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2020年09月16日

学生にとっての103万円の壁とは?自分の税金、親の扶養の関係を解説

給料 バイト代 税金 課税 手渡し タウンワーク townwork
学生のアルバイトであっても、年間の給与の合計103万円を超えると税金を負担することになります。給与が振り込みでも手渡しでも、それは変わりません。この記事では、税金の仕組みや「103万円の壁」、手渡しで給与をもらうときの注意点などを、税金ビギナーでもわかるように解説します。

年収103万円の壁とは

ここでは、アルバイトをする高校生や大学生など、学生にとっての年収の壁について解説します。

自分の所得税ゼロ、扶養者の税金負担が軽くなる年収ラインのこと

103万円の壁とは、バイト代などの収入が年間103万円以内なら、(1)自分のバイト代に所得税がかからないと同時に、(2)アルバイトをしている学生の親などの扶養者が、扶養控除の適用を受け、所得税や住民税の一部が安くなるボーダーラインの両面を意味します。
103万円を超えると、自分自身に所得税がかかることより、扶養者が負担する税金の金額が大きくなりますので、対象の人は超えた時の影響を予め考えておく必要があります(下記、「103万円を超えた場合の税金は?」参照)。

バイト代が手渡しでも税金の対象になる

バイトの給料が手渡しであっても銀行振り込みであっても関係なく計算されます。バイト先からの給与明細には手渡しの分も記載しなくてはならないため、毎回、給与明細の金額ともらったバイト代が正しいかを確認するようにしましょう。

成果報酬での稼ぎは48万円以内を意識する

アフィリエイトや在宅バイトなどで出来高報酬を得ている場合は、「給与」ではなく「報酬」となります。報酬のボーダーラインは年間48万円なので、扶養に入るにはこの48万円以内を意識する必要があります。給料をもらうアルバイトとアフィリエイトなどの報酬を掛け持ちしている場合は、「報酬を年48万円以内」かつ「バイト代+報酬の合計を103万円以内」に抑えると、上記の「103万円の壁」と同等の結果になります。

<参考:国税庁HP>
No.1199基礎控除
No.1410給与所得控除

年収が約100万円を超えると住民税がかかる

先に説明した通り、年収が103万円以下であれば所得税はかかりません。しかし多くの自治体では、100万円を超えると超えた分に応じ住民税がかかります(自治体によっては93万円からかかる地域もあります)。
また、住民税は前年の所得に対してかかるので実際に納めるのは働いた翌年度になります。会社や個人が税務署に申告した前年の所得額を各市区町村が受け取り、それをもとに今年度の住民税額を計算するので、住民税については自分で申告する必要はありません。

バイトを掛け持ちしている場合はどうなる?

バイトを2つ以上掛け持ちしている場合、すべてのバイト代の合計年収が103万円を超えていると所得税がかかります。また、同じく100万円(地域によっては93万円~)を超えた場合は翌年の住民税もかかるので注意が必要です。
尚、年間で103万円以上稼いでいて、勤労学生控除を考えている人はこちらの記事を参考にしてみてください。

【年収103万円以上の学生向け】勤労学生控除は何? バイトの収入が多い大学生は有利になるの?

<参考:国税庁HP> 
No.1175勤労学生控除

年収103万円を超えないための方法

うっかり年収103万円を超えないために、どんなことを意識すればいいか、具体的な方法をご紹介します。

バイト先に「103万円を超えたくない」意思を伝える

103万円を超えたくない人は、あらかじめバイトの責任者に「親の扶養内で働きたい」と意思を伝えておきましょう。バイトによってはシフトを考慮してもらえる場合があります。もちろん、自分でも働き過ぎないように管理することも大切です。

1カ月当たりの収入は8万円以下を目安にする

「毎月のシフトを調整していたつもりでも、年末近くになって103万円を超えそうだ」という話を聞いたことはありませんか? 急にシフトを減らそうとすると、バイト先や同僚に迷惑をかけてしまうこともあります。
103万円を12ヶ月で割ると約85,000円ですが、次の可能性があるバイトは注意が必要です。

・ゴールデンウィークや夏休みなど学校が長期休暇のときに忙しくなるバイト
・年末の繁忙期に人手不足になるバイト
・ボーナスや報奨金が出るバイト
・能力によって時給が上がるバイト

長期休みや繁忙期など、出勤日が増えて一時的に収入が増えるバイトは、通常月の収入を調節しておくと安心です。

103万円を超えた場合の税金は?

