塾講師のバイト面接で聞かれる質問、採用テスト、服装などを解説
比較的高時給で、短いシフトもある塾講師は大学生に人気のバイトです。採用テストがあるか、面接で何を聞かれたか、そしてその回答例をバイト経験のある大学生へのアンケート結果を基に紹介します。そのほか面接時の服装マナーなども解説します。
【目次】
塾講師バイト面接から採用までの流れ
面接と同時にテストがあるところが多い
塾講師のアルバイト採用試験は、面接と同日に筆記試験や適性検査など採用テストを行うところが多いです。そのため、面接当日に掛かる時間やテスト内容は事前に確認しておくといいでしょう。
面接で見られること
志望動機やシフトに関しての質疑応答などを行います。塾講師は生徒に、勉強をわかりやすく教えたり、分からない箇所を丁寧に聞き出すなど丁寧なコミュニケーションが必要になるため、面接では話す内容だけでなく、会話能力も見られるようです。
筆記試験の内容とは
学力テストや適性検査などがあり、実施内容は塾によって異なります。
学力テストは英語・国語・数学(算数)・理科・社会の中から、自分の得意科目をひとつまたは数科目選んで受けます。難易度は公立高校受験程度のところが多いようですが、塾の特色によって変わるので事前に確認しておくと安心です。
適性検査は仕事への姿勢や性格の傾向など、人柄を見るためのものです。採用・不採用を決めるためではなく、志向や生徒との相性などを見るのが目的なので、自分をよく見せようとして考えと違う答えを書くことは避けましょう。
塾の特徴によって重視ポイントは違う
受験対策を強みにしている塾では、講師の学力が重視される傾向にあります。一方、個別指導で生徒一人ひとりをしっかり見る塾では、学力よりも仕事への姿勢やコミュニケーション能力を見られる傾向にあります。また、集団指導クラスの場合は、指導希望の教科の模擬授業をテストする場合もあります。
塾講師バイト面接でよく聞かれる12の質問と答え方
大学生が経験した塾講師のバイト面接では自己紹介や志望動機、自己PR、シフトの希望、通勤時間や手段などについて聞かれます。詳しく回答例について見ていきましょう。
自己紹介をしてください
面接で「まずは簡単に自己紹介をしてください」と言われたら、氏名や大学名に加えて現在の専攻、得意科目などについて話すとよいでしょう。また、教えたい教科と、希望担当学年も伝えておくとその後の話がスムーズです。
<回答例>
「○○大学○○学部2年の○○○○(氏名)と申します。現在はイギリス文学を中心に学んでいます。得意科目は英語で、リーディング、リスニングともに自信があります。高校2~3年生を指導したいと考えていますが、中学生の内容も教えられると思います」
「○○大学理工学部の1年、○○○○(氏名)と申します。専攻は情報処理で、得意科目は数学です。私立・国立大学の受験経験があります。中学2〜3年生の数学を教えたいと思っていますが、高校生の内容も教えられると思います」
なぜ塾講師になろうと思ったのか
多くの塾で聞かれるのが、なぜ塾講師になろうと思ったのかという「志望動機」です。自分の経験から目指した、人に教えるのが好きだからなど、塾講師になろうと思った理由を事前に整理しておくとよいでしょう。ここでは3つの志望動機の例文を紹介します。
<回答例>
良い先生に出会った経験があったから
「大学受験の際に通っていた塾の先生の授業が大変分かりやすく、苦手だった英語の読解が得意になり、今でもTOEICの勉強を楽しく続けています。私も同じように生徒たちのそばで、将来に役立つ勉強のコツを伝えてあげたいと思っています」
教員を目指しているから
「子どものころから教員を目指しています。大学での勉強とバイトを両立しながら、塾講師の仕事を通して、指導経験を積みたいと考えています」
人に教えることが好きだから
「人に教えることが好きで、子どもたちの役に立ちたいと思い志望しました。苦手な部分を教科書通り教えるだけでなく、なぜその子が苦手意識を持っているのかを引き出すために、普段から積極的に会話をし、なんでも話してもらえる講師を目指したいと思っております」
なぜ当塾に応募したのか
たくさんの塾がある中で、なぜその塾に応募したのかを聞かれることもあります。
勤務場所や時給など条件面に惹かれたとしても、塾のどこに興味を持ったのかを考えておきましょう。例えば、個別指導や集団指導の違い、生徒の学年や受験対策や学習支援などの目的などにヒントがあります。
<回答例>
「小学生の頃こちらの塾に通っており、質の高い指導と生徒がつまずいたときの細やかなフォローに助けられ、第一希望の中学に合格しました。今度は私が御社に貢献できるよう頑張りたいと思います」
「個別指導塾ということで、生徒のレベルに合わせた授業を提供できることに魅力を感じました。私自身も高校、大学受験を経験していますので、その経験を活かして生徒に寄り添い、こちらの塾の方針でもあるどんな生徒にも丁寧に向き合うことを念頭に置いて、生徒のサポートをしたいと思います」
教えられる科目や教科
