塾講師バイトはきつい?やりがいは?時給や向いている人は?などを解説(体験談付)
「時給が高く稼げるバイト」として大学生に人気の塾講師バイト。でも、実際に仕事をしてみるとどうなのか、集団指導、個別指導、チューターバイトの経験者に本当のところを聞いてみました。また、塾講師バイトの時給や待遇、向いている人や求められる能力なども紹介します。
【目次】
塾講師バイトがきついと言われる理由
個別指導や集団指導に限らず、特定の生徒を受け持つ仕事のため、コミュニケーションの難しさや結果への期待を求められます。その分の責任感や、授業の準備や予習などがあることが、きついと言われる背景です。
一方、TA(チューター)は、塾講師と比較すると楽だと言われていますが、その理由は、あくまで生徒の指導ではなくサポートが主な仕事で、固定の担当を持つことがほとんどないことなどが挙げられます。
個別指導塾バイト
個別指導塾では、講師は生徒と1対1、あるいは数名を担当します。家庭教師と似ており、生徒の勉強を近くでサポートしながら教えていきます。教える内容は、教材が予め用意されている場合と、生徒が持ち込んだものを教える場合などがあり、比較的自由度が高く、一人ひとりにあった教え方をしていきます。
個別指導のきつい・大変なこと
個別指導の塾講師は、生徒との距離が近いため、担当する生徒の学年、相性、保護者への説明責任などが大変さを大きく左右します。
準備ための予習が大変
・自宅などで予習を行う必要があったので大変でした。手当や時給が発生しないため、少し理不尽に感じることもありました(22歳/大学3年生/女性)
生徒のやる気がないと進まない
・勉強が嫌いで、授業中に寝てしまう生徒のやる気の起こし方や改善策を考えることが非常に辛かったです(19歳/大学2年生/女性)
保護者とのコミュケーションが難しい
・生徒の成績が上がらないときなどに、保護者に責められることがありきつかったです(23歳/大学4年生/女性)
生徒の出席率に左右される
・毎回授業を休む生徒が一定数いることが大変でした。その生徒の授業に合わせて自分も出勤しているので、ドタキャンをされてしまって何もせずに帰宅したこともありました(22歳/大学4年生/女性)
個別指導のやりがい、良かったこと
生徒との距離の近さゆえ、1対1でのコミュニケーション力や、生徒の成長を目の前で感じるやりがいも感じられます。
生徒が勉強を好きになってくれると嬉しい
・成績が上がった生徒に先生のおかげと言われたときは、嬉しさとやりがいを感じました(21歳/大学3年生/女性)
コミュニケーションスキルやマナーが身に付く
・物事をわかりやすく説明する訓練ができたこと。また、マナーについて学ぶことができたこと。これらは将来、社会に出たときにも役立つと思います(21歳/大学3年生/女性)
自分の知識や経験が役立つ
・自分がこれまでに培ってきた知識を踏まえて生徒に教えることができたことがとても楽しかった。また、生徒の成績が上がったり、分かりやすくてもう一度教えてほしいと言われたりすることがあり、自分がいることの意義があったと思います(22歳/大学4年生/女性)
他大学の人との交流も持てる
・同じ大学でも学科や学部が違う学生たちが集まっていたり、他大学の人もたくさんいたので、友人が増えました(22歳/大学4年生/女性)
集団指導塾バイト
集団指導塾の講師は、複数の生徒の前で授業形式で指導していきます。生徒数は10人未満のような少人数クラスのところもあれば、大人数クラスを担当するところもあります。授業をカリキュラム通りに進めることを求められるため、指導の難易度も高く、予習や事前準備を行う必要があります。
集団指導のきつい・大変なこと
多ければ数十人の生徒全員を同時に指導し、理解してもらいながら予定通りに進めていくため、事前準備や簡単にシフト交代がしにくい点が大変なところです。また、生徒の集中力が保てるかも影響します。
授業の準備が大変
・授業の内容が決まっているわけではないので、いつも自分で考えていました。なかなか思いつかないときは大変でした(21歳/大学4年生/男性)
・授業プリントやテストの管理、過去問のチェック、テスト後の分析などをすべて自分で作成していました(20歳/大学2年生/女性)
生徒みんなを集中させるのが大変
・低学年の小学生は集中力が続かないことが多いので、静かな状態を保つのは大変でした(22歳/大学4年生/女性)
時間通りにいかないこともある
・受験期直前になると夜遅くまで生徒が質問してくるので、帰りが遅くなることや次の予定が狂うことがありました(22歳/大学4年生/男性)
保護者とのコミュケーションが難しい
・生徒の成績が下がったときは、生徒の顔を見るのが辛いことに加えて、保護者からのクレームも入るので精神的にきつかったです(21歳/大学4年生/女性)
集団指導のやりがい、良かったこと
集団指導は、多くの生徒の成長を見られたり、感謝される事が大きなやりがいと言えます。また、自身のコミュニケーション能力や人前で話す力も身に着きます。
人前で話すスキルが身に着いた
・人前で話すスキルと自信が身につきました。今までは恥ずかしくて人前で話せなかったのですが、このバイトで鍛えられました(21歳/大学4年生/女性)
