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2026年09月30日

バイトの確定申告、経費で計上できるもの・できないもの

バイトで得た収入が給料か報酬かによって、仕事にかかった費用の扱いは異なります。給与所得者が利用できる特定支出控除と、報酬から経費にできる支出、給料と報酬がある場合の所得税の計算方法を解説します。

💡この記事で分かること
  • 時給制や日給制のバイトでは、一定の条件を満たす費用について特定支出控除を受けられる場合があります
  • 給与ではない報酬では、仕事に必要なパソコン代や交通費、家賃などを経費にできる場合があります
  • 給料と報酬の両方がある場合は、それぞれの所得を計算し、合算して所得税を求めます。

アルバイトが計上できる経費

アルバイトや会社員でも、仕事のために自分で支払った費用について、「特定支出控除」を受けられる場合があります。

勤務先の証明を受けた対象費用の合計が給与所得控除額の半分を超えた場合に、超えた分を確定申告で給与所得から差し引ける制度です。特定支出控除は適用条件が厳しく、利用できるケースは限られます。

一方、給与所得者には給与収入に応じた給与所得控除が適用され、給与収入からこの控除を差し引いた「給与所得」をもとに所得税を計算します。

出来高制などの報酬から計上できる経費

例えば、内職やアフィリエイト収入など、雇用契約以外の契約に基づいた仕事の出来高や実績に応じた歩合によって受け取った収入は、給与ではなく、報酬と呼びます。

報酬は、仕事の実態に応じて事業所得または雑所得として扱われ、業務に必要な経費を収入から差し引いて所得を計算します。

では、経費に計上することが出来るものは、どのようなものでしょうか?いくつか例を挙げてみましょう。

パソコン

報酬を得るための作業にパソコンを使用するのであれば、経費として計上することができます。仕事と私用で兼用する場合は、仕事で使用する分を合理的に分けます。

パソコンの購入費は、金額や申告方法などによって、購入した年にまとめて経費にするか、数年に分けて減価償却します。一定の青色申告者は、少額減価償却資産の特例により、購入した年に経費にできる場合があります。

被服費

仕事に必要な衣類、作業着やヘルメットなどです。経費に計上できるのは、業務に直接必要であることを客観的に説明できるものです。

一方、スーツなど私生活でも着用できる衣類は、仕事で着用する場合でも原則として経費計上は非常に困難です。芸能活動や出演業務などで特定の衣装がその人のキャラクターや職業上のイメージを構成しており、業務との関連性が明確な場合には、経費として認められる余地があります。

携帯電話の通話料

仕事専用の端末であれば、通話料の全額を経費として計上することが可能です。しかし、仕事とプライベートを兼用している端末の場合は、経費に計上することができるのは仕事に関する通話のみのため、通話料を仕事とプライベートに按分することになります。

交通費

交通系ICカードへのチャージは、原則としてチャージ時ではなく、仕事で実際に利用した運賃を経費に計上します。利用日、目的、経路、利用した交通機関を記録し、領収書がない場合は出金伝票などを作成して保管しておくとよいでしょう。タクシーを利用した場合も、目的と経路を記録し、領収書を保管します。

飲食費

打ち合わせなどによりカフェを利用する、取引先や仕事仲間と会食することもあるでしょう。業務に必要な飲食費は、「いつ」、「誰と」、「どこで」、「何のため」の打ち合わせや会食なのかを明確にして、領収書と共に保管しておけば経費に計上することができます。

家賃や光熱費

ご自宅で仕事をしている方なら、使用面積や使用時間など合理的な基準によって家賃や光熱費の一部を経費として計上することができます。

税金の課税対象は?給料と報酬、ケース別に確認

給料と報酬では、所得の計算方法が異なります。給料のみの場合と、給料と報酬の両方がある場合に分けて確認しましょう。

※以下は記事更新時点の所得税制度に基づき、記載したもの以外に所得がなく、基礎控除を満額受けられる場合の計算例です。控除額は改正されることがあるため、申告時は国税庁の最新情報をご確認ください。

給料156万円、報酬ゼロの場合

年収が156万円で、給与収入のみの場合です。

  • 給与収入:156万円
  • 給与所得控除:74万円
  • 給与所得:156万円-74万円=82万円
  • 基礎控除:104万円
  • 課税所得:0円

給与所得が基礎控除を下回るため、課税所得は0円となり、所得税はかかりません。

給料140万円、報酬16万円、経費5万円の場合

給料と報酬を合わせた収入が156万円のケースです。

  • 給与所得:140万円-給与所得控除74万円=66万円
  • 報酬に係る所得:16万円-必要経費5万円=11万円
  • 合計所得:66万円+11万円=77万円
  • 基礎控除:104万円
  • 課税所得:0円

合計所得が基礎控除を下回るため、課税所得は0円となり、所得税はかかりません。

※この例では、報酬から経費を差し引いた所得が20万円以下です。年末調整済みの給与を1か所から受け取り、ほかに確定申告が必要となる事情がないなど、一定の条件を満たす場合は、所得税の確定申告が不要になることがあります。ただし、所得税の確定申告をしない場合でも、住民税の申告が必要になることがあります。詳しくは、お住まいの自治体の案内をご確認ください。

給料96万円、報酬60万円、経費53万円の場合

給料と報酬を合わせた収入が156万円のケースです。

  • 給与所得:96万円-給与所得控除74万円=22万円
  • 報酬に係る所得:60万円-必要経費53万円=7万円
  • 合計所得:22万円+7万円=29万円
  • 基礎控除:104万円
  • 課税所得:0円

合計所得が基礎控除を下回るため、課税所得は0円となり、所得税はかかりません。

なお、必要経費にできるのは、仕事に必要であることを客観的に説明できる支出に限られます。

給料と報酬の両方がある場合は、給与所得と、報酬から必要経費を差し引いた所得を合算して所得税を計算します。報酬に係る所得の区分や経費にできる範囲は、契約名だけでなく仕事の実態に基づいて判断されます。

■監修:渋田貴正
司法書士事務所V-Spirits 代表司法書士。大学卒業後、大手食品メーカーや外資系専門商社に在職中に税理士、司法書士、社会保険労務士の資格を取得。2012年独立し、司法書士事務所開設。
https://www.pright-si.com/

※更新履歴:2018年2月15日、2025年10月1日、2026年9月30日

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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