことだし自分にはまったく関係のない場所だと思っていたんです。

――それが、なぜ『仮面ライダー』に出演するまでになったんですか?

地元が千葉なんですけど、高校生になって初めて東京に遊びに行ったんです。東京を満喫した帰り道、「いや~楽しかった、東京はすごい!」なんて思いながら歩いていたら、美容師の方に「サロンモデルをやりませんか?」と声をかけられて。

――東京に初めて行った日に声をかけられたなんてスゴイですね!

高校生になって髪を伸ばし始めましたけど、それまでずっと坊主でしたから「サロンモデルって何?」という状態。それでもせっかく声をかけてもらったからと千葉から東京まで通っていました。僕、もともと人とコミュニケーションをとるのがあまり得意じゃなくて。でも、サロンモデルならあまりしゃべらなくていいし、これなら続けられるかなと思って。

コミュニケーション下手だからこそ、話しかける

瀬戸利樹さん

――そうなんですか? 今、話していてコミュニケーションが苦手だなんてまったく思いませんよ!

このお仕事を始めるようになって鍛えられたし、僕自身も“変わらないと”、と思って努力しました。昔は自分から話しかけることはあまりなかったですが、今は新しい現場に入ったら自分から共演者やスタッフの方へ積極的に声をかけるように意識しています。

――どのお仕事でもチームワークは重要ですからね。ところで、サロンモデルから俳優までの道のりが気になります!

実は僕、高校を卒業したら美容師になろうと思っていたんです。サロンモデル時代にお世話になった美容師さんの仕事ぶりを見て憧れていたので「高校を卒業したら美容専門学校に行って、美容師になりたいです」とその方に言ったら、「美容師になる前に、人生は一度きりだから、芸能事務所に所属してみない?」と言われて。

「僕なんて無理です!!」と断ったんですけど、「人生は一度きり」のフレーズにちょっと心が揺れたんです(笑)。それで、今の事務所で面接を受けました。面接後、絶対に落ちたと思っていましたけれど…。

――なぜですか?

コミュニケーション下手が出てしまって、まともに話せなかったんです。最終面接は社長をはじめ重役の方たちとの顔合わせでしたので、とても緊張してしまって。僕はしゃべるのがヘタなんだと、自己嫌悪に陥ってしまって。でも、なぜか合格したんです。

――何か光るものがあったんでしょうね。

そうだと嬉しいんですけれど(笑)。それからレッスンに通い始めて、初めての演技、初めてのダンスとすべてが初めてのことばかり。先輩たちを前に、自分のおぼつかない演技やダンスをするのは不安でいっぱいでした。僕、基本的にネガティブ思考なので、何をやるのも不安が先にきてしまうんです。

『仮面ライダー』の1年間で、固定概念を壊す大切さを知った

瀬戸利樹さん

――そんなネガティブ思考で、3年も俳優の仕事を続けられているのはなぜですか?

18歳のときに『ストレイヤーズ クロニクル』という映画で初めて主要キャストに抜擢されたんです。主演の岡田将生さんや染谷将太さんとも仲良くしていただいたり、周りから「よかったよ」という声をいただけて、少し自信がつきました。

うまくできなくて落ち込んでも「もう少しだけ頑張ってみよう」と思って、頑張ったら少し自信がついて…の繰り返しでここまで来た気がします。

――その頑張りで『仮面ライダーエグゼイド』の鏡飛彩役を射止めたんですね。

飛彩は頭がよくてクールな性格。僕と真逆のタイプでどう演じようかと悩むこともありましたけど監督と話し合いながら1年間続けることができました。この1年間で学んだことは固定概念を壊すこと。それまで台本を読んでも「ライダーであれば、ここはこう演じるべき」と自分の中でヒーロー像に対する固定概念があったんですけど、それを監督から見事に指摘されて、固定概念を捨てることの大切さを教えてもらいました。

この作品に出たことで、より多くのファンの方と出会えたのも、自分にとって大きな成長でした。

――『仮面ライダー』だと子どもから大人まで観ていますからね。

そうなんです! イベントに出演するとさまざまな方たちが応援してくれて。その姿をみると本当に嬉しくなるんです。

――そして、新たなお仕事としてファースト写真集を撮影されたとか。

はい。小豆島と豊島で撮影しました。ただ、初日が嵐のような土砂降りで…。どうなるかと思いましたが、雨の力を借りてドラマティックに撮ったりして。逆境をプラスに変える力って大事だなと思いました。

あと、本当に寝起きの写真も収められています。シャッター音で目を覚ますという驚愕の体験をしました(笑)。

ひとつの行動で、自分の予想もしなかった方向に進むことがあるからおもしろい

瀬戸利樹さん

――それはスゴイですね(笑)。初めてのことばかりで!!

だからこのお仕事は楽しいのだと思います。演技のときも常に新しい役と向き合えますし、自分とはまったく違う人生を演じられる。これがこの仕事の魅力だと感じています。

――最後に瀬戸さんが思う、やりたいことを見つけるコツってなんでしょうか?

行動をすることだと思います。僕も東京に行ったからスカウトされて、美容師さんと出会ったからこの仕事を始めることができました。ひとつの行動が自分の予想もしなかった方向に進むことってあるんです!

瀬戸利樹さん

 

■Profile
瀬戸利樹
(せと・としき) 

1995年10月7日生まれ、千葉県出身。2014年俳優デビュー。翌年『ストレイヤーズクロニクル』で映画初出演を果たす。その後、『仮面ライダーエグゼイド』でブレイク。10月25日~29日で舞台『夢のLife twoトゥライフ』に主演。10月6日は待望のファースト写真集『SETOGRAPH』が発売。

Twitter:@seto1007toshiki
Instagram:@toshiki_seto_official

取材・文 中屋麻依子/撮影 八木虎造

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