KAZ(COLOR CREATION)インタビュー『いつの間にか“自分のための歌”が、聴き手に伝えたいものに変化していた』
メンバー5人全員がメインヴォーカルをとる、ボーイズ・ボーカルグループCOLOR CREATION(通称:カラクリ)。圧倒的な歌唱力で、SNSを中心に注目を集めている。歌うことに真っ直ぐに向き合うKAZさんに、これまでのバイト経験や、歌に対する熱い思いを伺いました。2月20日は新曲の『Let it snow〜会いたくて〜』がリリース!
1人1人の歌声が優しく響く切ない冬のバラード!
——3曲を通して恋愛ソングになっていますが、「Let it snow〜会いたくて〜」は、季節感溢れる切ない恋心が描かれていますね。レコーディングはいかがでしたか?
僕たちは5人が全員メインヴォーカルとして、ユニゾンで歌うことを大切にしてきましたが、今回は初めて僕とJUNPEIが主メロを歌って、他のメンバーが3声でコーラスをするという歌い方をしました。1人1人の声を感じていただけると思うし、失恋という切ない心情を歌に出せたと思っています。
——歌詞で共感する部分はありましたか?
TAKUYAが歌う『傷つき 傷つけた』というフレーズと、僕のパートの『当たり前なんてどこにもない』という言葉が響きました。相手との関係があるからこそ、“傷つくこと”と“傷つけること”の両方が存在すると感じます。それと、『当たり前なんてない』という表現は、恋愛だけでなく、メンバーとグループでいること、スタッフさんが力を貸してくれること、そして応援してくれる人たちがいることも“当たり前じゃない”という意味で、今の自分にも置き換えられるので、曲の世界観と自分の思いがリンクしてすごく気持ちが入り込む歌詞になりました。
——c/wの「Saturday Night」は、すごくセクシーな雰囲気の曲ですね。
男性が女性をリードしていく大人っぽさのある曲ですが、ライヴでは振りもあって盛り上がる人気曲になっています。もう1曲の「Magic!」は全員で作詞をしています。女の子を好きになった時の魔法にかかったような恋心を、妄想も入れつつ書いていますが、“Abracadabra”という遊び心のある言葉が入っていたり、“赤信号”“赤い糸”という、赤にまつわるワードも入っていたりと、いろいろな楽しみを見つけていただけると思います。
——作詞はどうやって進めていきましたか?
メンバーそれぞれが1曲ずつ書いてきたものを元に話し合うことが多いです。テーマを決めて作詞をするので、かぶる部分もあれば、全然違うイメージになっている詞もあるので面白いです。いつか全員の歌詞を、ちょっと気恥ずかしい部分とか、“これはないだろ!”という部分をお互いに解説したり指摘しながら披露するのも面白いなと思います(笑)。
——ぜひ聞いてみたいです! 発売後には、リリースイベントもありますね。
はい。ツアーもひかえていますが、その前のリリースイベントでは、今回の赤い衣装で3曲とも披露するので、ぜひ遊びに来もらえたらと思います!
カラオケ店でのバイトは、たくさんの音楽に触れることができた。
——ここからはバイトについてお伺いたいのですが、バイト経験はありますか?
2店舗のカラオケ店で働きました。もともと歌が好きで上京しましたが、歌を練習する場所といえばカラオケでした。でも、毎日行くとお金がかかるし大変だなと思った時に、“カラオケで働けば空き時間で歌えるんじゃないか!”と思い最初は始めました。でも、よく考えたらバイトは働くために行くわけだから、学校が終わって夕方からカラオケ店で働くと、もう歌う時間がなかったです(笑)。
でも、バイトがない日にお店に行って、休憩室で歌わせてもらったり、流行りの曲とか、今まで知らなかった好きな曲を見つけられたりと音楽に触れるという意味ではすごくいい経験でした。あと、上京して数年経った19才の時にニューヨークに留学した経験がありますが、留学前に最初とはまた違う米軍基地のカラオケで働いたことで、英語でのコミュニケーションも学べました。
——有意義でしたね。バイト経験を通して変化したことはありますか?
“働く”という意識が芽生えました。最初はトイレとか汚れた場所の掃除がすごく嫌でした。でも、嫌だという自分の気持ちよりも、“仕事”として働くという使命感みたいなものがありました(笑)。それと、バイト仲間が嫌がっているのを見ていたから、押し付け合うよりは率先してやることで、みんなの気持ちも少し変化してくれたらいいなと思っていました。
行動を起こしたからこそ出会えたもの――夢があるから強くなれた。
——その姿勢がステキですね。では、KAZさんが歌手を目指したキッカケは?