得意科目や受験の経験有無などから、教えられる生徒の学年や科目を答えます。背伸びはせず、正直に答えましょう。
<回答例>
「中学生の英語、数学は教えられると思います。また、高校生も数学なら共通テスト対策くらいのものなら教えられると思います」
「中学生と高校生の英語を教えたいと考えています。もともと英語は苦手だったのですが、塾に通ったことをきっかけに偏差値が伸び、得意科目になりました。自分も同じように生徒が苦手なポイントをわかりやすく教えたいと思っています」
「理系科目が得意なので、中学生の数学は教えらます。勉強が苦手な生徒にも寄り添って丁寧に教えたいと思います」
「大学受験で英語、国語、数学の3教科を勉強しました。文系学部ですが、文系と言われる英語、国語だけでなく、中学、高校レベルなら数学も教えることができます」
「大学で英語を専門に学んでいます。また、高校生のときに1年間カナダに留学した経験があり、文法、会話ともに英語は得意です。小学生から高校生まで幅広く教えることができると思います」
長所と短所は?
「長所と短所を教えてください」と聞かれたら、長所は「いろんな年代の人と話せる」「継続力や粘り強さ」「子どもが好き」など、塾講師のバイトに活かせる長所を選んで答えます。短所は、補い方も合わせて伝えられるものを選ぶのがポイントです。
<回答例>
「私の長所は社交的なところです。男女や年代問わず、会話することができます。短所は怒れないところです。先を考えずにチャレンジしてしまうところがあるので、最近は何かトライする前に必ず先を予測し、頭でシミュレーションをしてからトライするようにしています」
受験の経験有無について
受験については中学受験以降の受験経験を答えましょう。中学受験、高校受験、大学受験とそれぞれどのように取り組んだのか、その背景や経験を話せるとよいでしょう。
<回答例>
「中学受験と大学受験を経験しています。特に中学受験では、国語と算数の基礎をしっかりと学ぶことができ、その後の学びの土台となっています。また、目標から逆算して学んでいく手法は大学受験でも大変役立ちました」
「公立高校と、大学は国公立と私立の受験を経験しています。科目が多いため、授業内容をしっかりと理解し、コツコツと積み重ねることで、得意教科と不得意教科の差をなくすよう、意識して取り組んできました」
どんな先生になりたいか
理想があればそれを話して構いませんが、志望先の塾の理念を理解して話すようにしましょう。「生徒に丁寧に向き合う」「どんなレベルの生徒にも分かりやすく指導」など、塾の方針に合った回答ができると「なぜその塾なのか」も合わせて伝えることができ、印象がよくなります。
<回答例>
「小さな頃から人に何かを伝えたり、教えることが好きでした。塾講師としての経験はありませんが、人にわかりやすく伝える力はあると思います。どんな生徒にもわかるよう言葉をかみ砕き、わかりやすく生徒に教えられる講師になりたいと思います」
「5歳離れた妹に勉強を教えることが多かったのですが、数学を苦手としていた妹に教えることが最初はとても難しかったのを覚えています。教えるうちに、相手が何につまずいているのか、何が分からないのかを探ることが大事だと気付きました。採用されたら、生徒の目線で考え、適切なアドバイスができる講師を目指したいです」
「集団授業なので、メリハリをつけた授業を目指します。生徒と仲良くなりすぎるとだらけてしまうので、厳しい部分は残しつつ、生徒が楽しく成績を上げることを心掛けて指導したいと思います」
生徒が行き詰まった時、どう接するか
どんなに出来る生徒でも勉強に行き詰まることはあるものです。受験生は特に受験前にスランプに陥ることがあります。そんなとき、塾講師の存在は大きいものです。自分がしてもらってよかったことを思い出したり、こうして欲しかったということがあれば伝えるといいでしょう。
<回答例>
「どんな形でも勉強をする手を止めないよう指導します。数学で行き詰まったら、得意の科目の勉強時間を増やしたり、分かる単元を繰り返して凡ミスをなくすなどで自信をつけさせます。その上で行き詰まった単元に取り組むようにします」
「まずなぜ行き詰ったのか、何が原因かを探ります。原因がわかったら、同じような問題を繰り返し、自信がついたらステップアップしていくようにします」
採用になった場合、いつから働けるか
いつから働けるか無理のない範囲で答えます。すぐに働ける場合は、塾の都合にあわせて開始できる点が伝わると印象が良くなります。
<回答例>
「いつからでも可能です。ご都合にあわせて開始できます」
「現在のアルバイトが今月末に終わりますので、来月から勤務可能です」
週にどれくらい働けそうか
週何日程度、どの時間帯に入れるかを伝えます。希望を明確に伝えるのと同時に、お互いの都合によって柔軟に対応したいことを付け加えると良いです。
<回答例>
「週3~4日を希望しています。平日の16時以降でしたらいつでも可能です」
「水曜日と金曜日はサークル活動で入れないのですが、それ以外でしたら土日を含め夕方から入れます」
通勤時間・通勤手段は?
