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2017年06月30日

103万の壁と130万の壁、150万の壁とは?知らないと損する「収入の壁」

103万の壁と130万の壁、150万の壁とは?知らないと損する「収入の壁」

女性の社会進出を阻んでいるといわれる「103万円の壁」。ほかにも「130万円の壁」や「150万円の壁」などがあります。こうした言葉を聞いたことはありますか? これらは「収入の壁」と呼ばれるもので、夫や親の扶養家族でありながらパートやアルバイトをして給与収入がある人に大きく関係するものです。
今回は、税金の負担をなるべく安く働きたいパートやアルバイトの人のために、「収入の壁」についてご紹介します。

【目次】
1.「103万円の壁」って、どういう意味?
2.「130万円の壁」との違いは?
3. 2018年から「103万円の壁」が「150万円の壁」になる!
4. 150万円の壁の注意点は?
5. 収入の壁を理解して効率的に働こう!

1. 「103万円の壁」って、どういう意味?

103万の壁と130万の壁、150万の壁とは?知らないと損する「収入の壁」

パートやアルバイトをしている人は、年間の給与収入が103万円を超えると損をする可能性があります。「103万円の壁」の意味について解説します。

そもそも103万円の壁とは?

103万円の壁とは、「パートやバイトで働いている人の年収が103万円以内であれば、税金面で優遇されます」という意味です。年収が103万円を超えると所得税が課せられます。さらに、夫や親等の家族の扶養家族になっている場合は、扶養を抜けることになり、夫や親等の家族の税金が高くなります。

このように103万円を境に税金面で差が生じるため、「103万円の壁」と呼ばれています。つまり、「103万円の壁」とは、自分が所得税を支払わなくて済み、同時に夫や親等の家族の所得税の負担が重くならないギリギリのラインという意味です。

なお、103万円は手取り金額ではなく、何も控除されていない給与の通勤手当などの非課税の手当を除いた総支給額(額面金額)のことです。

<なぜ「103万円」なのか?>
この103万円という数字の意味は、基礎控除の38万円と給与所得控除の最低金額の65万円を足した合計の金額です。ブログや動画投稿など、ネットビジネスだけで生計を立てている方の収入は給与ではないため、「103万円の壁」ではなく、65万円を加えない「38万円の壁」になります。

<基礎控除・給与所得控除とは?>
基礎控除・給与所得控除とは、税法が収入から控除を認めている金額のことです。なぜ、このような控除があるかというと、一般に最も必要度の高いものに向けられる所得の部分は課税すべきでないと考えられているからです。例えば、病気で高額な医療費がかかる人、妻や子供がいて養育しなければならない人、収入が給与収入だけの人など、世の中にはさまざまな人がいます。それぞれ、最低限必要な収入が異なります。そこで、高額な医療費がかかった人には医療費控除、妻や子供がいれば配偶者控除や扶養控除、給与収入だけの人は自営業者のような経費が認められていないので、勤務に伴う必要経費の概算額を年収に応じた一定額を控除する給与所得控除というように、いろいろな控除を定めて税負担の公平化を図っています。複数に該当すればそれぞれの控除額を合計できます。

103万円の壁を超えると、どうなるの?

103万円を超えると、超えた収入に対して所得税が課税されます。また、夫や親等の家族の扶養家族である場合は、扶養家族ではなくなり、夫や親等の家族の所得税が高くなります。そのため、103万円を超えると損をするので、無理してでも働く時間を調整して103万円以下にしなければならないと思っている人もいるようです。

では実際にどうなのか、確認してみましょう。

<夫の扶養家族で、収入が年収110万円の場合>
【自分の税金】
仮に収入が103万円を超えて110万円になったとすると、110万円から103万円を控除した7万円に対して所得税が課税されます。7万円に対する所得税率は5%です。それに復興特別所得税2.1%を加えると、所得税の金額は3,500円(=70,000円×0.05×1.021)です(100円未満は切り捨てられます)。

