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2018年06月22日

アーティスト・知(サイダーガール)インタビュー『バイトを経験したことで積極的にコミュニケーションをとることの大切さを学べた』

サイダーガール 知 ラムネ インタビュー

変幻自在の炭酸系サウンドを奏でるロックバンド”サイダーガール”。ライヴ会場以外での姿は非公開とされている。今回は、新曲「約束」の作詞・作曲を手がけるギターのさんにインタビュー。ギターを手にいれるために始めたという飲食店でのバイト経験などについて伺いました。

青春のリアリティ——悩みの過程を大切にして音楽に投影していきたい。

サイダーガール 知 ラムネ インタビュー
――3rdシングル「約束」は、知さん作詞・作曲の表題曲ですが、サイダーガールらしい爽快な炭酸系サウンド全開、夏にもぴったりなナンバーですね。

サイダーガールという名前からみんなが抱く第一印象やバンドへのイメージを大事にして曲を作ったので、そう言ってもらえるとうれしいです。

――いっぽう、歌詞にはもどかしさや切なさ、孤独感が見え隠れして、そこに青春のリアリティがあるなと感じたりもします。

僕は自分語りのノンフィクションが好きだったりもするんですけど、生きてきた中でうまくいかなくて傷付いて、悩んだ過程は大事だったなと思っているので。意識的ではないんですけど、自然と歌詞ににじんでしまうのかもしれません。

――そうやって形にしてみて、気づくこともありますか?

学生時代に青春っぽいことをあまりしてこなかった僕としては、青春に対しての憧れがすごくあるんですけど……今、バンドをやっていて音を鳴らしていることで、青春時代を送れている気がしているんです。当時そうだったらよかったのになという気持ちはありつつ、今できてよかったなという思いもあります。

――そして、「約束」はドラマ『覚悟はいいかそこの女子。』の挿入歌、知さん作詞・作曲の「リバーシブル」は映画『わたしに××しなさい!』の挿入歌でもあるんですよね。

「約束」は制作してからタイアップが決まったんですけど、「リバーシブル」は『わたしに××しなさい!』の原作漫画を読んでから曲作りをしました。『わたしに××しなさい!』は主人公が本心を隠しているというところが肝で、自分とつながるところがあるなと感じたんです。

――言いたいことが言えなかったり……。

そうです。そういうことって多くの人が経験すると思うし……。「リバーシブル」は、自分たちらしく、作品ともちゃんとリンクした曲にできたんじゃないかなと思っています。あと、フジムラ(b)が作詞・作曲した「カメレオン」は、人の意見に流されてしまいがちで悩んでいるフジムラが人間くさくていいなと思ってカメレオンと重ねながら、僕がアレンジをしました。今回、Yurin(vo)くんの曲は入っていないんですけど、基本的にメンバーみんなで作詞・作曲をしているので。いろいろな感情や景色にはまる曲を、これからも作っていけたらいいなと思っています。

――サイダーガールの曲は、世代問わずに心を動かしますよね。

老若男女に聴かれたいという目標はずっと持っているし、バンドに憧れてこの道に進んだ僕としては、大きなライヴハウスをまわるツアーをしたいなと。たくさんの人を巻き込みながら、どんどん成長していきたいです!

ギターがほしくて始めた高校2年からの初バイト!

サイダーガール 知 ラムネ インタビュー

――ではここからは、バイト経験についてお伺いしたいのですが、知さんはバイト経験があるのでしょうか?

あります。最初にバイトをしたのは、高校2年生のころです。当時はコピーバンドをやっていたんですけど、ギターが欲しくて、お小遣いじゃどうしても買えないから“バイトをしよう!”と思ったんです。先にバイトをしていた友人に紹介してもらって、地元・北海道の帯広で有名なカレーのチェーン店で働きました。バイトをする前から、お客さんとして何度も利用していて、すごく美味しいお店だったので!

――それも動機のひとつだったわけですね(笑)。

はい、間違いないです(笑)。僕が応募したときは、たまたまキッチンの人員が足りていて。「ホールだったら雇えるよ」ということで、ホールで働き始めました。そこでは、オーダーをとったり、お客さんのところにカレーを運んだり、レジ打ちをしたりですね。

――バイトを始めてみて、思いの外大変だったとか、逆にこんな楽しさがあったとか、どんなことを感じたのでしょうか?

