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2023年08月22日

カレー沢薫の「バイト丸わかり図鑑」アパレル販売バイト編

カレー沢 コラム タウンワークマガジン townwork先日映画を見にショッピングモールに出かけたらテナントの服屋が閉店セールをやっていたので、スーパーハイエナチャンスと見て入店した。

そんなに買い物をするつもりはなかった、さすが閉店だけあって安い。
その結果、両手にハンガー付きの服を多数抱えて身動きが取れなくなっているマヌケになってしまった。
そこがサバンナだったらその隙を狙った敵に襲われ、780円の黄土色カットソーを奪われてしまっていたかもしれないが、幸いサバンナではなくイオソだったため、店員が颯爽と寄ってきてカゴを渡してくれた。

話しかけてくるアパレル店員というのは、ひとりでゆっくり見たい派からすれば天敵のようなもので、目的が服探しから、いかに店員に話しかけられないようにステルス物色するかというスネークになりがちだが、そこにないサイズや「これと同じデザインで色がもっと暗いやつはないか」を尋ねたいが尋ねられない時に声をかけてくれるなど、助けられることもある。

しかし、思えば店頭で服を買うのは久しぶりであり、最近はずっと通販で服を買っていた。
通販だと思っていたのと違ったり「サイズが合わない」という失敗が起こりがちである。
画面のモデルではなく自分が着るのだから思っていたのと違うのは当然であり、確かにまとめ買いしたパンツの布がSDGsすぎて半ケツを越えて八ケツぐらいで生活する羽目になることはあるが、店頭に行ってもパンツはさすがに試着させてくれない。

だが、通販で買ったがサイズや質感が合わずに全然着ていない服があるのも事実である。
やはり服は店頭で選んで、できれば試着した方が失敗が少なく、なかなか試着が言い出せないところに「試着しますか」と声がけしてくれる店員は救世主だ。

そんなわけで今回紹介するアルバイトは「アパレル販売バイト」だ。

 
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アパレル店員は社員というイメージだったが、意外とアルバイトも多いようだ。

アパレル販売バイトの業務はフロアでの接客、レジ、ストックの整理、品出し、清掃、タグづけなどがあるが「タグ付け急募」など業務ごとに分けて募集されていることは少なく、全て兼任と思った方が良いだろう。

これだけでも大変そうだが、アパレル販売バイトは他の接客バイトより接客が少なくて楽、という意見がある。
確かに、よほどファッションにこだわりニキ&ネキが集う店でなければ、店員と二人三脚で服を決めるということはあまりないし、私のように「極力話したくない」と思う客も多いだろう。
多くの客が、黙々と自分で選んで購入し、話しかけられるとしたら「試着」「サイズ」「これの黄土色はないか」など簡単なことが多く、ないものに対し「ここで作れ」など無茶なことを言いだす客も少ないため、客と接する機会はそこまで多くないという。

ただ、客に「メーカー」を尋ねられることもあるし、アパレル業界は商品の入れ替わりが激しく「ぽわぽわ素材」などふざけているかのような新語も毎年現れる。
また、同じ服でも「ジレ」「ベスト」「チョッキ」など時代とともに言い方が変化したりするので「パンツ売り場は?」と聞かれて「下着は2階です」と答えるレベルでは困ることも多い。

よって最初は服の種類やメーカー名や場所を覚えるのが大変だったという声もある、またアドバイスを求められることも皆無ではないので、最初からある程度ファッションに興味がある者の方が慣れやすいバイトといえるだろう。

ただ、服屋の中には自社製品のみを扱った量販店のように「むしろファッションに興味がない奴が一堂に会する店」もある。
そういった店で「このボトムに合うトップあるかな?」と聞かれることは稀であり、メーカーも覚える必要はない。
ただし量販店は客数が多いため、レジ業務や棚の整理など、他の服屋より「慌ただしさ」があるようだ。

そしてアパレル販売バイトのメリットと言えば「割引で商品を買える場合がある」という点だろう。
アパレル系と言えば「ノルマがあるのでは」と思うかもしれないが、少なくともバイトでノルマがキツかったという体験談はあまり聞かないし「ノルマなし」を求人に明記しているところもある。

ノルマなしで商品が安く買えるならかなり得である。
ファッションに興味がある人間にとってももちろん得だが、むしろ興味がない人間ほど「服に金をかけたくない」「法律と社会が許すなら全裸に服の絵を描いて暮らしたい」と思っているものだ。
ただし、元の単価が高い店だと割引されても普通に高いし、安いと思って却ってバイト代を無駄にする恐れはある。

また、無茶を言ってくる客よりも「無視」がツラいという意見もある。
私が店員に話しかけられないように服屋でメタルギアしているように「ひとりでゆっくり選ばせてくれ」という客は少なからずいる。

そのような客に話しかけた際あからさまに迷惑そうな顔をされたり、無視をされるのがメンタルにくるという。

どの程度客に声掛けするかは店の方針によると思うので、あらかじめ潜入捜査しておいてもよいかもしれない。
ただ、どれだけ客の邪魔にならぬよう逆に店員の方がソリッドしろ、という方針の店でも防犯上の理由などで声掛けをしなければいけない時もあるようだ。

つまり、店員も不要とわかっていながら仕方なく声をかけている場合も多いのだ。
こちらも無視などせず「んんっ…あっはい、別に」と一発で話しかけられたくないタイプだと相手に伝わるリアクションを心がけたいものだ。

 
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カレー沢薫
1982年生まれ。漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビュー。SNSでは“自虐の神”と崇められる人気作家。
Twitter: @rosia29
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