コミュ力養成講座 第22回「悪口を言う人」(企画:トキオ・ナレッジ 漫画:カマタミワ)
ベストセラーを多数生み出すクリエイティブユニット・トキオ・ナレッジと、大人気漫画家カマタミワさんによる新シリーズ。
人見知りや超体育会系、忙しぶる人など、迷惑まではいかないまでも、なんとなくコミュニケーションがとりづらい人たちっていますよね。そんな一筋縄ではいかない人たちともお近づきになれる攻略法をご紹介!
●今回の登場人物
好井亜里(すくい・あり)
22歳。彼氏いない歴=年齢の新卒OL。
人間観察が得意で、社会人になって改めて「いろんな人がいるんだなぁ」と思い悩み、コミュ障をこじらせ気味。それでも、社会人として「ちゃんとしなきゃ」と思っている。とりあえずの目標は「目指せ仲良し100人!」。
府万隆(ふまん・たかし)
悪口の多い先輩。30代。
第22回:悪口を言う人
①すぐに嫉妬する
②悪口で仲間意識を高めようとする
③ネガティブな思い込みが強い
④他人を下げて自分を認めたさせたがる
たまの悪口ならまだしも、毎日繰り返されると周りのモチベーションにも悪影響
今回のテーマは「悪口が多い人」。
たまの悪口なら聞き流したり、共感することもできますが、口を開けば悪口しか出ない人と一緒にいるのは気が滅入ってしまうものです。それが同じチームで毎日顔を合わせる人なら、もう大変。彼ら彼女たちのせいで仕事のパフォーマンスもモチベーションもダダ下がりです。
「無視すればいい」「近づかなかったらいい」「悪口をやめるよう注意すればいい」――それが実行できればよいのですが、前の2つは仕事に支障をきたすため現実的ではないでしょう。最後の1つも、相手は悪口を言う人ですから、やり方によっては攻撃対象が自分になってしまいます。そうなるとますます面倒になるので、やめておきましょう。
そもそもいったい何が、彼ら彼女たちをそうさせてしまうのでしょう?
彼らの根本にあるのは、「現状に満足していない」こと。
ですが、このタイプは「だから努力する」人と「悪口を言う」人に分かれます。その分かれ目は「自分に自信があるかないか」でしょう。
不満はあるけど、「自分には現状を変えることができない」という思い込み――そのはけぐちが悪口なのです。つまりはストレスの発散。それを踏まえて彼らの生態を見ていきましょう。
まずは「すぐに嫉妬する」について。
彼ら彼女たちは自分よりも楽しそう、幸せそうな人に対して常に嫉妬しています。とはいえ、プライドも高いので「悔しい!」「羨ましい!」と素直に言うことはありません。対象者の評価を貶めるような悪口で心のバランスを取ろうとするのです。
2つ目は「悪口で仲間意識を高めようとする」です。
彼ら彼女たちは社内でも孤立するタイプなので、常に悪口に共感してくれる人や、同じように悪口を言い合える仲間を探しています。その場のノリや口車に乗せることで悪口を言わせようとしますが、そそのかされてはいけません。
団結するために共通の敵を作る、というのは確かに有効かもしれませんが、同じ社内でするべきことではありません。仲良くなる方法は他にもあるはずです。
3つ目の「ネガティブな思い込みが強い」は根本的な原因に通じます。
自分に自信のないことが如実に表れた被害妄想ですが、本人が悪口を言うタイプなので、「他の人もきっと自分の悪口を言っているはず!」と思い込んでいます。勝手に妄想して敵意を持たれてしまうので、「何もしていないのに嫌われている気がする…」という場合は、この思い込みが発動しているのかもしれません。
最後の生態は、見ていて気の毒になるほど悲しいものです。
彼ら彼女たちには、褒められている人と自分を比較して、(自分的に)優位になれることを探すクセがあります。もちろん、「自信がないというネガティブさ」と「プライドの高さ」のバランスを取るためです。
当然、強引すぎる突然のマウンティングに、周りは愛想笑いしかできなくなってしまいます。結果、彼らはまたストレスを溜めて、別のところで「あいつら○△ばっかり、ちやほやしやがって。なんもわかってない!」と、悪口を撒き散らすことになるのです。
以上を踏まえたうえで、対処法を見ていきましょう。