【夫の税金】
一方、夫の扶養家族であった妻の収入が103万円を超えると、それまでは夫の収入から配偶者控除として38万円を控除できていましたが、これができなくなります。しかし、配偶者に関しては、代わりに配偶者特別控除という控除があります。配偶者特別控除とは、妻の収入が103万円を超えても141万円未満であれば妻を扶養家族とし、38万円より少ない金額ながらも控除できる制度のことです。ただし、夫の所得が1,000万円(12,315,790円の収入)を超えると対象になりません。

具体的に配偶者特別控除がいくらになるかというと、例えば妻の収入が110万円であれば31万円が控除できます。妻の収入が増えれば増えるほど控除額は徐々に減っていき、141万円以上になると控除額はゼロです。

夫の扶養家族である妻の収入が103万円を超えて110万円になった場合、夫の所得税は今まで38万円を所得から控除できていたのが、31万円しか控除されなくなるので、7万円(38万円-31万円)所得が増え、この金額に課税される所得税がそれまでよりも増えます。

所得税は夫の課税所得金額(年収から経費や各種所得控除を引いたもの)に応じて税率が変わります。所得税率は夫の課税所得金額が330万円の場合、10%です。仮に10%とすると、所得税は7,147円(70,000円×0.1×1.021)増加します。もし、夫の課税所得金額が低くて所得税率が5%なら10%のときの約半額が増加します。

【自分+夫の税金は?】
扶養家族である妻の収入が110万円になると、自分自身の所得税の増加が3,500円、夫の所得税は夫の年収にもよりますが10%の場合で7,147円、合計で約10,647円増加します。7万円の収入増に対して10,647円の所得税が増加しますが、この範囲であれば無理をして103万円以下に抑える必要はないと考える人もいるでしょう。

ただし、注意点があります。
会社によっては配偶者手当を1~3万円支給し、その支給条件が「税法上の扶養家族であること」としている会社があります。その場合、妻の収入が7万円増えて110万円になっても、会社からの配偶者手当の1~3万円分がなくなるため、世帯全体の収入は増えないことになります。それでは、収入を増やすために妻が一生懸命働くメリットがないと感じる人もいるでしょう。つまり、会社が配偶者手当を1~3万円支給しているケースでは、110万円まで収入を増やすよりも103万円以内に抑えるように調整したほうが良いという考え方もあるということです。

<学生で、親の扶養に入っている場合>
また、妻ではなく、学生(子供)の場合は、配偶者特別控除のような制度がないので、親の扶養家族にならないと親の所得税が増えることになります。勤労学生控除を申請すると、収入が130万円まで自分の所得税は払わなくて済みますが、親の所得税は増加するので注意が必要です。

住民税について

収入が増えれば、所得税だけでなく住民税も増加します。住民税は自治体によっても異なりますが、93万~100万円の収入があると課税されます。住民税は103万円を少し超えたからといって所得税のように大きく税額は変わりません。103万円までなら住民税は数千円~1万円程度なので、住民税よりも所得税を意識したほうが良いでしょう。

2. 「130万円の壁」との違いは?

103万の壁と130万の壁、150万の壁とは?知らないと損する「収入の壁」

103万円を超えて働こうと考えている人が強く意識しなければならないのは「130万円の壁」です。この壁を超えるのと超えないのとでは、社会保険料の負担が変わります。

130万円の壁とは

収入が130万円以上になると、親の健康保険の扶養からはずれることになりますので、国民健康保険に加入して、健康保険料を自分で支払う必要があります。アルバイト先での社会保険加入についてですが、よく勘違いされる方がいますが、年収は関係なく、アルバイト先で一定の勤務日数や時間数等を満たしていれば、会社の社会保険(健康保険と年金保険など)に加入する必要が出てきます。いずれにしても保険料の金額は多額なため、給与の手取り金額に大きく影響します。つまり、130万円以上になると扶養からはずれなければなりませんので、「130万円の壁」といわれているのです。