多くの生徒との関わりが楽しい
・たくさんの生徒とか関わることができて、お話をするのが楽しかったです。また、生徒ができるようになったことを報告してくれるのも嬉しかったですし、自分の説明を納得してくれて理解してくれるのも嬉しいです(20歳/大学2年生/女性)
時給がよく、稼げた
・他バイトと比べると時給が高いことが多いので、短い時間で効率的に稼げました(19歳/大学1年生/男性)
自分の知識を総括して教えられることが楽しい
・自分の持っている語呂合わせや覚え方の知識を生徒に伝えられることが楽しかったです。それを理解し喜んでくれるところを見ると嬉しくなりました(19歳/大学1年生/女性)
TA(チューター)バイト
TA(チューター)の仕事は塾によって差があります。アシスタントとして授業に参加したり、自習室で質問に答えたりと、生徒と一緒に問題を解いたり、不安を解消したりする役割を担います。授業で使う教材の用意などの事務サポートを担当することもあります。その分、時給は塾講師ほどではないところが多いです。
TA(チューター)のきつい・大変なこと
生徒のフォローやアドバイスのほか、塾運営にかかわる事務的な業務もあるTAは、幅広い視点が必要になり、対応が大変なことも多くあります。
業務が多くて大変
・資料作りに追われることがありました。私は元々パソコンが得意ではなかったので、慣れないWordやExcel、パワーポイントなどを使う作業は大変でした(19歳/大学2年生/女性)
難しい質問が来た時の対応が大変
・学力が足りていないと思う場面が多かったです。難しい問題を質問されて答えられなかったときは、申し訳なさと無力さに気づき辛かったです(20歳/大学3年生/女性)
生徒のフォローが大変
・色々な生徒がいるため、それぞれにあった指導方法やペースを守らなければならないこと、生徒の気持ちを推察することに苦労しました(21歳/大学3年生/男性)
TA(チューター)のやりがい、良かったこと
生徒に関わるだけでなく、さまざまな仕事を経験できるTAは、コミュニケーション力だけでなく、事務スキルが身に着くこともあります。
最善の対応を考える力がついた
・生徒ごとに求めているものが違ったので、それをできるだけくみ取ってコミュニケーションをするスキルが身につきました(19歳/大学2年生/女性)
社会でのマナーが身に着いた
・パソコン作業や電話応対の機会が多かったので、ビジネスマナーを学ぶことができました(20歳/大学2年生/女性)
他大学の知り合いができた
・同世代の人が多いので、バイト終わりに食事をしたり休日に遊ぶ友達ができました(20歳/大学3年生/女性)
塾講師バイトの時給や待遇
塾講師は全体的に時給が高めですが、個別指導より集団指導のほうが難易度は高く、時給も高くなる傾向にあります。
集団指導の講師の募集内容を詳しく見てみると、小学生向けのプリントをメインで行う補習塾は比較的低く、受験向け指導塾は経験により時給3000円から高いところで4000円程度になることもあります。個別指導は、小学生向けは1200~1500円程度ですが、中学受験向けは時給2000円~という塾もあります。
塾講師の給与体系は、コマ数(授業数)に対してのみ支払われる場合や、授業時間とその他事務作業の時間で時給が違う場合など、塾によってさまざまです。塾によっては、勤務時間は長くても、思ったほど稼げないという声もあるので、授業以外にかかる準備や報告書作成、保護者対応などの事務作業の時間の給与がどうなるかは、面接時にきちんと確認しておきましょう。
塾講師に向いている人・向いていない人
一般的には、勉強が得意な人が塾講師には向いていますが、得意なことと教えることはまた別です。一定の学力は必要ですが、それよりも生徒がどこにつまずいているか、どう教えると理解してもらえるかを生徒の目線で考えられる人、生徒が楽しく勉強に取り組めるよう工夫できる人が向いているといえるでしょう。
塾講師は人前で話す仕事なので、話すことが苦手な人は難しいかもしれません。ただし、集団は無理でも1対1なら問題ないという人もいるので、自分に合った塾を選ぶのも一つの方法です。
塾講師に求められる学力や能力
生徒のレベルによってはある程度の学力が必要ですが、塾の方針や教える生徒によって求められる学力や能力は変わってきます。
大学受験向けならそれ相応のレベルが必要ですし、医大コースなら医大生限定、中学受験向けなら中学受験経験者が望ましいなど、塾によって条件が異なります。小学生向けの補習塾などは、学力より子どもに根気よく教えられるコミュニケーション能力を重視することもあります。
面接と同時に学力テストや適性検査を実施する塾が多く、学力テストは教える生徒の年齢や塾の特色により難易度が異なります。適正検査は仕事の姿勢や性格傾向を判断するものなどです。面接前にテスト内容やかかる時間を確認しておくのがいいでしょう。
まとめ
塾講師バイトは個別指導、集団指導ともに生徒や保護者とのコミュニケーションが必要で、その他にもさまざまなスキルが身に着く仕事です。先輩たちの体験談を見ながら、どちらが自分に向いているかを踏まえて挑戦してみてくださいね。
※更新履歴
2018年10月1日、2021年09月28日、2022年3月30日、2023年5月16日