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2026年08月05日

パート・アルバイトの住民税はいくらから? 課税の仕組み・シミュレーションなど

パート・アルバイトの住民税はいくらから? 課税の仕組み・シミュレーションなど


パートやバイト代などの給与収入にかかる税金には所得税と住民税があります。ここでは、住民税を中心に、年収いくらから課税されるのか、課税額の仕組みや支払い方法などを解説します。

💡この記事で分かること
  • 住民税の均等割は年収112万~119万円、所得割は年収118〜119万円超からが目安です
  • 通勤手当や社会保険料控除などで、住民税額が変わる場合があります
  • 学生は、条件により未成年者の非課税制度や勤労学生控除が適用されます。

住民税の課税の仕組み

住民税には2種類あり、それぞれ課税対象額や税額が異なります。詳しく見ていきましょう。

住民税とは

住民税とは、一定の収入を得ている人が住んでいる自治体に納める税金のことを指し、前年の所得に対して、その年の1月1日時点で住所のある都道府県と市区町村に納めます。住民税には均等割と所得割の2種類あり、自治体によって基準が異なりますが、給与収入のみの場合、均等割は年収112万~119万円、所得割は年収119万円を超えると課税されるのが目安です。均等割と所得割で、税金が発生する年収に差がある自治体もあります。

◾️給与収入のみの場合の住民税の基礎的な考え方

住民税の内訳 課税対象の年収
(通勤手当など除く)
納税額
均等割 112万円〜
119万円超
個人住民税の均等割:原則4,000円
森林環境税:1,000円
所得割 118万円〜
119万円超
収入により変動
課税所得×税率10%
※課税所得=給与収入-給与所得控除-基礎控除-各種所得控除

※自治体により課税年収のラインが異なることがある
※特別調整額は考慮しない

均等割は年収112万円~119万円を超えると課税

均等割は、前年の収入が課税対象の年収を超えると一律の税額が課税されます。給与収入のみの人は、2026年の年収112万円~119万円を超えると均等割の対象になります。基準は自治体ごとに定められるので、最新の情報は各自治体に確認してください。

東京都では、個人住民税の均等割4,000円に森林環境税1,000円を加え、合計5,000円が徴収されます。

所得割は年収118〜119万円超から課税

所得割は、収入額によって税額が変わります。所得割も自治体によって基準が異なりますが、給与収入のみの人は、2026年の年収が118万円あるいは119万円を超えると所得割の対象になり、納税は翌年の分に反映されます。

所得割の税額は、給与収入から給与所得控除と所得控除を差し引いた課税所得に、原則10%の税率を掛けて算出します。そのため、収入が増えるほど税額が増える仕組みになっています。

※基礎控除以外の所得控除や特別調整額など他控除は考慮しないとする
※源泉所得税の改正のあらまし(国税庁

 

住民税を減らす方法はある?

納税は義務ですが、住民税の課税対象をわずかに超える年収になると、手取りはそれまでより減る可能性があります。特に住民税の均等割は、1円でも超えると固定額が課税されるので、課税対象となる給与収入や所得の基準を正しく理解することが大切です。

1月~12月の所得総額を調整する

住民税は前年1月1日~12月31日の1年間の給与収入を計算します。給与収入は原則として給与の支給日を基準に考えるので、給与が翌月払いの場合、前年12月分の給与は1月分の給与収入、当年12月分の給与は翌年分の給与収入になります。課税されるか微妙な場合は、シフト調整などをして年間の給与収入を調整します。掛け持ちや年の途中で退職した人は、その分の収入も合計するので気を付けましょう。

通勤手当などは課税対象から除外される

住民税を直接減らす方法ではありませんが、電車やバスなどの交通機関などの通勤費の実費相当額は、月15万円までは非課税になります。通勤手当は、通勤方法に応じて非課税限度額が違いますが、その範囲内の実費は課税対象から除かれます。その他、一定額以下の宿直手当や通常必要と認められる範囲の出張手当も非課税ですが、残業手当や休日手当などは、課税対象となります。

>通勤交通費の課税額・非課税限度額とは

社会保険料控除なども課税対象から除外される

自身で支払った社会保険料や生命保険料がある場合、一定の所得控除を受けられます。

また、自身でふるさと納税をした場合も、所得税の所得控除や住民税の税額控除を受けられます。ふるさと納税は寄付金額の2,000円を超える部分について、一定の限度額まで税額控除が受けられます。

 

学生や未成年は、住民税非課税の対象が広い

18歳未満で未婚なら年収204万4,000円未満は非課税

1月1日時点で18歳未満かつ未婚の場合、年間所得135万円(給与収入のみなら約204万4,000円)未満は、住民税(所得割・均等割)が非課税となる制度があります。

勤労学生控除で年収134万円以下は、住民税所得割が非課税

学生が勤労学生控除の要件を満たして適用を受けると、給与収入のみであれば、年収134万円以下まで住民税の所得割がかからない目安となります。なお、均等割は対象外なので、112万円~119万円を超えると課税されます。
注意すべきは、親など世帯主の税制上の扶養に入っている場合、年齢の関係で特定親族特別控除の対象外となる学生は、年収が136万円を超えると親など扶養者の扶養控除の対象から外れ、所得税と住民税が増える場合がある点です。扶養控除の対象となるかどうかは、月平均ではなく、1月から12月までの給与収入の合計で判断されます。

