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2017年06月30日

パートで社会保険に加入するメリット・デメリットと損しない働き方

パートで社会保険に加入するメリット・デメリットと損しない働き方

パートとして働く場合、年収や労働時間などによって社会保険の加入対象になる人とならない人がいます。2016年10月から社会保険の加入対象者の範囲が拡大したため、これからパートで働こうと考えている人は、働き方によっては社会保険に加入することになります。
今回はパートとして働いている人向けに、パートが社会保険に加入するメリット・デメリット、損をしないための働き方についてご紹介します。

【目次】
1. 社会保険とは?
2. パートが社会保険に加入となる条件
3. パートが社会保険に加入するメリット・デメリット
4. 130万円、106万円の壁に悩むパートはどうすればいいの?
5. 社会保険のメリットとデメリットを考慮して、働き方を検討しよう!

社会保険とは?

パートで社会保険に加入するメリット・デメリットと損しない働き方

社会保険とは、国が国民の生活を保障するために設けた公的な保険制度です。一定の条件を満たす国民は社会保険に加入して保険料を負担する義務があり、医療保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の5種類があります。保険料は、雇用者もしくは雇用主、または両者で負担します。

加入すべき社会保険は、それぞれの立場や働き方によって異なります。ここでは社会保険の種類や、パートで働く人が社会保険の対象となるケースについて解説します。

社会保険の種類

社会保険には国民年金・厚生年金保険などの公的年金と、健康保険などの公的医療保険の2種類に加え、介護保険、労災保険、雇用保険があります。

日本国内に在住する20歳以上60歳未満の男女は職業などを問わず、全員が国民年金に加入することになっています。

企業の従業員など雇用されている人の中で、加入対象となっている人は、健康保険(協会けんぽ等)と厚生年金保険に加入することが定められています。それ以外の人(自営業や個人事業主、専業主婦、学生)が加入する公的医療保険は、各市町村が運営する国民健康保険です。

パートも社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入対象

企業の雇用主は事業所の規模などにかかわらず、一定の条件以上働く労働者を社会保険に加入させる義務があります。労働者には正社員や派遣社員(派遣社員は派遣元で加入)だけでなく、短時間労働のパートやアルバイトも含まれます。現在、国民健康保険と国民年金に加入している人や、家族の被扶養者になっている人も、条件を満たしていると、健康保険(協会けんぽ等)や厚生年金保険の加入対象になります。

パートの求人情報の待遇・福利厚生の欄に、「社保完備(社会保険完備)」という記載があるかどうか確認してみましょう。「社保完備」と書かれている企業は、条件を満たせば社会保険に加入することができます。

パートが社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入となる条件

パートで社会保険に加入するメリット・デメリットと損しない働き方

社会保険完備の会社で働く場合、パートでも社会保険の加入対象になります。以下ふたつのうち、いずれかの条件を満たす人は加入する義務があるので、詳しく見てみましょう。

①勤務時間及び日数が、正社員の4分の3以上であること
まず条件の一つに、1週間の所定労働時間および1カ月の所定労働日数が、常時雇用者の4分の3以上であることが挙げられます。

②週20時間以上の勤務、年収106万円以上など5つの条件を満たしていること
2016年10月1日から社会保険の加入対象者の範囲が拡大しました。
これまでの条件①に加え、従業員数501名以上(厚生年金の被保険者数)の企業で働く場合、週の所定労働時間が20時間以上で、なおかつ決まった月収が8万8000円以上、雇用期間が1年以上である(見込みを含む)パートの人も、社会保険の加入対象になったのです。
ただし、この条件は学生には適応されません。

<5つの条件>
1.週の所定労働時間が20時間以上であること
2.賃金月額が月8.8万円以上(*1)(年約106万円以上)であること
3.1年以上の使用されることが見込まれること
4.従業員501名以上(厚生年金の被保険者数)の勤務先で働いていること(*2)
5.学生でないこと(※夜間や定時制など、学生でも加入できる場合もある)

(*1)以下は1ヶ月の賃金から除外できる。
・臨時に支払われる賃金や1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(例:結婚手当、賞与等)
・時間外労働、休日労働および深夜労働に対して支払われる賃金(例:割増賃金等)
・最低賃金法で算入しないことを定める賃金(例:精皆勤手当、通勤手当、家族手当)
(*2)2017年4月1日からは、厚生年金の被保険者数が500人以下の企業でも、「労使合意(働いている方々の2分の1以上と事業主が社会保険に加入することに合意すること)に基づき申し出している」又「地方公共団体に属する事業所」であれば、501人以上の要件を満たすことになりました。

パートが社会保険に加入するメリット・デメリット

パートで社会保険に加入するメリット・デメリットと損しない働き方
「パートは扶養の範囲内で働けばいい」と考える人もいるかもしれませんが、社会保険の加入にはメリットもあります。パートが社会保険に加入するメリット・デメリットを解説します。

メリット

自己負担額が減る
厚生年金保険料と健康保険(協会けんぽ等)の健康保険料は、労働者側と雇用者側が原則として折半して支払います。そのため、社会保険に加入すれば、支払うべき保険料の半分を企業が負担してくれることになります。
例えば自営業や個人事業主などの場合、国民健康保険と国民年金は全額自分で支払う必要があるので、社会保険に加入したほうが少ない自己負担で済む可能性があります。

