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2018年06月22日

【パート主婦の年収の壁】2018年1月から新たに「年収150万円の壁」が。 「103万円の壁」「130万円の壁」とはどう違う? 年収別シミュレーションつき


夫の扶養に入りながらパートやバイトで働く主婦の場合、なるべく税金の負担は抑えたいと思う人も多いはず。2018年1月より、世帯にかかる税金に関わる「配偶者控除」と「配偶者特別控除」の条件が改正されました。これまでとどう変わったのかと、妻の年収ごとの家計のシミュレーションも紹介します。

【目次】

2017年までのパート主婦の年収の壁「103万円の壁」とは

2017年までの「103万円の壁」とは、「パートやバイトで働いている妻の年収が103万円以内であれば、税金面で優遇されます」という意味のもの。年収が103万円を超えると、本人には所得税が課せられます。さらに、妻の年収が103万円以下ならば、夫は配偶者控除として38万円の所得控除を受けることができ、夫の所得税が軽減されます。つまり、「103万円の壁」とは、自分が所得税を支払わなくて済み、同時に夫も配偶者控除が受けられ所得税が軽減されるギリギリのラインという意味を示すものでした。

2018年1月からの「150万円の壁」とは

夫が所得控除38万円を受けられる妻の年収の上限が103万円から150万円に

配偶者控除とは、扶養家族の妻の給与所得が条件以下(パートやアルバイト収入が103万円以下)であれば、夫の所得には配偶者控除として38万円の所得控除が受けられる(※)という、所得税法上の仕組みのことです。

2018年1月より、政府が女性の社会進出を促進するために、配偶者控除の対象となる妻の年収要件はこれまでと変わりませんが、配偶者特別控除が拡大され、妻の年収が103万円超150万円以下なら、夫は配偶者特別控除として38万円の所得控除が受けられるようになりました。

これにより、パートやバイトの収入を月収を約8万5,000円までに抑えていた人は12万5,000円まで増やせるようになります。

(※)今回の改正で、夫の収入によって、配偶者控除の額が変わる仕組みに改正されました。夫の合計所得が900万円以下の場合は38万円、900万円超950万円以下の場合は26万円、950万円超1,000万円以下の場合は13万円となり、夫の合計所得が1,000万円超の場合は、配偶者控除は受けられません。

150万円を超えても201万までは配偶者特別控除で夫の所得税が優遇

妻の年収が150万円を超えても201万円までは、夫の収入等と妻の所得額に応じて段階的に配偶者特別控除が受けられます。ただし、夫の所得が一定の範囲(年間の合計所得金額が1,000万円 ※給与収入のみの場合、年収1,220万円)を超える場合には適用されません。これにより、扶養に入っている妻の場合、「年収150万円」「年収201万円」を意識して働く必要があります。

<配偶者控除・配偶者特別控除の控除額>

学生(親の扶養に入っている)は、配偶者特別控除などの制度が無い

扶養に入っている学生の場合は、本人の収入に関しては、国税庁が定めた条件を満たせば、「勤労学生控除」が適用になり、130万円までは所得税が非課税となります。しかし、103万円を超えると親の扶養からはずれるため、親の所得税は増加しますので、注意しましょう。勤労学生控除の詳しい条件や申請方法は国税庁のホームページや下記の記事で確認しておきましょう。

【年収103万円以上の学生向け】勤労学生控除って何?バイトの収入が多い大学生は有利になるの?

所得税103万円の壁と社会保険106万円、130万円の壁は変わらず

夫の所得税について、妻に関する所得控除分として満額の38万円が適用される妻の年収の上限は150万円まで引き上げられましたが、妻本人が支払う所得税のボーダーラインは現在まだ103万円のまま。住民税は地域によって異なりますが、こちらも変わらず年収93〜100万円がボーダーとなります。

また、健康保険や厚生年金など、社会保険に関しても、夫の会社の社会保険の扶養に入れるボーダーは106万円(※1)または130万円(※2)のまま変わりません。

(※1)勤務条件が以下の人は年収106万円を超えると勤務先の社会保険への加入が必須となります

・週の所定労働時間が20時間以上
・賃金月額が88,000円以上(※3)
・雇用期間が1年以上みこまれる
・501人以上(厚生年金の被保険者数)の従業員のいる企業
・学業を主とする学生(昼間学校に通う学生)でないこと

(※3)以下は1ヶ月の賃金から除けます。
・臨時に支払われる賃金や1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(例:結婚手当、賞与等)
・時間外労働、休日労働および深夜労働に対して支払われる賃金(例:割増賃金等)
・最低賃金法で算入しないことを定める賃金(例:精皆勤手当、通勤手当、家族手当)

(※2)年収が130万円以上になると、夫の社会保険の扶養から外れることになりますが、妻本人の勤務先の社会保険に加入できるとは限りません。そうなると、自身で国民健康保険や国民年金に加入し支払う必要があります。

年収別税金シミュレーション


では、実際に、妻の年収別に世帯の手取りがどう変わるのかを見てみましょう。

<試算条件>
・東京都中野区
・30代夫婦、小学生の子ども1人
・夫:会社員 年収500万円(月給30万円、賞与夏・冬各70万円とする)
・妻:パート(従業員500人未満の会社)

※妻の国民健康保険料は住む地域によって料率が異なります。夫の社会保険料も給与・賞与の割合によって異なります。
また、夫婦ともに所得税・住民税の各種控除等の個人的事情を配慮していないため、あくまでも概算値となります。

妻の年収103万円/夫の年収500万円

世帯年収603万円の場合 世帯の手取り…4,984,816円


※妻の住民税は翌年度に課税されます
※妻は社会保険料は雇用保険料のみ発生。毎月の給料を85,8333円として12ヶ月で算出
※夫は配偶者控除を38万円受けられます

妻の年収から引かれるのは住民税と雇用保険料の10,284円のみ。年収103万円のほとんどが手取りとして手元に残ります。

妻の年収150万円/夫の年収500万円

世帯年収650万円の場合 世帯の手取り…5,131,576円


※夫の配偶者特別控除は38万円。控除額が変わらないため、妻年収103万円と同じ結果になります

妻の年収が150万円になっても、夫は配偶者特別控除を満額受けられるため、夫の手取りは妻の年収103万円の時と変わりません。
一方で、妻本人は、所得税・住民税の支払い義務が発生するのに加え、夫の社会保険の扶養から外れて自身で国民健康保険料や国民年金を支払う必要があるので、合わせて約33万円が手取りから引かれることに。
年収103万円と比較すると、手取りは14万円以上増えますが、パートの時給1000円とすると、働く時間は週9時間以上増えることになります。

妻の年収201万円/夫の年収500万円

世帯年収701万円の場合 世帯の手取り…5,486,944円

妻の年収が201万円になると、夫は配偶者特別控除を受けられなくなるため、所得税と住民税の負担が増え、妻103万円・150万円と比べると65,700円手取りが少なくなります。
一方で、妻の手取りは103万円に比べると567,828円増え、150万円に比べると421,068円増えますが、150万円のときよりもさらに週あたり9.8時間ほど労働時間も増えることになります(パートの時給を1,000円とした場合)。

働く時間を増やしても手取りがそのまま増えるわけではない

このように、妻の年収には、税金負担が増えたり社会保険の扶養から外れたりと、いくつかのボーダーラインがあり、パートの時間を増やしても、手取りがそのまま増えるというわけにはいきません。働く時間が増えて忙しくなったのに、思ったよりも手元に残らない・・なんていうことにならにように、各家庭にあった働き方を考えてみてくださいね。

記事監修:ファイナンシャルプランナー 平野泰嗣