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2019年02月25日

鈴木拡樹さん(舞台「どろろ」百鬼丸役)インタビュー【この役のために僕がしたこと vol.2】

鈴木拡樹 2.5次元 俳優 役者 イケメン どろろ 刀剣乱舞 タウンワークマガジン インタビュー チェキ

アニメ・漫画・ゲームなどの人気原作のキャラクターを舞台やミュージカルで再現する人気俳優たち。彼らは現実には実在しないキャラクターを具現化するためにどういった努力を重ねているのか。この企画では、毎回話題の作品にフィーチャーし、役を作り上げるまでの思いや取り組みについて、役者本人に伺います。

日本漫画界の父・手塚治虫氏によるダークファンタジー「どろろ」が、2019年3月2日・大阪での公演を皮切りに全国4ヶ所で上演されます。主人公・百鬼丸(ひゃっきまる)に扮するのは、「映画刀剣乱舞」での好演も記憶に新しい鈴木拡樹さん。正統派ヒーローからダークヒーローへ――そのストイック過ぎる役作りの裏側についてお話を伺いました。

その時代を生きた人たちの暮らしを役柄に組み込むようにしています


――今回の「どろろ」に出演することが決定し、どんなことから始めましたか?

まずは原作を読むことから始めました。百鬼丸は、四十八体の鬼神に目や耳などを奪われた状態で生まれてきているので、目も見えなければ、口もきけない。そんな百鬼丸がテレパシーでコミュニケーションをとるというのが、とても面白い設定だなと感じました。

――今作もそうですが、新しい役に入る時はまっさらな状態で挑むほうですか? それともしっかり下調べをするほう?

下調べはします。時代背景によって人の生き方も違いますし、その時代を生きた人たちがどのように暮らしていたかなどは毎回きちんと調べてから臨むようにしています。コミックが原作の時はもちろん事前に読みますし、その中で読者にどう感じてほしいかなどの作者の意図をしっかり読みとったうえで実写化したいと考えています。

舞台版の百鬼丸は、人形のようなイメージです

鈴木拡樹 2.5次元 俳優 役者 イケメン どろろ 刀剣乱舞 タウンワークマガジン インタビュー チェキ
――こちらも取材前に下調べをしようと、舞台に先がけて鈴木さんが百鬼丸に扮しているTVアニメ版「どろろ」を拝見したんですが、残念ながらまだ声を聞くことができませんでした。

そうなんです。TVアニメ同様この舞台でも、百鬼丸が喉を取り戻すまで僕は一切声を発しません。最初にイメージしていた百鬼丸は、身体のいろんなパーツを奪われてはいるけど、どこかに人間らしい部分も残っているのではないかと思っていたんです。しかし、台本を読んでみたらイメージがガラッと変わりました。人間的要素がとても薄く、まるで人形のようなんです。物語序盤で顔の皮膚を取り戻したことにより、表情を手に入れるんですが、そんなキャラクターゆえ最小限の表現しかできない。ですので、百鬼丸が今、何を考えているのかということを見てくださる方にどのように伝えるのか、必死に考えなければいけない状況です。

百鬼丸と鈴木拡樹の唯一の共通点は……

鈴木拡樹 2.5次元 俳優 役者 イケメン どろろ 刀剣乱舞 タウンワークマガジン インタビュー チェキ
――TVアニメ版で百鬼丸を演じているからこそ、こんな部分を舞台にも活かしたいと思う要素はありますか?

僕も視聴者の皆さんと同じ感覚で「百鬼丸ってどういう性格をしてるんだろう?」という視点でアニメを見たところ、彼なりの日常というものが存在していることが分かったんです。敵との戦いにおいて、あらかじめ、腕(義手)を一ヶ所にまとめて置いておく。そうすると、後で回収しやすいという効率的なことを考えている。そして、戦う時に相手の出方をしっかり見て、相手をかわした後に攻撃するという特徴もあるので、セリフがなくても、描写を観察することで百鬼丸の性格が明確に見えてくるんだと衝撃を受けました。そんな部分は細かく再現したいですし、TVアニメ版の百鬼丸に性格もより近づけて演じたいと考えています。

――百鬼丸の中での決まり事が存在してるんでしょうね。そんな百鬼丸と鈴木さんご自身の共通点はありますか?

