蒼木陣(舞台『刀剣乱舞』維伝 朧の志士たち・陸奥守吉行<むつのかみよしゆき>役) インタビュー【この役のために僕がしたこと vol.6】
舞台『刀剣乱舞』(以下、刀ステ)最新作「維伝 朧の志士たち」で陸奥守吉行に扮する蒼木陣さん。現在の心境と、陸奥守吉行にとって、きってもきれない関係である坂本龍馬への思い、そして、役を演じるために訪れた高知でのエピソードなどをインタビューしてきました。
今回は“ものすごく戦う”ので、激しい殺陣(たて)を見応えのあるものに仕上げたい
――稽古も佳境に入ってきたところだと思うのですが、いかがですか?
前作(舞台『刀剣乱舞』慈伝 日日の葉よ散るらむ)では、本丸の中での刀剣男士たちの会話が中心になったストーリーだったんですけど、今作は、すごく戦うんです。稽古に入る前から覚悟はしましたが、とにかくものすごく戦ってまして(笑)。僕自身、体を動かすことは好きなので、稽古場では楽しく充実感は大きいんですけど、本番ではこの激しい殺陣をしっかりと仕上げて、見応えのあるものにしないと、と日々思っています。
――殺陣のシーンへの期待が高まりますね。
ご覧いただいてからのお楽しみではあるんですけど、「こんな演出があるんだ」という驚きを感じていただけると思いますし、始まってからずっとめまぐるしく色々展開して、お客さんにはずっとワクワクしていただけると思うんです。演劇の新しい可能性を見出している作品でもあるんじゃないかなと思っているので、期待してもらいたいです。
――本番がより楽しみになりました。そして、今回の出陣先は文久土佐藩です。
陸奥守吉行が元の持ち主である、坂本龍馬と出会うことになるというお話なので、それによって陸奥守吉行の心が大きく動くのは間違いないと思うんです。そこはしっかり演じないと、と思っています。
坂本龍馬をより近くで感じるために、高知へ足を運んだ
――稽古場の充実した様子が伝わってきます。今作に向かう中でどんな準備をしたのでしょう。

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あとは、体力を維持する意味も込めて、ロードバイクで120キロ走ってみたり、精神的にも体力的にも張り詰めた状態でいたいという思いで準備しました。
――高知はいかがでしたか?
本当に行ってよかったです。桂浜って、壮大で美しくて、空が大きく広がっていて、龍馬もこの景色を通して日本だけにとどまらず世界に目を向けていたんだな、ってリアルに伝わってくるものがあるんですよ。龍馬の歴史博物館にも行って、今でもたくさんの方に愛されている方なんだなと実感しました。あとは、カツオのたたきがホントに美味しくて(笑)。地元の方におすすめしていただいたところに行ったんですけど、最高でした。
作品を終えてもつながることのできる存在と出会えた
――そういった準備を重ねてきて、稽古に入って改めて感じたこともあると思います。
共演者の皆さんから刺激を受ける部分は大きいです。とくに、櫻井圭登と三好大貴は同い年ということもあって、切磋琢磨できる存在です。休憩時間にふと隣を見ると、二人がいたりするんですよね(笑)。自然とどこかでお互いも求めているというか支え合っているのかなと思っています。
――共演は今回が初めてですよね。
はい。でも、「はじめまして」の時から「あー、この二人とは作品を終えてもつながっているような仲になるんじゃないか」と直感しました。自然と信頼感が生まれた気がします。
今作との出会いは人生の財産。作品を未来につなげたい
――坂本龍馬も人と人のつながりを大事にした方だと思うのですが、蒼木さんご自身も今のお話などを聞くと、いろいろな方と関係性を作り、人とのつながりを大事にされているのかなと感じました。
まず、人が好きというのはありますね。おこがましいですけど、その辺は龍馬と似てるのかなと思います。
――人とのコミュニケーションは意識的にとろうとされているんですか?
人と話すのはもともと好きなので、好奇心が強いのかもしれないです。お芝居を観ていても、なんでこんな発想が出てくるんだろうって思ったりするんですよね。そうすると、どうしても質問したくなってしまうんです。そういうところから自然と人に話しかけてしまうんですね。そんなことがキッカケで人と仲良くなったりすることが多いような気がします。
――そういう思いを持つ蒼木さんが先ほどおっしゃった「このカンパニーに出会えてよかった」という言葉はより意味が深いですね。
まだ公演は始まってもないんですけど、家でふと泣きそうになることがあるんですよ(笑)。自分の人生の財産になる出会いだし、作品との出会いもキャストとの出会いも感謝だなって。この出会いを大事にして、この作品を未来につなげたいなと思いました。
胸を張って「観にきてください」と言える作品
――舞台『刀剣乱舞』をはじめ、多くの作品に携われた2019年、少し早いですが振り返るといかがですか?
何より人との出会いに恵まれた年だったなと思います。作品との出会い、スタッフの皆さんや共演者との出会いもそうですけど、例えば、高知に行かせてもらった時に、飲食店の方と仲良くなって、龍馬のお話を聞かせてもらったり。役者だけにかかわらず、プライベートでも人との出会いに恵まれた1年でした。
それと陸奥守吉行と出会ってから行動力がついたなと思ってるんです。さっきのロードバイクの話もそうですけど、富士山にも登りましたし、ちょっと休みができたら「よし、どこか行こう!」という瞬発的な行動力がついたように思うんです。いろんな人と出会いたいという気持ちが僕の中でも大きくなってきたというのは、今年1番の収穫であり、今後につながるものじゃないかなと思います。
――そんな1年を締めくくり、来年にかけて上演される「舞台『刀剣乱舞』維伝 朧の志士たち」。いよいよ本番に向けて、仕上げていく段階ですね。
気を引き締めていきたいと思います。展開は激しいですし、大変ですけど、楽しみでもあるんですよ。この前、(小西)詠斗と、(田淵)累生とご飯を食べながら、「自分たちで客席から観てみたいね」という話になったんです。だから、一般の方だけじゃなく役者が観ても楽しめる作品なんじゃないかなと思うんですよね。胸を張って「観にきてください」って仲間に言える作品になるだろうし、絶対にそうしたいなと思ってます。
蒼木 陣(あおき・じん)
1992年5月26日、大阪府生まれ。これまでの主な出演作にミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン(喜多一馬役)、舞台「プリンス・オブ・ストライド THE LIVE STAGE」(藤原尊役)、舞台『弱虫ペダル』新インターハイ篇~ヒートアップ~(黒田雪成役)、TBS「究極の男は誰だ!? 最強スポーツ男子頂上決戦」など。
◆OFFICIAL SITE:https://www.sunmusic.org/profile/aoki_jin.html
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編集:ぽっくんワールド企画 撮影:井野友樹 取材・文:田部井徹