金属・非鉄金属関連製造の職務経歴書の書き方と見本
金属・非鉄金属関連製造の仕事とは
金属・非鉄金属関連製造は、多くの業務工程を連携させながら進める仕事です。担当業務を正確に遂行することはもちろん、製造ライン全体を俯瞰して生産性・品質向上に貢献することが求められます。ここでは金属・非鉄金属関連製造に転職を希望する場合の、職務経歴書の書き方とポイントをお伝えします。
職務経歴書の書き方のコツ
担当した作業・工程を詳細に
金属・非鉄金属関連製造は業務内容が多岐にわたるため、担当した作業や工程の詳細をわかりやすく記載しましょう。また、担当した製品の種類や、製造過程で求められる精密さ、図面をどれくらい読み取ることができるか、操作経験のある機械の種類や特徴も交えて記述するとなおよいでしょう。
生産性・品質向上への貢献を具体的に記載
金属・非鉄金属の製造ラインでは各工程の作業が連動して動くため、一人ひとりの仕事が全体の生産性や製品の品質に直結します。そのため、担当範囲の作業において、ミス防止や時間短縮、また不良品低減や原価低減などに貢献した工夫や実績はアピールポイントとなります。ミスの平均発生率や短縮できた時間など、数値で表せるものがあれば記載しましょう。
製造ライン全体を意識した取り組みをアピール
各工程同士の連携や情報共有など、製造ライン全体を意識した取り組みも重要です。トラブル時の処置など、全体に関する業務をマニュアル化するなどの取り組みや、報連相をかかさなかったり、職場の協調・信頼関係を築いたりするコミュニケーション力は、強みとしてアピールするとよいでしょう。
金属・非鉄金属関連製造で役立つ資格は?
・技能検定・機械加工(数値制御旋盤作業)
・技能検定・数値制御(フライス盤作業)
などの国家資格や、
そのほかクレーンの操作資格や玉掛け、危険物取扱者免状の種類はアピールになります。技能検定は2級以上がアピールの目安になるでしょう。
金属・非鉄金属関連製造の職務経歴書の見本
田雲花雄(氏名)
■職務要約
粉体機器製品メーカーの○○○○株式会社で、機械加工、溶接に従事しました。FMS、NC工作機で○○部品を加工しています。また、薄板から厚中板までのステンレスや鉄を、一枚の板から溶接、仕上げの工程に従事する板金作業を担いました。
■職務経歴
○○○○株式会社 20XX年0X月~現在
事業内容:○○粉体機器製品の製造
資本金:○○○百万円 売上高:○○○百万円(20xx年)従業員数:○○○名 雇用形態:正社員
【職務内容】
●機械加工(4年)
NC工作機を担当。作業効率化、ミス軽減に貢献
・NC旋盤のマニュアル作成(プログラミング理解、加工工程、工具の順番など)
・共通する作業の作業チェックリスト作成(フレキシブル生産システム(FMS)による一品一様製品が多く、効率化をはかるため)
●溶接(6年)
・品質維持・向上のためミスにつながりやすい作業を分析。アーク電圧の変化を抑えるよう努力
・安全・衛生面向上のための後輩指導
・会社が求める品質基準を尊守するためのマニュアル作成
■保有資格
・普通自動車第一種運転免許(20XX年XX月)
・手溶接技能者資格(アーク溶接)(20XX年XX月)
・技能検定 2級機械加工(数値制御旋盤作業)(20XX年XX月)
■自己PR
【実践してきたこと】
業務の見える化を率先して行うために、自分の部署だけでなく前工程、次工程に従事する先輩や上司に働きかけて、話しを聞くように心掛けました。
また、品質の高い製品を作るために、常に問題意識を持って、仕事に向き合うようにしました。誰でも同じ仕事ができるよう、マニュアルを作成することに自信があります。甘い自己判断を避け、なるべく早い段階で上司と相談するよう徹底してきました。
さらに、後輩の面倒を見ることで自分も成長できると思い、できる限り指導するよう心掛けています。また、日ごろのコミュニケーションをもとに、信頼関係を維持するよう意識しました。
【実績・成果】
・NC旋盤のマニュアルの作成と運用は、後の担当者の教育に使用されています。
・絶対通らないダメな基準を示した写真集の作成と運用により、工場長表彰を受けました。
・キズ一つない製品を目指すという業務改善に挑戦しました。前工程、次工程を見える化することによって、キズの発生しやすい工程を特定したり、トラブルの発生ポイントを示したマニュアルを作成したりするとともに、後輩の指導に役立てることによって、やり直しなどの時間を削減することで、コストダウンの実現に貢献しました。
金属・非鉄金属関連製造の職務経歴書(サンプル)をダウンロード
>金属・非鉄金属関連製造の職務経歴書(サンプル)をダウンロードする
まとめ
多くの工程が存在する金属・非鉄金属関連製造業では、製造ライン全体の一員として生産性・品質向上に貢献することはもちろん、全体の連携を意識した取り組みや工夫が求められます。そのため、自分の作業を改善した工夫や成果とあわせて、製造ライン全体に貢献した実績も記載するとよいです。また、多岐にわたる業務を幅広くカバーできるスキルや経験もアピールポイントになるため、担当した業務や製品はなるべく詳細に記載するよう心がけましょう。
竹内 和美(キャリアカウンセラー)
モノづくりが盛んな愛知県内でキャリアについての相談業務や、コーチングをしている。地の利を生かして、製造業全般の転職のカウンセリングと成功実績は高く、専門性を磨いて、人材としての付加価値を高める支援には定評がある。機械化に負けない人材力を惜しみなく発揮して、モノづくりを一生の仕事として人生の中心においた輝きを追求する支援を行っている。
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。