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2023年04月25日

カレー沢薫の「バイト丸わかり図鑑」居酒屋バイト編

カレー沢 コラム タウンワークマガジン townwork「そろそろ久しぶりにお会いしたいですね」

担当にそう言われることが増えてきたが、全てフルシカトして「原稿送ります」という業務連絡のみを返す日々だ。

私は「広島と福岡にフックをかけることで沈没を免れている」でおなじみの実質孤島に住んでいるため、自ずと担当に会う=上京するになってしまう。
しかしご時世的に上京が憚られるようになってしまったため、ここ数年東京へは行ってないし担当にも会っていない。

それですごく困ったことがあったかというと特にないのである。
確かに取材であれば現地に行くべきだと思う。
しかし、ただの打ち合わせであれば直接会う意味などなく、こちらの舌打ちを生音で聞かせられる以外の利点が思いつかない。

よって「肩パン」など、直接会わなければできない用が発生しない限り担当に会うつもりはないのだが、担当に会わなくなったことで、貧乏ゆすりと歯ぎしり、そしてもう一つなくなったことがある。

それが「飲酒」だ。
私には会社や友人との飲み会がないので飲酒はもっぱら担当との打ち合わせ後の会食のみであった。
しかも私は酒の味が好きなわけではなく、担当の声がまともに耳に入らないようにする酩酊目的で飲酒していたため、担当に会わなくなってから飲酒する意味がなくなってしまったのだ。

つまり担当に会わない方があらゆる意味で健康的なので、今後もあらゆる理由をつけて会わないつもりだ。

しかし、世間的にはマスク着用も自己判断になり、そろそろ酒宴も解禁という雰囲気である。

そう思ってノーマスクでスーパーに行ったら誇張ではなく私以外全員マスクをつけていたので世間というのは本当に恐ろしい。
世の中で言う「自己判断」は「周囲の動向を見計らった上で自分で判断しろ」という意味であり、ホウレンソウなしのノーヒントでガチの独断を下せ、という意味ではないので注意が必要だ。
我が村では夏に成人式が行われるので、周りが示し合わせて浴衣を着ている中、1人リクルートスーツだったことを思い出した。

よって、そろそろOKと思っていきなり大規模酒宴を開いたら、その様をSNSに晒される恐れがあるが、ぼちぼち飲み会も増え、同時に「居酒屋バイト」の募集も増えてくるだろう、そしてこれが今回のテーマだ。

 
気になる居酒屋(ホール)バイトは
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居酒屋バイトで募集されているのは、主にホールキッチンである。

ホールはまず席案内と注文聞き、そして注文された品を席まで運び、お客の退店後は席の片づけ、開店準備や閉店業務などが主な仕事だ。

キッチンは飲み物作成、簡単な調理、食器洗いなどを担当する。

基本的にやることは他の飲食店アルバイトと同じであり、営業は夜が多いがランチをやっている店もあるため、働いている年齢層も幅広い。
意外にも「高校生OK」な店も多く、初めてのバイトは居酒屋という者もめずらしくないようだ。
確かに、20歳未満の飲酒は禁じられているが、20歳未満が酒を運ぶのは違法ではない。

だが生放送のテレビ番組などでも22時を過ぎれば画面から若者が消え、急に平均年齢が上がるように、18歳未満は22時以降の労働が禁じられているため、自ずと22時までのシフトとなる。

ただやることは同じと言っても、やはりファストフード店やファミレスと居酒屋のバイトは趣が大分違うという。

まず、居酒屋は客が長居をすることが多く、何回もオーダーを聞いたり注文の品を運びに行ったりしなければいけないし、団体客も珍しくない。
よってお客を待たせたりオーダーミスが発生しないよう他のホールバイトやキッチンとの連携がより大事になってくる。

しかし最大の違いはやはり「酒」である。

ファミレスでもボトルワインで本格的な「飲み」に入る玄人客もいるようだが、居酒屋に比べれば少数派だ。

酒に罪はなく、酒がドラマを起こすわけではない。
ただ酒が人間をドラマティックにしてしまうことは否めない。

つまり居酒屋は「酔客」を相手にする仕事である。
よって、酒によりドラマティックが止まらなくなったお客様に必要以上に話しかけられるなどの修行が発生しないとは言い切れない。

そういう意味では居酒屋バイトは他の飲食店よりハイレベルな接客業と言える。
だが逆に「おもしれえお客様」と、乙女ゲーに出てくるイケメンのようなメンタルを持てるなら、居酒屋は「人間」を学ぶのに最適な場所になるという。

実際居酒屋バイト経験者は「居酒屋バイト中に会った破天荒な客」というすべらない話を持っていることが多く、話のレパートリーは確実に増えると言って良いだろう。

ただ酔客はチャーミングと思えても、それらが発生させたものはさすがに可愛く思えないという。
居酒屋ドラマが起こるのはホール内だけではない「トイレ」でも人知れず、酒と泪、そしてここでは書けないものが流れ続けているのである。

便器という枠をも超えかねないスペクタクルドラマが起こってしまった際のトイレ掃除はなかなか厳しいらしい

しかし、この高齢化社会、他人のスペクタクル処理に慣れておいて損はないだろう。

私も今は酒をやらないが、飲んでいた時は何故かカバンで便所の水を汲んでいたり、便所の個室に2時間籠城したりと、便所でドラマティックになっていた側である。

こんな人間の相手はしたくないと思うかもしれないが。
酒、そして酒を飲んだ人間がどうなるかを金を貰いながら間近で学べるアルバイトはなかなかないだろう。

 
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カレー沢薫
1982年生まれ。漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビュー。SNSでは“自虐の神”と崇められる人気作家。
Twitter: @rosia29
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