1歩目:持ち上げる
2歩目:過剰に便乗する
3歩目:積極的に輪に入れる
4歩目:些細なことでも褒める
【解説】
褒める、持ち上げる、輪に誘うなどで、ネガティブな気持ちに蓋をするのが効果的
彼ら彼女たちの悪口を封印するには、その根本原因である「自信がない」&「現状に満足していない」という乾ききった心を潤してあげることが重要です。さまざまなシチュエーションで少しずつ、根本から改善していきましょう。
まず、「すぐに嫉妬する」に対しては、「嫉妬する必要なんてどこにもない」ことを理解してもらうのがベストです。嫉妬しているトピックを褒めて持ち上げることで、彼ら彼女たちの心は平穏を取り戻すことでしょう。
とはいえ、あからさまな褒めは禁物です。「同情されて慰められている」とさらに心を荒ませたり、「嫉妬してるのがバレた!」とプライドを傷つけてしまうことになりかねません。さりげなく、「つい出ちゃった!」くらいが本心っぽくてよいでしょう。
「悪口で仲間意識を高めようとする」への対処法は、相手を引かせることに尽きます。
彼ら彼女たちは所詮、悪口止まり。直接本人には言えない程度の小心者なので、不満があっても行動に移すことはありません。そんな人に「○△さんが そんなにムカついてるなら、俺いっちゃいましょうか? いきますよ!」と、イケイケアピールをしたら、必ず引きます。ドン引きます。「こいつアオったらやべー」となったら、悪口仲間に引き込まれることもなくなるでしょうし、あなたの前で悪口を言うこともなくなるでしょう。
「ネガティブな思い込みが強い」を封印するには、ネガティブな発想につながらない環境を作ることです。
こちらの様子を気にしてるなと思ったら、彼ら彼女たちを話の輪に誘ってみてください。被害妄想の種――不安を取り除けば、ネガティブな悪口は自然と減っていくはずです。
そして最後の「人と自分を比較する」について。
これはもう、どんな些細なことでも褒めちぎりましょう。人間、何かしら探せばどこかに褒めるところはあるものです。容姿、持ち物、ちょっとした言葉etc.――なんでもいいのです。
この作戦も、あからさまな賛辞はNGです。褒められ慣れていない彼ら彼女たちに、いきなり「仕事できますよね!」「めっちゃかっこいいし、おもしろいですよね!」と言ってみたところで、「何か裏があるな…」と、むしろネガティブを誘発してしまいます。さりげない褒めのジャブをコツコツ打って、少しずつ自分に自信をつけてもらいましょう。
いずれの対処法も、コツコツと続けることが大切です。「自分に自信をつけさせる」こと、そして「現状に満足させる」こと、この2つを心がけて接すれば結果は自ずとついてくることでしょう。
彼らから悪口どころか、人を褒める言葉が出るようになれば大成功です。褒めることで自分にも褒めが返ってくるwin-winな対処法、ぜひお試しください。
●漫画:カマタミワ
東京都在住。一人暮らし歴20年のイラストレーター・漫画家。ブログ『一人暮らしカマタミワの半径3メートルのカオス』が人気。livedoor blog公式ブロガー
HP: http://www.miwah.com/
twitter: @kamatamiwa
●最新著書
KADOKAWA 刊
1,100円(税込)
●構成・文:トキオ・ナレッジ
弁護士、放送作家、大手メーカー工場長、デザイナー、茶人、フリーライター、シンクタンクSE、イラストレーター、カメラマン、新聞記者、ノンキャリア官僚、フリーターらで構成される雑談集団。著書に『めんどうな女のトリセツ』のほか、『正しいブスのほめ方』『正しい太鼓のもち方』『スルーする技術』『盛り合わせを選んだらお店のカモ! 大人の経済学常識』など多数。
●最新著書
「イケメントレーナーpresents ずぼら女子のためのおとなキレイ養成講座」
2017年12月19日発売!
ジービー 刊
1,404円(税込)
https://www.amazon.co.jp/dp/4906993478/
●著書
宝島社 刊
1,296円(税込)
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。