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2023年03月28日

カレー沢薫の「バイト丸わかり図鑑」コンカフェバイト編

カレー沢 コラム タウンワークマガジン townwork日本で「メイドカフェ」がブームになったのはもう20年近く前のことになるが、メイドと聞くたびに思い出すことがある。

ニュースでメイドカフェについて特集されていたのだが、メイドカフェブームにより「メイド志望」が増えすぎてしまい、なかなか採用されず、ついには「無償」でいいから働かせてくれ、という者まで現れはじめたという。

そんなフリーメイドが存在する店舗の取材がされていたのだが、その店は給仕だけでなく、メイドが客にマッサージをするサービスも行っており、顔にモザイクをかけられたボランティアメイドが男性客の足をマッサージしながら「人にご奉仕するのが大好きなんです!」とインタビューに答えていた。

メイドという言葉を聞くたびに、あの子は今元気だろうかと思いだす。
タダでもいいからメイドになりたいという心意気や良しだが、奉仕に対して給料をもらってこその「メイド」という職業なのではないか、無償だったらただの「世話好きな人」になってしまう。
やはり労働に対して「タダでも良いから」は禁句であり、そんなことを言うと「やる気」の匂いを嗅ぎつけたやりがい搾取の方が「君みたいな人を待っていた!」と言いながら、労基の顔が青紫になる案件を持ってやってくる。
せっかくのやる気を悪用されてはもったいない、例え好きでやっていることでもそれが労働なら賃金はもらうべきである。

私も今まで肉を切らせて骨まで断たれて一挙両損みたいな仕事に幾度となく遭遇してきた、たまには、好きなことをやって金までもらえたという仕事が存在しても良いはずだ。

そんな「好きを仕事にする」が実現するかもしれないのが今回紹介する「コンカフェバイト」である。

 
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「コンカフェ」とは「コンセプトカフェ」の略だ。
現在「〇〇カフェ」は「〇〇女子」ぐらい乱立してしまっているため、テーマがあるカフェのことを「コンセプトカフェ」と総称するようになった。

よって「コンカフェ」と一言で言っても業態はさまざまだ、コンカフェ=メイドや萌え系アニメキャラのコスプレ喫茶だと思い込んでいると、軍服を着せられ匍匐前進でコーヒーを運ぶことになりかねない。

ただ、メイドも軍服も店員がテーマに合わせて衣装を着る「コスプレ系」に分類される。
現在はメイドや執事だけでなく、巫女やナース、忍者など様々なコンカフェがある「鎖帷子を一度着てみたかった」など、好きな衣装を着ながら働くことができる。

ただ格好だけではなく「らしさ」のある接客を求められることはある。
忍者がどういう口調で喋っていたかは定かでないが「とりまコーヒーでいいっすか?」とは言わないはずである。
また客層もそのジャンルが好きな人が来るはずである、甲賀忍者カフェに伊賀の者が偵察に来ることもあるかもしれないが、どちらにしても忍者知識に長けた客が来る可能性が高く、忍者トークをふられることもあるだろう。
そんなときに「仕事でこういう格好しているだけでござる」などと言ってしまったら客も興醒めだ。

逆に言えば自分の得意分野の知識を生かせる仕事ということでもある。
ただし、コンカフェはキャバクラのように店員が客の卓に座り接客をする場ではない
むしろ、そのような行為は禁止であり、店員がキャバクラ的接客をしたかどでコンカフェが摘発されたこともあるらしい。

よって立ち話レベルの会話には付き合う必要はあっても、座って一緒に話そうと言われたら断っていいので、そこまでトークスキルは求められない
逆に客と話が盛り上がりすぎて、腰を据えて話し込まないよう注意する必要もある。

次に、キャラ系、コラボ系のカフェだ。
これは「コラボカフェ」と呼ばれることが多く、期間限定でキャラクターをテーマにしたメニューやグッズ販売をする。
店員がコスプレをすることはあまりなく、平常時のカフェの制服にコラボカフェグッズを身に着ける程度である。

僭越ながら私も自分のコラボカフェをやったことがあるのだが、店員は私の作品のことを一切知らず、作品名すら覚えることなく「なんか猫のやつカフェ」と呼び、用意された謎のTシャツを着て用意されたメニューを運んでいただけだったようなので、必ずしもコラボ作品に詳しい必要はない
何せ期間限定なので、いちいちコラボ先のことを勉強するのは大変だし、期間限定ゆえに常連もそんなに発生しないので、お客に話しかけられることもそんなにないと思われる。
ただし、私のコラボカフェでは「終了後に秒でTシャツがメノレカリに出される」というハプニングが起こり問題になったので「いらなくても支給品を転売するな」とだけは言っておきたい、店の信用問題になってしまう。

そして、トレカやボードゲームなどを扱う文化系カフェもある。
昔から私のようなタイプにとって「一緒にやる人間がいない」というのは大きな問題であった。
テレビゲーム系はネットの登場により問題がかなり解消されたが、アナログ系になるとお手上げである。
そんな時これらのコンセプトカフェに行けば同じような同好の士に会えるかもしれないという画期的なカフェだ。

ゲームについて尋ねられることもあるだろうが、プレイが始まれば客はそちらに熱中し店員に用どころか、視界からも消えると思われるので、主な業務は飲食物の提供と後片付けになる。

このように、自分の好きや知識、やりたいを生かせるかもしれないのがコンカフェバイトだ。
今はさまざまなコンカフェがあるので「多足動物カフェ」など自分が詳しい分野のカフェを逆引きしてみても良いかもしれない。

しかし、そのジャンルが好きで詳しくなければダメというわけではない、支給された物を身に着け、カフェ店員としての業務ができていれば問題はない

私のコラボカフェがその証明だ。

 
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カレー沢薫
1982年生まれ。漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビュー。SNSでは“自虐の神”と崇められる人気作家。
Twitter: @rosia29
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