高2といえば大学受験に向けてそろそろ本格的に勉強を始めなきゃいけない時期じゃないですか。でも、バイトをしないと欲しいギターは手に入らないというところで、まず悩みましたね。

まかないカレーは確実にバイトを続ける原動力でした(笑)。

サイダーガール 知 ラムネ インタビュー

――なるほど、それは葛藤しますよね。

無理してシフトを入れると、家に帰ってから疲れて寝ちゃうし(苦笑)。でも、まかないの美味しいカレーを食べたいがために、がんばれていたというのもあり(笑)。休憩時間にカレーを食べさせてもらって、バイト終わりにも持ち帰りさせてもらったりとか、それが完全に原動力となっていました。

――ただ、接客ならではの苦労もあったのではないでしょうか?

キッチンの音が大きくて電話注文の内容を聞き間違えてしまったり、スプーンを出し忘れてしまったり……。その時は、「スプーンがなくてどうやって食うんだよ!」って怒鳴られたこともありましたね(苦笑)。

――心が折れそうにはならなかったですか⁉

落ち込む余裕がないくらいに忙しかったのと……持ち前の鈍感力のおかげで、くじけたりはしなかったんですよね。もちろん反省は必要だと思うんですけど、引きずるだけだと、周りに迷惑をかけてしまうので。それに、一緒に働いている人たちがみんなやさしくて、空き時間には先輩方がいろいろ教えてくれたりして。それもバイトに行く楽しみになっていたんだと思います。結局、受験前まで1年くらいは続けました。

――欲しかったギターも手に入れられたのでしょうか?

週2、3日ペースでしたけど、バイトを始めて3ヵ月くらいで買えました。自分で働いたお金で手に入れた喜びは、格別でした! ただですね、その後、上京資金を貯めるために週6くらいのペースでバイトをした楽器屋さんは、長続きしなかったんですよ。

――バンドをやっている人にとったら、うってつけのバイト先に思いますけど。

そうなんですよ、興味のある仕事だから絶対に長続きすると自分でも思っていたら……3、4ヵ月くらいしか続かなかったんですけど。人の入れ替わりが激しすぎて、仕事をあまり教わらないままお店に立つことになってアタフタの連続でしたね。基本的に店長がお店にいないから、クレームがあっても自分で対応するしかなくて……。お客さんが来て機材の説明を求められても、「わかりません」としか言えないのも心苦しかったですね。ただ、機材に触れたり、値札を貼ったり、普段は出来ない体験もあったし、仕事を任せられるっていうことの責任の大きさも感じました。最近、地元に帰ったときに、たまたま通りかかったんですけど、すごくキュンとして(笑)。そういう懐かしさも青春の一つとして作品作りには生きているんじゃないかなと思います。

わからないことはメモ帳を持って聞きに行く。真摯に学ぼうとする姿勢が大切。

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――職場の人間関係が良好かどうか、信頼できる人がいるかどうかは、やはり大事ですよね。そうしたバイト経験を通じて得たものが、今に生きていたりもするのでしょうか。

挨拶をちゃんとする、時間を守というところから始まって、人と積極的にコミュニケーションをとるということはバイト時代に学んだことですね。話してみてわかることもあるし、相手がどんな世代であれ、まずその人に興味を持って話しかけてみるということが大事だなと。バイトをした数は少ないですけど、人生に必要なことを教えてもらった気がしています。

――そんな知さんから、これからバイトをしよう、探そうという人に伝えたいのはどんなことですか?

同じ職場で一緒に働く人に興味を持って、仲間を作っていくというのが大事だと思うんですよ。もしわからないことがあったら、メモ帳を手に「教えてください」って自分から聞きに行ったり、真摯に学ぼうという姿勢を見せれば、相手も心を開いてくれますから。そういう積極性をもって、怖がらずに新しい世界に飛び込んでみてください!

サイダーガール 知 ラムネ インタビュー

■Profile

サイダーガール 知 ラムネ インタビュー

サイダーガール・知(とも)

シュワシュワとはじける炭酸の泡は爽快感、その泡はあっという間に消えてなくなってしまう儚さ。そしてどんな色にも自在に変化していく。そんな“炭酸系サウンド”を目指し、2014年5月、動画サイトを中心に活動していたYurin(Vo&Gt)、VOCALOIDを使用して音楽活動していた(Gt)、フジムラ(B)で結成。
 メディアでは一切顔を出さず、ライヴ会場でのみ本人たちの姿を目撃できるということと、“炭酸系”サウンドが相まって話題となり、昨年2017年7月26日Sg『エバーグリーン』でメジャーデビュー。全員が作曲を手がける。今年も主催イベントや、多数のフェスへの参加が予定されている!

サイダーガールOFFICIAL SITE:http://cidergirl.jp
知 OFFICIAL Twitter:@ramu_gt

企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:河井彩美 取材・文:杉江優花

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