通勤時間や通勤手段は事前に調べて答えられるように準備します。自転車やバイクで通勤したい場合は、面接で確認してください。
<回答例>
「大学から電車で30分程度です。自宅からですと電車で10分になります」
「自宅から徒歩15分程度です。採用いただければ自転車で通勤したいと思っています」
最後に何か聞きたいことは?(逆質問)
面接の最後には、「何か質問がありますか?」と聞かれることがあります。何か確認したい事項があれば、ここで質問をしておきましょう。
塾によっては授業の準備に多くの時間がかかる場合があります。準備の時間がどのくらいかかるのか、その際の時給はどうなるのかなどは確認しておくといいでしょう。
仕事内容や勤務条件などに関して疑問がなければ、「特にありません」でOKです。
<回答例>
「知りたかったことはすべて説明していただいたので、質問はありません」
「授業の事前準備や事務作業は1日あたりどれくらいありますか?また、その際の時給はどうなりますでしょうか」
「(集団授業の場合)1クラス何人位でしょうか」
「個別指導ということですが、一度に何人くらいの生徒を担当するのでしょうか」
その他よく聞かれる質問や確認されること
そのほかにも、面接では以下のような質問や確認をされることがあります。
・夏季講習や冬期講習はどれくらい入れるか
・どこの教室勤務がいいか
・生徒や保護者とのコミュニケーションをうまくとれるか
・目標のための執着心や粘り強さがあるか
・他のバイトとの掛け持ち状況や、学業と両立できるかなど
シフトや勤務開始時期、希望の勤務場所(教室)は希望をそのまま答えればOKです。夏期講習など長期休みの勤務を打診された場合には、調整する姿勢を見せておくと印象がいいでしょう。
また、個別指導の場合には保護者とのコミュニケーションがあるケースも多く、うまく出来るか確認されることがあります。授業内容や生徒の弱点をどう補強するかなど説明する必要があるため、自信がない場合には「事前に紙に書いておくようにします」など、どうフォローするか伝えましょう。
また、途中で投げ出さずに責任を持って仕事が続けられるか、他のバイトとの掛け持ち状況なども聞かれる可能性もあるので、答えられるようにしておくと安心です。
塾講師バイトの面接の服装と持ち物
塾講師バイトの面接の服装
面接の服装は、塾によってはスーツで来るよう指定されたり、講師がスーツを着る塾なら、紺やグレーなど落ち着いた色のビジネススーツで行くとよいでしょう。
普段着で構わないと言われた場合でも、シャツにジャケットを合わせるか、ジャケットでなければ、襟のついたシンプルなシャツ(白・青などの無地)、首のあきすぎていないブラウスなど、きちんとした服装を心がけましょう。
スカートは、膝丈が落ち着いた印象になります。メイクは清潔感のあるナチュラルメイクに、髪が長ければ黒や茶、紺などの目立ちにくい色のヘアゴムなどでまとめましょう。
カバンはスーツに合うビジネスバッグが無難です。リュックは、黒など落ち着いた色のシンプル・きれいめのものならOKでしょう。
塾講師バイトの面接の持ち物
面接の際に持参するものは塾によって異なります。一般的には履歴書、筆記用具、メモ帳、スケジュールがわかるもの等が必要です。できれば面接前に確認することをおすすめします。
※更新履歴
2015年9月22日公開
2020年12月22日更新
2021年5月26日更新
2021年8月31日更新
2024年4月8日最終更新