アーティスト・星波（ザ・フーパーズ）インタビュー 「接客業の経験のおかげで、ファンの皆さん一人ひとりと、自然にお話しすることが出来ている」

女子が恋する2.5次元 “イケメン女子グループ”として活躍中のザ・フーパーズ。今回は、トーク＆芝居リーダーでアクロバット担当の星波(SENA)さんが登場。22歳の若さながら多種のアルバイトを経験してきたという職歴と、各職場でのユニークな体験談を伺ってきました。ヴァンパイアのコスチュームも印象的な８枚目のシングル「ヴァンパイアキス」についてもインタビュー！

新曲のテーマはヴァンパイアとの禁断の恋

――妖艶な雰囲気がたっぷりのジャケット写真が印象的な「ヴァンパイアキス」ですが、どんな曲に仕上がりましたか？

これまでのフーパーズは“THE王子”をコンセプトに“お姫様、一緒に参りましょう”といった形でリードする曲が多かったんですけど、今回は闇を抱えた“黒い王子＝８人のヴァンパイア”と１人の人間の女性の禁断の恋を描いた楽曲なので、グループのまた新しい一面を知っていただけると思います。

――挑発するような表情に牙がセクシーですね。

初めて牙を着けたんですけど、その時のみんなのテンションの上がり具合は異常でしたね(笑)。自分はもともとマンガやアニメが大好きなので、ヴァンパイアに変身することで、物語の主人公になった気がしたし、写真撮影も８人がそろった時は、同じメンバーながらその容姿にドキッとしました。ただ、実は牙がすぐに取れちゃうんですよ。装着してからくっつくまで時間がかかるので、その間は口を開けたままの状態で「へいふはん、ふひはへん(メイクさん、すみません)って(笑)。あとはMVも、１人の女性を８人のヴァンパイアで奪い合う設定なんですけど、全員が女性に見立てたバラを持って、それぞれの“愛”を演じているので、そこも見ていただけたらと思います。

――カップリング曲についても聞かせてください。

「Life is beautiful」は感謝と、これから違う道を歩むけどお互いに頑張っていこうという希望を込めた曲なんですけど、今回のリリースで卒業するメンバー（麻琴）への思いも込めました。何度聴いてもグッときてしまう、特別な思い入れのあるナンバーです。「トワ　エ　モア」（通常盤B収録）は、私と、陽稀、未来、乃愛のユニット曲で、フーパーズとファンの皆さんで作り上げてきた絆はもちろん、「トワ　エ　モア(あなたと私)」という意味合いも、歌でしっかりお届けできればと思っています。

飲食店でのバイト経験。人前に出るのが恥ずかしいのでキッチン希望だった

――では、ここからアルバイトのお話を聞かせてください。

飲食店が多いんですけど、和食のファミリーレストラン、食べ放題のお店、パン屋、地魚料理を扱った飲食店、スポーツジムでバイトをしました。

――いろいろな経験をされていますね。最初にバイトを始めたキッカケは覚えていますか？

高校２年の時のファミレスなんですけど、まず自由に使えるお金がほしかったのと、２人の姉もそこでバイトをしたことがあったので身近に感じていたことが理由ですね。大好きなメニューがあったので“これがまかないで食べられるんだ！”っていう単純な理由もありました。でも、その代金は少し割引されて、お給料から引かれていました(笑)。飲食店が多いのは、実はキッチンに入りたかったんです。でも「キッチンとフロア募集」だと、いつもフロアに配属されていました。

――どうしてキッチン希望だったんですか？

今の仕事とは矛盾するんですけど、当時は人前に出るのが恥ずかしかったのと、キッチンで働いたら料理や盛り付けが覚えられて自分の役に立つかなと思ったんです。当時はタウンワークを愛読していて、母ももらってきていたから自宅に必ず２冊ありました（笑）。なんといっても巻末の履歴書が大助かりだったんです。バイトを地域で見られるし、どんな職種があるのかを知るキッカケにもなりました。

自分の希望と違っても、やらずに諦めることはしたくなかった

――飲食店が多い中、スポーツジムだけが異色ですね。

もともとは受付をやりたかったんですが、マシンエリアの担当になって「チェストプレスのやり方は～」みたいな指導をしていました。しかも、勤務時間外や休日にマシンを自由に使うことができたので、その頃はフーパーズとしての活動もあったので、自分のためのトレーニングもやらせてもらっていました！

――希望とは違う配属で、バイトを辞めようとは思いませんでしたか？

機械オンチなので初めは“人には教えられるのかな？”と思っていたんですけど、やらないうちから諦めることがイヤだったんです。これは飲食店の時も同じで、何事もとりあえずやってみようって。

――面接は緊張しませんでしたか？

当時から、今のお仕事のオーディションもたくさん受けていたので、そこは意外と平気でした。ただ、面接の時にお店に行って「店長さん、いますか？」と尋ねた時の店員さんの反応には毎回ドキドキしていました。たいていの方は苦情を言いにきたと勘違いしてしまうらしく、毎回「ごめんなさい、クレームじゃないんです」と申し訳ない気持ちになっていました（笑）。

初めてのバイトで、お茶を引っくり返す大失敗!?

――バイト先での失敗談があれば聞かせてください。

最初に働いたファミレスで、お料理の乗ったお膳を机に置く時に、手が湯のみに当たってお客様にお茶をこぼしてしまったんです。熱いお茶ではなかったので大事には至らなかったんですけど、こぼしてしまったことがすごくショックでした。周りが見えていなかったんだと思います。あとは、冬になると鍋焼きうどんが人気だったんですけど、普通の鍋焼きうどんには海老天が１本、特上には２本のっていて、逆にお渡ししてしまったことがあったんです。配膳後に気づいたのでお客様のところへ行って「大変失礼致しました。特上ではなく普通の鍋焼きうどんをお出ししてしまったので、海老天を１本お持ちしました」ってすぐに対応したんですけど、内心めっちゃワタワタしていましたね。

――その場に遭遇すると焦りますよね。

そうなんです！　ほかにも、パン屋さんではクリームパンが人気商品で、焼き立てだとすっごく柔らかいんですよ。柔らかすぎて、トングで挟んだ瞬間に中のクリームがはみ出してしまうことがよくあって、その場合は新しいものと取り換えるんですが、ある時、パンを取りに行ったら焼き立てがすでに完売してしまっていて焦りました。お客様に「焼き立てのものがちょうど売り切れになってしまいまして、焼き立て以外のものとお取り換えするか、そのままになってしまうんです」とお伝えしたら、優しいお客様で「そのままでいいよ」と言ってくださって。パン屋ではそんなことが多かったですね。

――どのバイト先でも先輩や上司を頼るのではなく、きちんと自分で対応したんですね。

はい。まずは出来る限りの対処をして、ご迷惑をおかけした相手に謝ってから、上司に報告をしていました。

謝罪は目線を下にして行動で表すことが大切

――では、これからバイトを始める方にアドバイスを送るとしたら？

これはファミレスで働いた時に感じたことなんですけど、失敗した時は、立ったまま頭を下げるより、目線を下にして謝るという行動で表すことは大切だなと思いました。
あとは、普段からお客様の世代にあわせて対応を変えていました。たとえば、相手によっては少しフランクな口調で話したり。接客業は多くの方と接するんですけど、なるべくみなさんに心地よく過ごしていただけるようにと思っていました。
当時のその経験があったからこそ、今もファンの皆さん１人１人と、自然にお話しすることが出来ているのかなと思います。

編集：ぽっくんワールド企画　撮影：河井彩美　取材・文：荒垣信子