看護師の職務経歴書の書き方と見本
看護師の仕事とは
看護師は、医師の診察・指示のもと、患者の援助や看護にあたります。医療機関の規模によって求められるスキルは異なりますが、患者に寄り添う役割に変わりありません。どの現場でも、医療・看護の専門知識、コミュニケーション力、観察力、時間管理などが求められます。規模感でいえば、小規模では、院長、スタッフ、患者との距離が近いので、より細やかなコミュニケーション力を、中規模では、独自の理念や業務の在り方がさまざまなので、柔軟な思考や適応力を、大規模では、配置転換があるので、学習意欲、モチベーションが高い人が求められる傾向にあります。ここでは、職務経歴書の書き方のコツと見本(サンプル)をお伝えします。
職務経歴書の書き方のコツ
看護レベルをアピールできた経験と実績を記載する
病院・クリニックの規模、具体的な業務内容とその期間、所属委員、指導経験があればその期間なども記載しましょう。ほかにも、看護協会の研修参加、クリニカルラダーなどを記載することで、採用側は看護レベルや経験を把握することができます。施設の立ち上げに関わった、看護の日の地域イベントに○年間関わっていた、などの具体的な実績もアピールポイントになります。もし、看護研究、学会発表、看護雑誌掲載などの経験があれば記載しましょう。
丁寧なコミュニケーション力が重要
医師や他の看護師、ほかさまざまな医療従事者に対して、情報共有と報告は確実にできなければなりません。「早期発見、早期報告を常に心がけて業務にあたっています」など、コミュニケーションで意識していることがあれば記載しましょう。人間関係を良好に築けることをアピールするのもよいです。例えば、「以前の職場では、人間関係も良好でした。お互いが協力し合い、尊重し合える関係を大切にしています」など、自分の強みを記載しましょう。
医療現場で求められるスキルを具体的にアピール
医療の現場では、観察力や判断力があり、タイムマネジメントができる人が求められるため、これらに関するスキルをエピソードとともにアピールすると効果的です。例えば、「救急医療を5年間経験し、搬入された患者の状態を観察し、即座に判断することの大切さを学びました」「学生のときから時間管理が得意で、以前の職場でも時間内に業務を終えていました」など、採用側がイメージしやすい言葉で記載しましょう。
看護師で役立つ資格
・専門看護師
・介護支援専門員
看護師免許は必須です。上記のほかにも、カウンセリングやコーチングの資格も役立ちます。アロマテラピー、フットケア等の資格は、クリニック、精神科、緩和ケア、婦人科系でニーズが高い傾向があります。有資格は、知識量だけでなく学習意欲があるとみなされるのでアピールしましょう。
看護師の職務経歴書の見本(サンプル)
田雲花子(氏名)
■職務要約
これまで〇〇〇〇病院で一般内科病棟x年間、泌尿器科病棟x年間、計6年間看護師として看護業務を経験してまいりました。
■職務経歴
医療法人〇〇会 〇〇〇〇病院(病床数:計〇〇〇床) 20xx年xx月〜現在
事業内容:一般内科・脳神経内科・消化器内科・循環器内科・外科・泌尿器科・脳神経外科・整形外科
雇用形態:正職員(常勤 二交代制)
【職務内容】
20xx年xx月 〜 20xx年xx月 一般内科病棟(病床数:x床)
主に糖尿病患者の看護、健康管理(退院指導、インシュリン・内服管理等)を行いました。
20xx年xx月 〜 20xx年xx月 泌尿器科病棟(病床数:x床)
主に泌尿器科手術目的患者の看護、健康管理(退院指導、ストーマ管理、自己導尿指導等)を行いました
【所属委員会】
衛生委員会、医療安全管理委員会
■保有資格
・看護師免許(20XX年XX月)
・普通自動車第一種運転免許(20XX年XX月)
■自己PR
【実践してきたこと】
早期発見、早期報告を常に心がけて業務にあたっています。お互いが協力し合い、尊重し合える関係を大切にしており、同僚と気軽に会話できるよう挨拶を怠らず、常に明るい気持ちで取り組んできました。病棟には手術前で不安を抱える患者様も多いため、会話にも細心の注意を払い、安心して治療に臨んでいただけるよう声かけを行っております。
【実績・成果】
・20XX年から毎年、看護の日の地域イベントに関わっております。
・就職して3年目の事例研究を院内発表しました(若年性糖尿病疾患の職場復帰に関する退院支援について)。
・看護協会の災害支援ナース育成研修プログラム、新人看護職員臨床研修などを受講しました。
・クリニカルラダーⅣで、院内研修を受けてきました。
・時間管理が得意であり、緊急時以外は基本的に時間内に業務を終えています。
看護師の職務経歴書(サンプル)をダウンロード
看護師から未経験の仕事へ転職したい場合は?
免許取得後に他の仕事に就いた人や、社会人から看護師を目指した人など、看護師の仕事が未経験の場合、職務経歴書の「自己PR」に、転職希望先で役に立ちそうな経験やスキルを書きましょう。例えば、体調管理や日常生活支援の経験は介護・福祉関連の職種でもアピールになります。看護師の経験はさまざまな仕事で活かすことができますので、看護師として身につけたスキルや経験を他の職種でどのように活かせるかを考えましょう。
まとめ
医療・看護の専門知識とともに、コミュニケーション力が備わっていることをアピールしましょう。さまざまな資格を持っていることは、知識量があるだけでなく意欲があることにもつながるので、すべて記載するとよいです。看護師は、担当する診療科・部門や業務形態によっても、求められるスキルが変わってきます。なるべく、志望先のニーズに沿った形で自己アピールできるとよいでしょう。
平井妙子(ウィングシード株式会社 代表取締役、キャリアコンサルタント、米国NLP協会認定NLPトレーナー)
NLPトレーナー、キャリアコンサルタントとして、九州、山口を中心に活動。職場の人間関係、ストレスケアに役立つテーマを得意とし、研修、講演、セミナー、カウンセリング、コーチングを行っている。看護師歴20年 講師歴12年。著書(電子書籍)『気持ちの切りかえ方がわかる本: 1万人を見てきた、心の専門家が教える、実践心理学16の技法』。ブログ「輝く人生導場【幸導塾】」、YouTubeチャンネル「平井妙子幸導塾」を更新中。
【HP】ウィングシード株式会社 https://www.wingseed.jp/