<社会保険料の目安>
社会保険に加入すると、給与から毎月「社会保険料」が引かれます。社会保険料は、年齢や住んでいる地域、会社が加入する健保組合によって変わってきます。例えば、30代の主婦で、東京都内在住、全国健康保険協会に加入している会社で働き、パートの年収が130万円(通勤交通費無し)の場合、一定の勤務日数や時間数等を満たしていれば、会社の社会保険(健康保険、厚生年金保険や雇用保険など)に加入する必要がありますので、社会保険料は約18万9千円程度となります。

◆年収130万円のパート主婦の社会保険料の例
※協会けんぽ、厚生年金、雇用保険の社会保険料。交通費は含まない。
130万÷12カ月=108,000=標準報酬月額110,000円
(健康保険料5,450円+厚生年金10,000円)×12カ月=185,400円
雇用保険料…130万×3%=3,900円
合計189,300円

<社会保険に加入するメリット>
ただし、社会保険に加入するとメリットもあります。
夫や親の扶養家族になっていない場合、国民健康保険に加入する必要があり、保険料は全額自己負担となりますが、一定の勤務日数や時間数等を満たすことで会社の社会保険に加入することができると、会社が健康保険料の半分を負担してくれるので、自己負担額が軽くなります。また、厚生年金の保険料を払うことで、将来受け取る年金額が増えます。こうしたメリットは大きいので、社会保険の負担が増えることは、決して無駄なわけではありません。

3. 2018年から「103万円の壁」が「150万円の壁」になる!

103万の壁と130万の壁、150万の壁とは?知らないと損する「収入の壁」

「103万円の壁」に代わって「150万円の壁」になる税制改正が決まりました。損をしないよう「150万円の壁」をしっかり理解しておきましょう。

150万円の壁とは

女性の社会進出を促進するために、「103万円の壁」をなくして、2018年から新たに「150万円の壁」にすることが決まりました。現在は、扶養家族の妻の給与所得が103万円以下であれば、所得税は課税されず、夫の所得には配偶者控除として38万円の所得控除が受けられます。また、妻の年収が103万円を超えても141万円までは、夫の所得が1,000万円(12,315,790円の収入)以下であれば、配偶者特別控除が受けられます。

2018年からは、控除を受けられる妻の年収が103万円から150万円に引き上げられます。さらに、150万円を超えても201万円までは、夫の所得が一定の範囲内であれば、配偶者特別控除が受けられるように変わります。これにより月収を約8万5,000円までに抑えていた人は12万5,000円まで増やせるようになります。

4. 150万円の壁の注意点は?

103万の壁と130万の壁、150万の壁とは?知らないと損する「収入の壁」

103万円から150万円に壁が引き上げられることは、年収を103万円以内になるように抑えていた人にとってはメリットとなる改正です。ただし注意点があります。

150万円の壁で注意すべきこと

「103万円の壁」から「150万円の壁」へ引き上げられたという点だけ見ると、103万円を超えて150万円まで働いても損することはないように思えます。しかし、150万円までの間には「130万円の壁」が存在します。「130万円の壁」を超えて働こうとすると、社会保険料の負担が発生します。

また、新しい制度では夫の課税所得金額が900万円(年収1,120万円)を超えると3段階で控除金額が減額され最終的に1,000万円(年収1,220万円)を超えると、配偶者控除が受けられなくなり、夫の税金の負担が増えます。

新しい制度になったら、パートの時間を増やそうと考えている人は、「150万円の壁」よりも「130万円の壁」を意識して、この壁を超えないようにするか、社会保険料や所得税・住民税などを差し引いても“世帯年収”が増えるような年収を意識した働き方をするといいでしょう。

5. 収入の壁を理解して効率的に働こう!

パート・アルバイトで働く際には、103万円、130万円、150万円という収入の壁を理解しておくことが大切です。「税金の話は苦手なので」と、理解しないまま一生懸命働くだけでは、損をする場合があります。
収入の壁の意味を理解し、効率的に働きましょう。