「何を考えてるのか分からない」って言われるところは共通点なのかな。それ以外は、僕は百鬼丸ほど激動の人生を歩んでいないので、まったくかけ離れています。

若い世代へ手塚作品の魅力を伝えていきたい

鈴木拡樹 2.5次元 俳優 役者 イケメン どろろ 刀剣乱舞 タウンワークマガジン インタビュー チェキ
――百鬼丸の弟・多宝丸をミュージカル「刀剣乱舞」で和泉守兼定に扮している有澤樟太郎さんが演じ、今回はある意味“夢の競演”です。有澤さんは鈴木さんについて「とても共演したかった方」とお話されていました。

有澤くんとは雑誌の取材で何度か一緒になっているんですが、とてもストイックな人なんですよ。先輩後輩ということをベースにしっかりとおきつつも、普段は壁を作らずラフに接してきてくれるので、ありがたい存在です。劇中では生き別れの兄弟という複雑な関係ですが、お芝居を一緒につめていく中で、さらによい関係性を築けていけそうです。

――素敵な化学反応が生まれそうですね。では、この舞台で特に注目して見ていただきたいのはどんな部分ですか?

この時代に生きることの難しさに着目していただきたいし、物語はバディ(男性二人組が活躍する物語)ものでもあるので、どろろと百鬼丸の旅のゆくえにも期待してほしいです。そして、主人公を演じる者として使命感を感じてしまうのは、手塚作品を若い世代の皆さんにもっと知っていただきたいということ。手塚先生の生誕90周年ということで多くの作品が再び注目を集めていますが、僕もこの「どろろ」に主演することで少しでもお役に立てれば、という思いです。

“与えられること”で生じる百鬼丸の変化に注目してほしい

鈴木拡樹 2.5次元 俳優 役者 イケメン どろろ 刀剣乱舞 タウンワークマガジン インタビュー チェキ
――鈴木さんがこの作品や役柄を通して若い世代へメッセージしたいことは?

僕は百鬼丸を通し、「人間とは何なのか?」ということを改めて考えさせられました。現代は便利なことが当たり前な世の中ですが、最小限の“当たり前”さえ与えられなかった百鬼丸の運命を見て、何かしら感じとっていただけると見え方がまた変わってくるのではないでしょうか。耳が聞こえない状態で生まれてきて、いきなり聴覚が戻ったらどう感じるのか……。そんなことってこの作品と出合わなければ、考える機会すらなかったと思います。「失う」のではなく「与えられる」こと。舞台を観てくださる若い皆さんには、今まで当たり前だと感じていたことの大切さに気付いてほしいですね。

――鈴木さんが百鬼丸という役柄に挑むように、初めての事柄に対峙する皆さんへアドバイスをお願いします。

最近だと「やりたい職業が見つからない」というお話も耳にしますけど、まずは興味をもつことが大事なのかなと思いますね。そして、重要なのがまわりの環境。自分の力だけで一歩前に進むことが難しい時は、まわりの人たちを見ることでよい方向へと導いてくれるのではないでしょうか。

■Profile
鈴木拡樹
(すずき・ひろき)

1985年6月4日、大阪府生まれ。2007年、ドラマ「風魔の小次郎」でデビューし、翌2008年、「最遊記歌劇伝-Go to the West―」で初主演。主な出演作に舞台「弱虫ペダル」シリーズ(荒北靖友役)、舞台「刀剣乱舞」シリーズ(三日月宗近役)、劇団☆新感線「髑髏城の七人 Season月-下弦の月-」(天魔王役)など。

◆OFFICIAL SITE:https://suzuki-hiroki.jp/
◆OFFICIAL Twitter:@hiroki_0604
◆OFFICIAL BLOG:https://ameblo.jp/kakugen-hiroki

編集:ぽっくんワールド企画 撮影:河井彩美 ヘアメイク:神澤ゆかり(BELLEZZE) 取材・文:荒垣信子

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