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2024年04月23日

カレー沢薫の「バイト丸わかり図鑑」おしゃれカフェのバイト編

カレー沢 コラム タウンワークマガジン townwork

今回は前フリなしでテーマとなるバイトを発表する。

おしゃれカフェ

いつになくイメージ先行型なバ先だが、まず「おしゃれカフェ」とはどんなカフェなのかというと、なんと依頼してきた側すら明確な定義を持っているわけでないようだ。
おしゃれカフェの求人を探す前に「俺は一体どこで働こうとしているのか」を探すという斬新な構成である。

すでに「おしゃれカフェ」と聞いた時点で「応募見送り」という言葉が浮かんだので、私のようなダサ坊がひるむタイプのカフェという大きなヒントを手に入れてはいる。
だが、これはひっかけであり、ダサの字は「おしゃれカフェ」という字面を見ただけで確かにビビるが、そもそも自分でおしゃれカフェと名乗っている店はおしゃれ度大幅ダウンな気がする。

よって「おしゃれ カフェ 求人」で出て来たカフェが本当に希望通りのおしゃれカフェなのかは不明だ。
そんなワードでググってしまっている時点でおしゃれカフェでのバイトは向いていないような気もする。

「おしゃれ」から考え出すと迷宮入りするので、まず「カフェ」の方から定義しよう。
カフェとはコーヒーなどのドリンク類と軽食を提供する飲食店のことを指す、どれだけオシャレでも、メニューが牛丼と牛丼(大)だけなら、そこはおしゃれな牛丼屋だ。

よって、おしゃれカフェと言えど業務は他のカフェと大差なく、ホールの接客、配膳、清掃、キッチンであれば調理補助や調理が主な業務となり、特にスキルや資格は不要であり、未経験でもそこまで問題はないだろう。

やはり問題は「おしゃれ」だが、おしゃれを定義することは不可能なので、逆に「おしゃれカフェじゃないカフェ」を想像してみよう。

おしゃれカフェの逆は、「ダサいカフェ」ではない。
むしろ「ダサさ」をコンセプトにデザインされ、選りすぐりのダサい店員を配置しているなら、それはもはやおしゃれカフェだろう。

つまり、おしゃれとは「個性」なのではないか。
入りやすく、どこの店舗に入っても同品質高クオリティのものが出て来る、安定感を提供するのがチェーンカフェだとしたら、おしゃれカフェは、ここにしかなさそうな佇まいに、ここでしか飲食でしきなさそうメニューを出してきそうなカフェなのではないか。

だが、ここにしかない、と言っても個人経営カフェなら全ておしゃれカフェというわけではないだろう。
統一性のない店内に、店員なのか常連なのか判別つきかねる店主がカウンター席で新聞を読んでおり「チン」という謎の音とともに、ほぐしてない長方形のパスタが現れるのはおしゃれカフェではなく、ただのワンオペカフェだ。

個人経営でも企業経営でも、環境や内装、コーヒーなどに何かしらこだわりを持っており、オーナーの志向が強く表れているのがおしゃれカフェである。
さらに雑誌の「行ってみたいおしゃれなカフェ特集」など、他薦で「おしゃれカフェ」と呼ばれていれば、間違いなくおしゃれカフェと言っていいだろう。

だが、大衆雑誌が勧めるおしゃれを鵜呑みにしている時点でおしゃれじゃない気がしてきた、自分の感性で選んだものこそが本当のおしゃれだろう。

よって、ドリンクと軽食を提供していて、自分が「おしゃれだ」と感じたなら、例え腐海に半分飲み込まれていてもそこはおしゃれカフェなのではないか。

このままだと「彼女と別れたあと缶コーヒーを飲みながら家路についた19歳の俺が一番おしゃれだった」みたいな話になりそうなので、とりあえず「何らかのこだわりを持ったイイ雰囲気のカフェ」というイメージで良いのではないかと思う。

ではそのようなおしゃれカフェで働くにはどうしたらよいのだろうか。

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まず「おしゃれカフェで働きたい」という人の中にはすでに「このカフェで働きたい」という店が決まっている人もいると思う。
その場合は、店のHPやSNSをチェックし求人があれば応募すればよい。

まだ「おしゃれなカフェで働きたい」という初期衝動しかない人は、まずSNSのタグ検索や、雑誌、働きたいエリアを歩いてみるなどして、自分のイメージ通りのおしゃれカフェを見つけ、見つかったら同じく店のHPなどで求人がないか調べる。
ちなみに言うまでもないがSNSはインスタをお勧めする、間違ってもXを使ってはいけない。

どちらにしても、おしゃれカフェが一般の求人誌に求人を出していることは少なく、募集があってもすぐに締め切られてしまうらしい、想像以上におしゃれカフェで働きたい人は多いのだ。
いつ募集が出るかはわからないので、働きたい店があるならこまめにSNSなどをチェックする必要がある。

やはりおしゃれな人というのは、素早く情報をキャッチするものなのだ、求人が出るのを待っていては、永遠におしゃれカフェでは働けない。

求人自体も少ないが、さらに倍率も高いようで、面接などを勝ち抜き採用されなければいけない。

基本的な接客能力とコミュ力、清潔感があるのはもちろんのこと、店の雰囲気にあわせ、仕事への意気込みや、運営企業やオーナーの理念に共感しているかも重要なアピールポイントだという。

飲食店はどこも人手不足と言うが、おしゃれカフェでのバイトはまだ売り手市場とはいかず採用が厳しい世界のようだ。
少ない求人、厳しい採用を潜り抜けておしゃれカフェで働くメリットは何かというと、やはり自分の好きな雰囲気の店で働けるという点だろう。
「職場に行くのが楽しみ」という仕事はなかなかレアである、足が鉛のように重くなるバイトよりはかなりいい。
また、バイト仲間は、同じくここで働きたいと志した同志なので、趣味が合うだろうし、おしゃれ意識も高いだろう、そんな仲間とさらにお互いを高めあうことができるかもしれない。
また、まかないがあれば、そのカフェが売りにしているこだわりのメニューを食べることができるかもしれない。

結局おしゃれカフェが何なのかははっきりわからなかったが、どちらにしても私には「浮く」というビジョンしか見えなかった。
字面を見ただけで「応募見送り」と判断した私はオシャレ力はゼロだが、自己分析力には優れていると思う。


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カレー沢薫
1982年生まれ。漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビュー。SNSでは“自虐の神”と崇められる人気作家。
X(旧Twitter): @rosia29

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