小澤廉インタビュー1 〜バトンでつなぐ「明日のつくり方」〜
―前回ゲストの黒羽麻璃央さんは一番嫌いな食べ物がグリンピースということで…「れんれんへ グリーンピース食べれる?or嫌いな食べ物は?」とのメッセージを預かっています
このちょっと、おちょくっている感じが麻璃央っぽいっすね(笑)。
グリンピースは…僕は全然食べられるし、グリンピースが食べられない方をちょっとお子様かな?と思う部分があるので(笑)。今日は麻璃央ちゃんの可愛いとこがわかっちゃったかなー。
僕が嫌いな食べ物だと、しいたけは匂いが苦手ですね。あとはウニとか牡蠣とかイクラとか、そういう高級といわれる海鮮がそんなに好きじゃなくって。
―打ち上げなどで海鮮が出されることもあるのでは?
そういう時はマグロと交換してもらいます。「俺のウニあげるからマグロちょうだい」みたいな感じで…結局、僕もまだ大人の味覚になれていないっていうね(笑)。
先輩方に助けてもらう立場から、後輩を助ける立場へ
―黒羽さんとは現在放送中のドラマ『男水!』でも共演されていますね
『男水!』では麻璃央くんを含め、若手の俳優が集まって合宿所に泊っていたのでワイワイと学生みたいな雰囲気でした。現場では結構、イジりイジられの合戦をやっていたんですよ。誰が一番面白いイジリをするかと。
僕の場合は鼻がうるさいんです。イビキじゃないんですけど、元々アレルギー性鼻炎を持っていて、寝るときに一時的に振動で鼻が鳴ってしまうんです。
で、その僕の鼻のうるささを、みんな「見つけた!」ってすごい勢いでイジってくるんです。「今日も、れん君のイビキ聞けるかな?」って。僕も「いや、イビキじゃねえから!」って返すような感じです(笑)。
本当、青春というか部活や修学旅行みたいな感覚を思い出しましたね。
―撮影中はみなさん身体づくりをされていたとお聞きしました。7人目ゲストの廣瀬智紀さんだけはすぐに筋トレを忘れてしまっていたらしいですが…
智紀くんは空き時間にケータリングばくばく食べてましたよ?(笑)身体づくりしているとかちょっと思えないくらい…「きのこの山とたけのこの里どっちが好き?」みたいなことをめっちゃ言ってました(笑)。
僕、智紀くんとは『ダイヤのA』と『私のホストちゃん』の舞台でも共演していたので、去年1年のうち8ヵ月間ずっと一緒だったんです。仲良くしてもらっていました。
智紀くんは意外にド天然なところがあるんです。僕も結構天然というか、よくまわりにツッコまれたりしているので、自分と似た空気を感じるのか目にかけてくれるんです。僕のことを弟みたいに接してくれます(笑)。
撮影や稽古の合間に僕のそばに来て、皆に聞こえない程度の声で「今のところ、こうしたほうがいいよ」って演技についてちょいちょいアドバイスをくれたりとか。優しくて頼りになるお兄ちゃん的な存在でした。
―先輩の俳優さんが後輩をフォローすることって、多いのでしょうか?
そうですね。たとえば舞台だとアクシデントにどう対処できるか、先輩後輩に限らず助け合いが大事になってくるんです。
でもやっぱり経歴の長い先輩は、稽古の段階から「何か起きたらこうしよう」ってすぐに対応できるように考えていてくださることが多いですね。
僕はわりとアクシデントを起こしちゃう側なんですよ。『ダイヤのA』の時も、走ってハケなきゃいけないところで盛大にビターンって転んでしまって。
その時は、高圧的な先輩の役を演じている葉山昴くんが、「お前何コケてんだよ!」って僕のことを追い出してくれました。和田琢磨くんも、すかさず笑いでフォローしてくれて、『別に転んでもよかったんだよ』っていう空気にしてくれたんです。まだまだ先輩方に助けてもらいながらやっていますね。
僕が転んだことは「なかったこと」にはならないですけど…。
もちろん僕らはいつも通りのことをやらないといけないんですけど、そういうアクシデントは映像にはない舞台ならではのナマモノな部分かなって思います。アクシデントをカバーしてシーンを繋げていくことが楽しめるかどうか。それは役者側の力量をみることにもなるんだと思います。
僕はまだ学ぶことの多い立場ですけど、最近は僕よりも全然経験の浅い新人が入ってきて逆にフォローする立場にもなったりしています。自分の成長を感じるとともに、後輩を助ける立場になってしまったんだなと自覚しているところです。
昔は人を寄せ付けない雰囲気を出していた
―廣瀬さんのように後輩にアドバイスされたりするんですね
やっぱり真面目に取り組んでいる後輩がいたら「教えてあげなきゃ」って思います。
僕も新人というか演技のイロハもわかっていなかった時期は、先輩に「教えてあげたい」って思ってもらえるように、とにかく頑張る姿勢だけはずっと見せていましたから。
実は僕、この業界に入る前はプライドの塊で、ギラギラとしていて人を寄せ付けない雰囲気を出していたんです(笑)。自分ができないってことを認めたくなかったんでしょうね。できてないのに俺はできるみたいに思っていました。
でもこの業界に入って、変なプライドがなくなって精神的にも大人になれたっていうか…。それを教えてくれたのもこの業界の先輩方です。
おかげで今は冷静に「自分のできないことはこれだ、だからこれをしないといけない」って、自己分析ができるようになりましたよね。人の意見を聞いたり、素直に教えてもらいたいと思える分、成長できるようになったと思います。
あと、自分でいうのもあれなんですけど、周りの人が僕に対して接しやすくなったのかなって思います。僕自身今はイジられるのも楽しいって思えるし、その方が場も和みますよね。
昔のままじゃ、今みたいに「イビキだ」ってイジられて仲良くなることもなかったと思う。だいぶ生き方が楽になりました(笑)。
素直に教えてもらいたいと思えるようになったと語る小澤さん。素敵な先輩方との出会いが、俳優だけでなく人としての成長にも大きく影響しているのでしょうね。さて次回は、アルバイトをしていた大学生の頃のお話。どうぞお楽しみに!
★次回掲載は2月9日(木)を予定。乞うご期待!
小澤 廉 Ren Ozawa
1991年8月12日、神奈川県生まれ。2013年テレビ朝日『仮面ライダー鎧武』で俳優デビュー。
2016年ミュージカル『薄桜鬼』藤堂平助役で初舞台を経験。以降、TV、舞台を中心に活動中。
主な出演作品は、舞台『ダイヤのA』シリーズ主演:沢村栄純役、舞台『FAIRY TAIL』リオン・バスティア役、舞台『おそ松さん on STAGE~SIX MEN’S SHOW TIME~』十四松役、舞台『あんさんぶるスターズ!』主演:明星スバル役ほか。ダンスボーカルユニット『B2takes!』メンバーとしても活動中。
2017年1月22日よりレギュラーキャストとして日本テレビ系ドラマ『男水!』に平 光希役として出演中。
公式Twitter:https://twitter.com/occult_box
公式ブログ:http://ameblo.jp/a-s-ren
B2takes!公式サイト:http://b2takes.com/
撮影:田形千紘
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