両親がカラオケ好きだったのもあって、小さい頃からよく連れていってもらっていました。歌ったり踊るとみんなが楽しそうにしてくれるのが嬉しかったし、褒められたことで初めて自分に自信が持てたんです。
——夢を追うなかで大変なことや諦めそうになったことは?
挫折はたくさんありましたが、歌手を諦めようと思ったとは一度もありません。夢を叶えるために学生時代に上京したり、理想に届かなくて悔しさを感じていた時期にニューヨークに留学したりと、その時々で行動を起こすようにはしていました。その、いろんな出会いのなかで、COLOR CREATIONというグループになれたと思っているので、無駄なことはないなと思います。
ただ、5年前にポリープが出来て手術をした時は本当に辛かったです。声帯が変化するのが怖かったし、1ヵ月歌えないから練習も出来ない。その期間は苦しかったけど、それでも歌は諦められなかったです。
——そのパワーはどこからくるんでしょうか?
歌手になりたいという夢があったからですね。僕の人格を形成するうえで、歌が一番の軸というか、唯一自分を認めてあげられるものが歌なので、それに向かう行動もできたんだと思います。
音楽には純粋に向き合いたい。歌うことにウソが生まれるのは嫌だから。
——その歌が仕事になったことで変化した部分はありますか?
今までは自分の好きな歌を、好きなタイミングで歌っていましたが、今はリリースに合わせて同じ曲を何度も歌うことが多く、同じ気持ちで歌うことを心がけていても、たまに歌に気持ちが寄り添えないこともあって……。人って同じ話でも100回聞くと、笑ったり泣いたりするのが難しいじゃないですか。気持ちを上手くコントロール出来なくて落ち込むこともありました。歌うことにウソが生まれるのは嫌なので、そんな時は、ほかの音楽に触れて、改めて自分の中の音楽の必要性を感じるようにしています。
——歌に対して妥協できないからこその葛藤ですね。
そう思うと、昔とは歌に対する向き合い方も変わってきました。以前は、“歌が上手く歌いたい”とか、“自分のための歌”を歌っていたんですけど、この活動が始まってから、“誰かに伝える歌”に変わりました。
歌は目の前の人を笑顔にしたり、みんなのどこかにある悲しい気持ちに寄り添ったりするものだと思うので、共感したり、感情を導いたり出来たらいいなと思います。ライヴはたくさんしていますが、来る人にとったら、その日だけのものかもしれない。そこで僕たちの歌を聴いて“また来たい”って思ってほしいです。
自分たちの歌を聴いた人から感想をもらうと、届いていると実感できる
——そういう気持ちは、ファンからもらっているものかもしれないですね。
本当にそう思います。手紙とか握手会で感想をいただきますが、自分が意図しないところで、“この歌に支えられました”とか、以前「CANVAS」という曲を作詞した際に“この歌詞で頑張ろうと思いました”という言葉をもらい、届いているんだと改めて確認しました。受けとめてくれる人がいるからこそ、もっともっと真剣に歌わないといけないと感じました。聞いてくれる方がいるから自分でも知らなかった気持ちに気づける。それはすごく幸せなことだなと思います。
——そんなKAZさんが歌以外で気持ちを解放する瞬間はありますか?
映画とかドキュメンタリーとか、いろいろな作品を観て毎日泣いています(笑)。泣こうと思っているわけではないんですが、そこにあるストーリーに共感して自然と涙が出ているというか……。忙しくなってくると気持ちに余裕がなくなってしまいますが、いつもなにか心が動くものに触れていたいなと思っています。
COLOR CREATION(カラークリエイション)
RIOSKE、TAKUYA、JUNPEI、KAZ、YUUTOから成る5人組のボーイズ・ボーカルグループ。(通称:カラクリ)。2017年8月にインディーズでリリースしたシングルが3ヵ月で8,000枚以上の売上を記録し、活動開始から10ヵ月後の2018年5月にメジャーデビュー。デビューシングルは新人としては異例のオリコンウィークリーランキング9位を記録。
◆COLOR CREATION Official Site: http://color-creation.jp/
◆KAZ Official Twitter: @cc_kaz_
企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:河井彩美 取材・文:原千夏
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。