老後に受け取れる年金額が増える
厚生年金保険に加入すると、国民年金から将来受け取れる基礎年金の額に、在職中に支払った厚生年金の保険料に応じた金額を上乗せしてもらうことができます。

また、厚生年金保険の加入期間が長い分だけ、将来上乗せされる年金の額も増えます。

保障制度が手厚い
社会保険の被保険者は、条件を満たしていれば手厚い保障制度を受けることができます。もちろん社員だけでなく、パートも対象です。
例えば、けがや病気を理由に3日間連続で休む場合、給与の支払いを受けられないなどの条件を満たせば、4日目以降に傷病手当金の受給が可能です。
出産手当金や出産育児一時金なども、要件を満たしていればパートにも支給されます。

デメリット

給与の手取り額が減る
これまで専業主婦だった人や扶養の範囲内で働いていた人など、被扶養者だった人は、社会保険に加入すると毎月の手取り額が減り、損をする場合があります。

パートで働く人の収入の目安の一つに、「130万円の壁」があります。配偶者の扶養に入っている20歳以上60歳未満の人で1年間の収入が130万円未満の場合は、「第3号被保険者」として国民年金に加入できるため、保険料を自己負担する必要がありませんでした。
例えば30代主婦で、東京都内在住、年収が129万円のパートの場合、所得税と住民税合わせて5万円弱程度が手取りから引かれますが、年収が130万円になると、さらに社会保険料も負担することになるので、手取りはすべて合わせると20万円程減ることになります。
です。

また、2016年10月に社会保険の加入対象の範囲が拡大されたことにより、「106万円の壁」も加わりました。要件をすべて満たし新たに加入対象となる人は、これまでに比べ手取り額が減り、損をする場合があります。

◆年収129万円の場合の所得税と住民税
【所得税】
課税対象129万-65万-38万=26万×0.5%×1.021=13200円 …①
【住民税】
課税対象129万-65万-33万=31万×10%-2500=28500円+均等割5000円=33500円 …②

①+②=46700円

◆年収130万円の社会保険料と所得税・住民税

【所得税】
課税対象130万-65万-38万-18.9万=8.1万×0.5%×1.021=4,100円 …①
【住民税】
課税対象130万-65万-33万-18.9万=13.1万×10%-2,500=10,600円+均等割5,000円=15,600円 …②
【社会保険料】
130万÷12カ月=108,000=標準報酬月額110,000円
(健康保険料5,450円+厚生年金10,000円)×12カ月=185,400円 …③
雇用保険料…130万×3%=3,900円 …④
③+④=189,300円 …⑤

①+②+⑤=209,000円

130万円、106万円の壁に悩むパートはどうすればいいの?

パートで社会保険に加入するメリット・デメリットと損しない働き方

手取りを減らさないため、時間を調整しながら働くパートの人もいます。130万円、106万円の壁をクリアできる方法がいくつかあります。

130万円の壁

手取りを減らさないようにするためには、扶養の範囲内の年収130万円未満に収まるように働くか、社会保険料や所得税・住民税などを差し引いても“世帯年収”が増えるような年収を意識した働き方をするといいでしょう。

また、将来や老後のために、あえて社会保険に加入して働くという選択肢もあります。
社会保険料を払うと年間の手取りが少なくなるため一見損をしているように見えますが、将来受け取る年金の額は増えるため、長い目で見るとプラスになる場合があります。けがや病気、出産によって退職・休職する場合も、社会保険に加入していれば傷病手当金、出産手当などの各種手当を受けることができます。

106万円の壁

「勤め先の従業員数(厚生年金の被保険者数)が501人以上(*)」「月収が8万8000円以上」「労働時間が週20時間以上」「雇用期間が1年以上」という条件のうち、どれか一つでも満たさなければ社会保険の加入対象から外れることができます。
つまり、年収が約106万円以上になったとしても、従業員数が500人以下の企業(*)で働いているのであれば加入の対象にはなりません。また、残業代によって月収が8万8000円以上となり結果的に年収が約106万円になったとしても、月々の決められた賃金が8万8000円に満たなければ対象外です。

*2017年4月1日からは、厚生年金の被保険者数が500人以下の企業でも、「労使合意(働いている方々の2分の1以上と事業主が社会保険に加入することに合意すること)に基づき申し出している」又「地方公共団体に属する事業所」であれば、501人以上の要件を満たすことになりました。

もう一つが、労働日や時間を調整してパートを掛け持ちし、2つの会社でそれぞれ月8万8000円未満を稼ぐという方法です。ただし、この場合は合計年収が130万円以上にならないように注意しましょう。

もちろん、年間の手取り額は減るものの、長期的なメリットを考えて、保障などが手厚い社会保険に加入して働くという選択肢もあります。

社会保険のメリットとデメリットを考慮して、働き方を検討しよう!

「手取り額を減らしたくない」という人にとっては、パートで社会保険に加入することにデメリットを感じるかもしれません。しかし、老後にもらえる年金の額が増えたり、休職・退職時に手厚い保障を受けられたりするなど、社会保険に加入して得られるメリットも少なくありません。
人によっては収入を調整するのではなく、社会保険に加入して働く時間を増やしたほうが、結果として得をするケースもあるでしょう。
パートとして働く際は、社会保険に加入するメリット・デメリットを知った上で、自分自身の働き方を検討してみることをおすすめします。