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2023年06月27日

カレー沢薫の「バイト丸わかり図鑑」カラオケボックスバイト編

カレー沢 コラム タウンワークマガジン townwork一昔前まで「外での一人飯」は、一緒に飯を食う相手がいない孤独な人間のすることと思われていた。

そんなことはない、と反論できる材料が私にはなく、マジで一緒に食う相手がいなくて一人で食っているのだが、一人飯は孤独で侘しい行為であるという点に関しては「否」と自信を持って言える。

私が言わなくても、某孤独飯漫画の主人公が一人飯は「自由で救われた行為である」と提唱し、それは世の中に受け入れられている。
最近は最初から「一人焼肉」を想定した店もあるぐらいだ。

私も一人で飯を食うのが自由で好きなのである。
対面に人がいたら飯を食いながらソシャゲの周回ができないし、口に入るよりこぼす方の量が多いが、拾う、食う、こぼす、拾うのループで最終的に完食する独自のイートスタイルを展開することもできない。

もしかしたら、対面に人がいても割とそれをやりがちだから、一人で食う羽目になっているのかもしれないが、仮に一緒に食う相手がいても私は一人で食う方が好きだ。

飯だけに限らず、私は大概のことは一人でする方が好きだし、楽しいと感じる。
しかし、一つだけ例外がある。

それが「カラオケ」だ。

「1人カラオケ」は現在そんなに異質な趣味ではない、それこそひとカラ 専門店があるぐらいだ。私の性格上、1人カラオケも余裕で楽しめるだろう、と一度だけ一人カラオケに行ったことがある。

これが想像以上に楽しくなかった。
私は歌う行為よりも、それを人に聞かせることに楽しさを感じていたのだろうか。
もちろん、人の歌など誰も聞いていない、ほとんどが歌本やデンモクをいじっているか、カラオケ映像に出ている名もなき役者の人生に思いを馳せているかだ。
しかし、聞く気はなくても、鼓膜を取り外してカバンに入れてない限りは強制的に聞こえるはずである。
私にとっては歌うよりもそっちの方が重要だったのだろうか。

1人カラオケでスカっとするどころか、思いがけぬ自分の自意識に嫌な気分になってしまった。
しかし、私が1人カラオケを楽しめないのは、まだひとカラを楽しみきれていないからであり、むしろ無人であることをもっと謳歌すべきだと思った。

そんなわけで私は踊りくるいながら歌った。

何を歌ったかは覚えていないが、汗をたくさんかいたことは覚えている。
そして私は利用時間を消化することなくカラオケボックスを後にした、季節は12月、汗が冷えて寒かった。

私に1人カラオケを楽しむ才能がないとわかった苦い思い出だが、唯一救いがあるのは、踊りくるっている時に店員が入ってこなかったことである。

誰もが自分が歌っている時に店員が飲み物などを持ってきてちょっと気まずい感じになった経験があるだろう。
今回紹介するのはそんなボックス内に一時の静寂をもたらす使者、カラオケボックスバイトである。

 
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カラオケボックスバイトの業務は主にフロントキッチン、そしてホールに分かれる。

フロントは受付、利用時間や料金の説明、延長の確認、監視カメラの確認が主な業務となる。
キッチンは注文のあった飲み物や軽食を調理する仕事でフロントとキッチンは兼任する場合もあるらしい。

ホールは部屋案内、機器トラブル時の対応、注文があった飲食物を部屋まで運び、お客が退室後の部屋、廊下やホールの清掃などが主な業務である。

特にスキルは必要なく、未経験者可である場合が多いが、新人はホールにつけられることが多いらしい。

カラオケボックスは営業時間が長く、曜日や時間帯により、客層や忙しさがかなり変わってくるようである。

基本的に平日昼間は客数も少なく、客層も高齢者や主婦層が多いため、クソほどのフライドポテトやからあげを頼んだり、生ビールのピッチャーを3つ同時に頼むということもあまりない。
ただし高齢者ゆえにデンモクの使い方がどうしてもわからず、曲入力のたびに店員が呼ばれ、最終的に部屋内に待機する事態もあるかもしれないが、基本的にまったりしており、アルバイトも主婦層などが多いようだ。

だが、平日の夕方以降と土日は客も増え、かなり忙しくなるという。
飲食物の注文も多くなるので、大量の飲食物をオーダー通り部屋に運ぶという、居酒屋的動きが必要になってくる。

特に夜中から深夜にかけては、飲み会の二次会としてカラオケボックスを訪れる客も多い
つまり酔っ払いとしてすでに「完成形」の状態で来店してくる客も多いということだ。
よって夜間のカラオケバイトには「酔客の相手」そして「トイレなどで酔客が生み出した何かの処理」などのミッションが追加されると思った方が良い。

業務内容は基本的に同じだが、平日昼間の方が比較的イージーモードと言えるかもしれない。

ただし高難易度ボーナスとして法律上22時から時給に深夜割増がつくので、難易度より効率を取りたい人は22時以降シフトを狙った方が良いだろう。

ちなみにカラオケバイト失敗談の中に「退室後と思って部屋に入ったらカップルがイチャついていて気まずかった」というのがあった。
変なタイミングで入ってしまった時、バイト側も気まずい思いをしているようである。

つまり、私が踊りくるっている最中、店員が入ってきていたら私にとってもトラウマだが、店員にとっても「まずった」経験として記憶されるのである。

今後カラオケで変なタイミングで店員に入られたとしても「痛み分け」として納得しようと思う。

 
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カレー沢薫
1982年生まれ。漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビュー。SNSでは“自虐の神”と崇められる人気作家。
Twitter: @rosia29
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