マッサージ・セラピストの職務経歴書の書き方と見本
マッサージ・セラピストの転職に必要な職務経歴書の書き方のポイントと見本(サンプル)をお伝えします。自己PRの書き方や保有しているとよい資格、未経験の仕事へチャレンジする場合の書き方のコツなども紹介しています。
マッサージ・セラピストの仕事とは
マッサージ・セラピストは、顧客の体に直接触れて、手技によるサービスを提供する仕事です。医療、スポーツ、リラクゼーション、美容など幅広いジャンルで活躍できます。観察やカウンセリングを通して、顧客の悩みごとや求めていることを察知し、その情報をもとにサービス提供を行うため、技術力やコミュニケーション力がと必要とされます。
職務経歴書の書き方のコツ
知識と技術力を具体的に記載する
マッサージ・セラピストには、手技に関する知識と技術力が求められます。「どんな手技療法ができるか(マッサージ、整体など)」「どのような症状にアプローチできるか」「どのくらい解剖学の知識(とくに筋・骨格系について)があるか」などについて記載し、自身の知識と技術力を具体的にアピールしましょう。また、店舗によって手技の方法や理論、サービス提供の仕方などが異なる場合もあるため、さまざまな技術や手法の習得にも柔軟に対応できる旨をアピールするとよいでしょう。
お客さま・患者さまと信頼関係を築ける接客スキルをアピール
セラピストにはお客さま・患者さまの不調やお悩みを引き出し、信頼関係を築くコミュニケーション力や接客スキルが求められます。お客さま・患者さまとの信頼関係が深まることにより、リピート率向上につながるほか、不調の根本原因を詳しく把握できるようになります。「どのように顧客と関わり、信頼関係を築いたか」「リピートしてもらえるよう、どのような接客を心がけたか」といったエピソードを記載し、顧客と信頼関係を築けるコミュニケーション力や接客スキルがあることを伝えましょう。
全体の最適化を考え協調性を持って行動できることを示す
顧客と1対1での関係を構築していく特性があり、店舗や院ではなくセラピスト個人に顧客がつくことが多いです。そのため、自分本位で仕事を進める人も少ないとは言えません。反対に、店舗・院全体の最適化を考え、技術・知識を共有したり、率先してほかのセラピストの面倒といった協調性は評価されます。店舗・院のために率先して行ったことなど、協調性が備わっていることがアピールできるエピソードを記載するとよいでしょう。
マッサージ・セラピストで役立つ資格
・はり師
・きゅう師
・柔道整復師
・理学療法士
上記は、マッサージ・セラピストの仕事で役立つ主な国家資格です。施術内容によっては国家資格が必要であるため、店舗や院によって特定の資格を必須としている場合があります。
・NPO法人 日本セラピスト認定協会 スポーツセラピスト検定
・NPO法人 日本セラピスト認定協会 リラクセーション検定
・一般財団法人 日本能力開発推進協会 整体ボディケアセラピスト
上記の整体セラピスト検定(3級以上)や整体ボディケアセラピストなどの民間資格も、整体やリラクゼーション分野においてアピールとなります。ほかにも、マッサージ・セラピストに関連する民間資格は、エステティックやリフレクソロジー、アロマテラピーに関するものなどさまざまにあるため、転職先の店舗や院にあわせて記載しましょう。
マッサージ・セラピストの職務経歴書の見本
田雲花子(氏名)
■職務要約
鍼灸専門学校を卒業後、はり師ときゅう師の資格を取得し、20XX年より○○○○鍼灸院の鍼灸師として、はりときゅうの治療を7年間経験してまいりました。地域柄ご高齢の患者さまが多く、肩こりや腰痛などの慢性的な痛みに対する鍼灸施術を数多く行ってきました。また、2年前より美容鍼灸施術にも携わり、たるみ・シワ改善に取り組んでまいりました。
■職務経歴
○○○○鍼灸院 20XX年0X月~現在
事業内容:鍼灸院運営
資本金:***百万円 売上高:***百万円(20xx年)従業員数:***名 雇用形態:正社員
【職務内容】
・カウンセリング
・鍼灸施術
・訪問による在宅(往診・往療)施術
・美容鍼灸施術
・予約管理
・顧客情報管理・共有(店舗ミーティング)
■保有資格
・はり師免許(20XX年XX月)
・きゅう師免許(20XX年XX月)
・普通自動車第一種運転免許(20XX年XX月)
■自己PR
【実践してきたこと】
鍼灸師の先輩とともに手技の院内勉強会を開催したり、後輩に手技や接客についてアドバイスしたりと、自身と院全体の技術の向上に努めてきました。とくに、筋の位置と作用を重点的に学習・理解することで効果的な施術とアドバイスが可能となりました。また、2年前に美容鍼灸メニューの提供を開始した際には、外部の講習会に積極的に参加し、新たな技術・理論や知識の習得に取り組んでまいりました。患者さまと信頼関係が築けるように忙しいときにも丁寧な接客をし、コミュニケーションにおいては、患者さまのニーズを引き出すようなカウンセリングをとくに心がけてきました。信頼関係を築き、患者さまの仕事・家庭環境、生活動作などを話していただけるようになると、不調の根本原因を把握し適切な施術ができるようになるため、施術後に「調子がよくなった」と喜んでいただけることが増えました。
【実績・成果】
20XX年から今年までのリピート顧客数は院長の次に多く、最多で月○名の患者さまを担当しておりました。
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未経験の仕事へ転職したい場合は?
マッサージ・セラピストから未経験の仕事へ転職する場合、職務経歴書の「自己PR」に、転職希望先で役に立ちそうな経験やスキルを書きましょう。マッサージ・セラピストとして培った解剖学や運動に関する知識は、スポーツインストラクターやパーソナルトレーナーといったヘルスケア関連の仕事では、即戦力としてのアピールにつながります。マッサージ・セラピストにおける手技は、体の表面から筋肉などを意識し、手指を用いて刺激を行うため、筋肉の位置や作用を把握している必要があります。そのため、業務を通して得た知識を用いて、スポーツインストラクターやパーソナルトレーナーとして、運動やトレーニングの指導やアドバイスをすることができるでしょう。
まとめ
マッサージ・セラピストの仕事では、技術力やコミュニケーション力が主に求められます。ほか、店舗の責任者・スタッフの管理業務などのマネジメントの経験や、店舗のキャンペーン実施などのマーケティング経験があればアピールポイントになります。「各スタッフの長所を活かした人材育成に取り組み、顧客のリピート率が向上し、店舗売上20%向上に貢献した」「休眠顧客へのキャンペーンハガキに自筆の一言を添えて送付したことで、ハガキによる来院が2倍になった」など、どんな取り組みをして、どういった結果が出たかを、できるだけ数値を示して具体的に記載しましょう。
飯塚伸之(株式会社BE NOBLE 代表取締役、法政大学経営大学院特任講師、MBA経営管理修士/キャリアコンサルタント、鍼灸師、柔道整復師)
整形外科等の勤務経験を活かし、施術ビジネス(治療院・接骨院など)業界のコンサルティング事業と、企業・法人向けの健康経営コンサルティング事業および出張施術サービス(OFFICE CARE)事業を首都圏を中心として行っている。ほか、中小企業診断士、健康経営エキスパートアドバイザー、産業カウンセラーの資格も保有。HP:https://benoble.co.jp/