ただし、その年の12月31日時点で19歳以上23歳未満の場合、年間の給与収入が136万円を超えても197万円以下であれば、親など扶養者が「特定親族特別控除」を受けられます。年間の給与収入が159万円以下なら控除額は満額となり、159万円を超えると段階的に減額され、197万円を超えると控除を受けられなくなります。

>勤労学生控除とは?税金、親の扶養、申請方法など。バイト学生向け

 

住民税のシミュレーション例

住民税の金額をいくつかの例でシミュレーションしてみます。実際の税額は状況によって変わることがあるので参考値としてみてみてください。

【シミュレーションの条件】
・東京都在住、40歳未満
・給与収入(非課税の通勤手当を除外)
・各ケースに記載した控除以外は考慮しない
・調整控除額は考慮しない

年収136万円(社会保険料控除を考慮しない場合)

給与収入が年136万円の場合、均等割と所得割双方が課税されます。なお、給与収入のみでほかに所得がない場合、所得税は年収178万円以下ならかかりません。

■STEP1:給与所得金額の算出
給与収入136万円-給与所得控除74万円=給与所得金額62万円

■STEP2:課税所得金額の算出
※課税所得金額=税率が掛かる所得のこと(以下省略)

給与所得金額62万円-基礎控除額43万円=課税所得金額19万円

■STEP3:住民税を計算
個人住民税の均等割:都民税1,000円+市区町村民税3,000円=4,000円
森林環境税:1,000円
所得割:課税所得金額19万円×10%=1万9,000円

住民税合計:2万4,000円

年収136万円(パート先の社会保険に加入)

週20時間以上など、勤務先の雇用保険や社会保険の加入要件を満たすと、パート先の雇用保険や社会保険に加入します。その結果、保険料の負担は増えますが、社会保険料控除が適用され、その分の税額負担は減ります。

■STEP1:給与所得金額の算出
給与収入136万円-給与所得控除74万円=給与所得金額62万円

■STEP2:課税所得金額の算出
給与所得金額62万円-基礎控除43万円-社会保険料控除約19万4,000円=0円

※年収136万円を12カ月均等で受け取る場合、月収は約11万3,333円、標準報酬月額は11万円となります。
※社会保険料控除額は、健康保険料、厚生年金保険料、子ども・子育て支援金、雇用保険料の本人負担分を合計した概算です。課税所得は0円未満にならないため、0円として計算します。

■STEP3:住民税を計算
個人住民税の均等割:都民税1,000円+市区町村民税3,000円=4,000円
森林環境税:1,000円
所得割:課税所得金額0円×10%=0円

住民税合計:5,000円

 

住民税の納税方法

住民税の納税方法は、毎月の給与から天引きされる特別徴収と自分で支払う普通徴収の2パターンがあります。

給与から天引き(特別徴収)

会社に勤めている人に適用される納税方法で、毎月の給与から住民税を天引きして納めます。普通徴収よりも納付1回あたりの金額が少なく、事業主(会社)が納付するため、自分で納付する手間がありません。給与所得者は特別徴収になることが法令で義務付けられており、事業主(会社)や従業員の意思で変えることはできません。ただし、アルバイトやパートなどで毎月給与が発生しないなど一定の場合は、普通徴収に切り替えられる場合があります。アルバイト・パートについては自分の住民税が特別徴収されるかは会社に確認するか、給与明細を見ると分かります。

<普通徴収となる場合の例>
・給与が少ないため住民税額を差し引けない場合
・給与の支払いが毎月ではない場合
・退職した人、または退職予定の人
・他の勤務先で特別徴収されている場合
・個人事業主や、給与・年金から住民税が差し引かれていない人
・上記に該当する人以外の給与の支払いを受ける人が2名以下の場合

 

自分で納税(普通徴収)

個人事業主や給与や年金から差し引かれていない分がある人が、納付書や口座振替で納める方法で、6月ごろに納税通知書と納付書が自治体から送付されます。
納付先は支払う年の1月1日に住んでいる地域の自治体になります。退職後の住民税は、退職時期や手続きによって、残額が給与や退職金から一括徴収される場合と、普通徴収に切り替わる場合があります。転職先で手続きを行えば、特別徴収を継続できる場合もあります。納付は年4回の分割か、一括での支払いかを選択します。

具体的な条件は自治体によって異なるため、勤務先または自治体に確認してください。

■監修
渋田貴正
司法書士事務所V-Spirits 代表司法書士。大学卒業後、大手食品メーカーや外資系専門商社に在職中に税理士、司法書士、社会保険労務士の資格を取得。2012年独立し、司法書士事務所開設。
https://www.pright-si.com/

※公開履歴:
2019年7月01日
2025年1月7日
2025年9月30日
2026年8月5日

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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