スマートフォン用サイトを表示

アルバイトや転職に役立つ情報が満載!最新のお仕事ニュースなら【タウンワークマガジン】

2019年03月15日

小澤廉さん(舞台「劇団シャイニングfromうたの☆プリンスさまっ♪『Pirates of the Frontier』」イッキ役)インタビュー【この役のために僕がしたこと vol.3】

小澤廉 劇団シャイニング うたの☆プリンスさまっ♪ Pirates of the Frontier 品川プリンスステラボール 舞台俳優 2.5次元 俳優 イッキ バイト タウンワーク

アニメ・漫画・ゲームなどの人気原作のキャラクターを舞台やミュージカルで再現する人気俳優たち。彼らは現実には実在しないキャラクターを具現化するためにどういった努力を重ねているのか。この企画では、毎回話題の作品にフィーチャーし、役を作り上げるまでの思いや取り組みについて、役者本人に伺います。

ゲームからアニメ、イベントなど様々なメディアミックスで人気のコンテンツ「うたの☆プリンスさまっ♪」が、劇団をテーマに展開する舞台公演プロジェクト「劇団シャイニング」。その最新作「Pirates of the Frontier」で主人公を演じる小澤廉さん。イッキという役柄をどのように構築していったのか、その裏側を稽古場にて伺いました。

「Pirates of the Frontier」が一番よかったと言われたい

小澤廉 劇団シャイニング うたの☆プリンスさまっ♪ Pirates of the Frontier 品川プリンスステラボール 舞台俳優 2.5次元 俳優 イッキ バイト タウンワーク
――まずは、出演が決まった時の感想から聞かせてください。

劇団シャイニングへの参加は、旗揚げ作品の「天下無敵の忍び道」で音也衛門という役を演じて以来、2作目となります。劇団シャイニングの面白さって、劇団内の違う作品に出演していた人たちと、また新たな作品で一緒にお芝居ができることだと思うんです。例えるなら、文化祭の出しもので野球部のエースとサッカー部のエースが一緒になって一つの作品をつくり上げるような不思議な感覚。「JOKER TRAP」に出演していた(小波津)亜廉や(菊池)修司くんと共演することでまた新鮮な気持ちになれますし、やるからにはこれまでのラインナップの中で「Pirates…」が一番よかったと言われたいです。

――互いに切磋琢磨していくんですね。今回はどんな役柄を演じるんですか?

イッキという少年で、まっすぐで嘘のない性格の持ち主です。大人っぽい人たちに囲まれているから余計子どもっぽく見えると思うんですけど、イッキがもつ底抜けの明るさに惹かれて仲間たちが集まってくるので、きっと太陽のような存在なんじゃないかな。

――小澤さんにピッタリの役柄ですね。演じるうえでポイントになりそうなのはどんなことですか?

イッキは、母親を亡くしたことに対して平静を装いながらも、実はまだ全然吹っ切れていなくて、精神状態を保つために、母の死を考えないようにしているんですね。それが後半で、彼の秘めていた思いが爆発するシーンがあるんです。そこでやっぱり深い悲しみを抱えていたんだと感じ、そして、そんな部分を大切に演じたいと思いました。

テンションを下げきった芝居に挑戦中です

小澤廉 劇団シャイニング うたの☆プリンスさまっ♪ Pirates of the Frontier 品川プリンスステラボール 舞台俳優 2.5次元 俳優 イッキ バイト タウンワーク
――表向きの明るいイッキと闇を抱えたイッキ、両方の魅力が楽しめそうですね。そんなイッキと小澤さんに共通している部分、逆にまったく違う点があれば教えてください。

イッキはマルロー(小波津)をひと目見ただけで「仲間にしたい」と感じ、それ以来ずっと信頼していくんですが、僕自身は他人を信頼するのに結構時間がかかるタイプなんです。そこが最も違いますね。似ている点は争いを好まないところです。イッキは敵陣の中に突っ込んでいっても「俺たちは戦いに来たわけじゃない」と、相手を説得にかかる。そんな部分は人としてとても尊敬できます。

――イッキはとても前向きで勇敢な性格なんですね。お芝居や役作りで苦労している点はありますか?