103万円を超えると、自分と、親などの扶養者の税金は、どのくらい変わるのでしょうか。

自分の所得税は、103万円を超えた分に課税される

税金というのはもらった給与の全体にかかるわけではありません。給与収入から、税金の対象にしなくてよい金額(控除と呼ぶ)を引き、残った部分に税金がかかるようになっています。

◆バイト代にかかる所得税の考え方
給与収入(源泉徴収される前の年収)-給与所得控除 = 給与所得
給与所得-所得控除(基礎控除や勤労学生控除など)=課税所得
課税所得×税率 = 所得税

給与収入から差し引くことのできる給与所得控除55万円と、すべての人に適用される基礎控除48万円の合計が103万円のため、103万円以下は所得税がかからないということになります。103万円を超えると、超えた分に対して税金がかかります。例えば、年収が195万円以下なら、税率が5%のため、1万円あたり500円程度の所得税が課税されます。

<参考:国税庁HP>
No.1400給与所得

親は扶養控除額に住民税と所得税がかかる

親などの扶養者は、扶養する子どもの給与収入が103万円の壁に届かない場合は、扶養控除の額に対する住民税と所得税が免除されますが、103万円を超えると、この控除がなくなります。
扶養控除額は、その年の12月31日時点の年齢によって異なり、16歳以上の場合は「住民税の控除:33万円、所得税の控除:38万円」、19歳~22歳は特定扶養控除と呼ばれ、控除額が増え「住民税の控除:45万円、所得税の控除:63万円」となります。扶養者の税負担は、各控除額にそれぞれの税率をかけた分だけ増えます。扶養者の年収や子ども年齢によって税率は変わりますが、年間5万~20万円の税金が増えることになります。

<参考:国税庁HP>
No.2260所得税の税率

税金を納める仕組み~源泉徴収と確定申告

源泉徴収と確定申告という言葉は耳にしたことがあるけれど、どんなものかわからないという方も少なくないはず。そこでそれぞれの仕組みを解説します。

バイト先で税金を納めている場合~源泉徴収~

一定の方法で計算した所得税をあらかじめ給与から天引きしておくことを「源泉徴収」と言います。通常、企業は月ごとに源泉徴収した所得税額を年末に精算し(年末調整と言います)、源泉所得税として国に納付します。このようにバイト先で源泉徴収と年末調整を行っていれば自分で税金を納める必要はありません。
また、1月~12月の年収が103万円以下であれば、本来税額は0なので、源泉徴収で引かれていた額は年末調整によりすべてもどってきます。

自分で税金を納める方法~確定申告~

確定申告とは、基本的に「所得税」を対象にしています。所得税の過不足がないかを申告し、過払いがあれば還付し、不足があれば追徴されます。
バイト先が年末調整をしてくれているのなら自分で確定申告をする必要はありませんが、複数のバイトを掛け持ちしていたり、バイトだけでなく、出来高制の報酬収入があったりする場合は確定申告が必要となる場合があります。

◆確定申告の必要有無の目安
<バイトの給与収入のみでバイト先が1か所の場合>

・バイト先で年末調整をしている人=確定申告は不要
・年収103万円以下で源泉徴収がされていない人=確定申告は不要

<バイト先を複数かけもちし、どれも給与収入のみの場合>
・メインのバイト先が年末調整しており、サブのバイトの年収が20万円以下=確定申告は不要

・メインのバイト先がまとめて年末調整をしてくれている=確定申告は不要
(※)サブのバイト先から源泉徴収票を取り寄せてメインのバイト先に渡す

・サブのバイトの年収が20万円以上+メインのバイト先がまとめて年末調整をしてくれない=確定申告が必要

<給与収入+出来高制の報酬収入がある場合>
・年間バイト収入から給与所得控除55万円を引いた額+年間の報酬額から経費を引いた額の合計が48万円以下=確定申告不要

<出来高制の報酬収入のみの場合>
・年間の報酬額から経費を引いた額が48万円以下=確定申告不要

すべての税金はマイナンバーで管理されている

マイナンバーとは、住民票を持つすべての国民に割り当てられた12桁の番号のこと。国や地方公共団体などが持つ個人情報と個人が持つマイナンバーを紐づけて、情報を管理するものです。税金や保険・年金などの社会保障や、災害対策などの目的で使われ、原則生涯において番号が変わることはありません。
行政側はこのマイナンバーによって、事業者から雇用者へいくら支払われているかがわかるようになっており、今のバイトだけでなく過去のバイトでも1年間の所得に対し税金をきちんと納めているか把握できるようになっています。よって手渡しで受け取っていても、納めるべき税金を納めていなかったとしたらマイナンバーを辿って国に知られてしまうというわけです。

税金を納めないと脱税に! バレたらどうなる?

マイナンバーや帳簿などで従業員の情報が管理されているため、納めるべき税金を納税せずに隠していると、判明した時点で、過去に遡って無申告加算税・延滞税・重加算税などの追徴課税が課されます。

※この記事は2019年2月19日に公開したものを2020年9月16日に更新しました。

監修:松岡 紀史(ファイナンシャルプランナー)

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