大変なのは、あるシーンでテンションを思いっきり下げて、下げて、演じなければいけないこと。僕は感情を爆発させるような演技をすることが好きなんですが、そこを我慢して(テンションを)下げなくてはいけない。稽古中に演出の伊勢(直弘)さんを見ると、手で「もっと下げて」と指示をしている。でも、ある日の稽古でテンションを下げ切った演技をした時に「あ、気持ちいい」って感じたんですよ。「なるほど、こういうことか」と納得し、自分の好きなことだけをやってちゃダメなんだなということを学びました。

――ノッてくると自然とボルテージが上がって、より芝居に熱が入ると思うのですが……。

熱量でバーンといったほうがお客さんにも伝わりやすいんですよね。シーンとしても成立しやすいんですけど、そればかりに頼ってしまってもいけないし、これまでと違う演じ方をすることで自分の成長にもつながる。テンションを下げた芝居は今回、僕がイッキを演じるうえで最も肝になる部分です。

コインキャッチ後の第一声を自分でも楽しみにしています

小澤廉 劇団シャイニング うたの☆プリンスさまっ♪ Pirates of the Frontier 品川プリンスステラボール 舞台俳優 2.5次元 俳優 イッキ バイト タウンワーク
――静かに情熱を燃やす演技に注目ですね。早く演じたいシーンはありますか?

冒頭にコインキャッチをする場面があるんですが、そこをちゃんと成功させることができるかどうか、そして、コインをキャッチした後に僕のセリフがどんな声色で発せられるのかは自分でも楽しみです。ゲネプロ(リハーサル)では失敗しても構わないんですけど、幕が開いてしまったらもう失敗できないじゃないですか。すべてはこのシーンにかかっています。

――「コインキャッチに注目」させていただきます。では、イッキという役柄と出合ったことで影響を受けたことは……。

放浪の海賊(郷本直也)の「自分の心に素直になって、全部をシンプルに考えるんだ」というセリフがあるんですけど、そこからイッキは何かを感じとって、自分の心に従った選択をする。僕自身も生きていくうえで選択をしなければならない瞬間があって、いくら考えても答えが出ない時は「俺が行きたいのはどっちだ?」と自分の心の声を聞いて、ワガママになります。そんなふうに生きてきたから放浪の海賊のセリフにとても共感して、僕もこんなふうに生きたいと今まで以上に思うようになりました。

小澤廉ならではの“2.5次元作品”の演じ方とは……

小澤廉 劇団シャイニング うたの☆プリンスさまっ♪ Pirates of the Frontier 品川プリンスステラボール 舞台俳優 2.5次元 俳優 イッキ バイト タウンワーク
――昨年、「既存のキャラクターを演じる時に原作どおりに演じてはダメ、どこか自分らしさを盛り込まなきゃという考えにたどり着いた」とお話されていましたが、その後の変化について聞かせてください。

台本を細かく噛み砕いていったり、キャラクターを研究すればするほど、頭の中が凝り固まってしまうんですよ。だから最近は、あまり研究しないほうがいいんじゃないかなって。そうしないと、余計なことを考えてしまうんです。演劇って自分の感情で動かないといけないのに、「いや、このキャラはこんなふうにはしない」と邪念が生まれてくる。それがなかなか枠を飛び出せない原因になると思うんですよね。

後悔しない人生を送るためには「自分の心に素直になること」が大切

小澤廉 劇団シャイニング うたの☆プリンスさまっ♪ Pirates of the Frontier 品川プリンスステラボール 舞台俳優 2.5次元 俳優 イッキ バイト タウンワーク
――原作へのリスペクトを忘れずに、自分らしさも表現する。さじ加減が重要ですね。では、この作品を通じて若い世代へメッセージしたいことは?

自分の心に素直になって生きたほうが後悔はしないということを感じとっていただけたら嬉しいです。自分にとって何が大切なのか、そして、自分は何をしたいのかを判断し、決断してこそ自分の人生だということをお伝えしたいと思う一方、難しいことは何も考えず、ただ楽しかったと思っていただけるだけでも僕たちは満足です。ぜひ劇場に足を運んでいただいて、生のお芝居を観てほしいです。

――小澤さん自身は自分の心に素直になれてますか?

うーん、難しいですね。仕事をしているとどうしても避けられないものってあるじゃないですか。大人にはなりたくないですね(笑)。子どものような心をもってずっと生きていきたいけど、社会はそれを許してくれないという。だから、全員で子どもになりましょうよ!そうすれば、よりハッピーな世の中になると思います。

Profile
小澤廉(おざわ・れん)

1991年8月12日、神奈川県生まれ。2013年「仮面ライダー鎧武/ガイム」のラット役でテレビドラマ初出演。舞台「薄桜鬼」、「あんさんぶるスターズ!on stage」、「おそ松さんon stage~SIX MENS SHOW TIME~」、「ダイヤのA The LIVE」などに出演し、映画「BD~明知探偵事務所~」、「新宿パンチ」に主演するなど映像作品でも活躍している。

◆小澤廉OFFICIAL SITE:https://sp.ozawaren.com/
◆小澤廉OFFICIAL Twitter:@occult_box

編集:ぽっくんワールド企画 撮影:河井彩美 取材・文:荒垣信子

早速バイトを探してみよう