【2026年】パート・アルバイトの社会保険の加入条件とは? メリット・デメリット、損しない働き方

- パートやアルバイト先の社会保険の加入条件は、勤務時間・日数・月収などがあります
- 2026年10月以降は、106万円の壁(収入要件)は撤廃され、勤務時間や日数が主な条件になります
- 社会保険の加入で、年金額は増加、手取り額は減少するので、自分に合う働き方をすることが大切だとわかります。
パートやアルバイトとして働く場合、年収や労働時間などによって社会保険の加入対象になる人とならない人がいます。今回はパートやアルバイトに関係する社会保険(健康保険・厚生年金)に加入するメリット・デメリット、損をしないための働き方についてご紹介します。
社会保険とは
社会保険とは、年金保険、医療保険、介護保険、雇用保険、労災保険の5種類を指す国が運営する公的な保険制度を指します。
一方で、一般的に「社会保険」というと、会社などに雇用されている人を対象にした健康保険(協会けんぽ等)と厚生年金保険(共済年金なども)の2つを示すことが多いです。
社会保険の加入条件に当てはまると加入義務が発生し、保険料は、保険に加入する被保険者もしくは雇用主、または両者で負担します。加入条件は、それぞれの立場や働く日数や時間、収入額によって異なりますが、配偶者や親などの社会保険の扶養に入っている人でも、その条件に当てはまると自身の勤務先で加入することになります。そうなれば扶養から外れ、自ら保険料を払うことになります。
ここでは、パートやアルバイトで働く人が社会保険の対象となるケースについて解説します。
2026年のパート・アルバイトの社会保険の加入条件
社会保険完備の会社で働く場合、2ヵ月を超える契約のパートやアルバイトも社会保険の加入対象になります。以下のうち、いずれかの条件を満たす人は加入する義務があるので、詳しく見てみましょう。
勤務時間及び日数が、正社員の4分の3以上
パートやアルバイトなど短時間労働者の社会保険の加入条件は、常時雇用者(≒フルタイムの正社員)の月の労働日数と1週間の労働時間が4分の3以上であることが必要です。この条件は、社会保険完備の勤務先で働く場合、会社の規模、年収の額、社会人か昼間の学校に通う学生かに限らず、適用されます。
2026年10月から、106万円の壁は撤廃される
上の「勤務時間・日数が正社員の4分の3以上」に該当しなくても、働き方と希望規模に応じて加入条件が定められています。2026年10月からは、通称106万円の壁(月収8.8万円)の基準が撤廃されます。
- 週の所定労働時間が20時間以上(※1)
- 2ヵ月を超えて使用されることが見込まれること
- 従業員51名以上(厚生年金の被保険者数)の勤務先で働いていること(※2)
- 学生でないこと(※3)
- ※2026年9月までは、月8.8万円以上(年約106万円以上)であること→10月から撤廃
(※1)勤務時間が時期により変動する人は、「常時週20時間以上」と見なされれば加入、繁忙期などで一時的と判断すれば加入対象になりません。詳細は、各健康保険組合に確認すると良いでしょう。
(※2)厚生年金の被保険者数が、加入条件より少なくとも「労使合意」又「地方公共団体に属する事業所」であれば、人数の条件によらず加入することもあります。
(※3)次の学生は、1社で上で解説した週20時間以上など(1〜3、5)に当てはまれば加入対象になります。
- 夜間学生や定時制課程、通信教育の学生
- 休学中
- 卒業見込み、かつ、卒業後も同じ会社に勤務予定
- 大学院に在籍中(会社の業務命令による通学に限る)
- 出席日数によらず、他の従業員と同程度に勤務
社会保険【企業規模】の条件は、2027年以降も拡充される
2026年10月の収入要件以外にも、この先、2027年10月からは企業規模の要件が拡充され、社会保険の加入条件に該当する人が増えることが見込まれています。
2026年10月からは、週20時間以上の労働で対象になる
| 拡充予定時期 | 企業規模(人数)要件 |
|---|---|
| 2027年10月 | 36人以上 |
| 2029年10月 | 21人以上 ※常時5人以上の個人事業所も全職種で適用開始 |
| 2032年10月 | 11人以上 |
| 2035年10月 | 撤廃 |
社会保険に加入するメリット
「パートは扶養の範囲内で働けばいい」と考える人もいるかもしれませんが、社会保険への加入にはメリットもあります。
保険料を会社と折半できる
厚生年金保険料と健康保険(協会けんぽ等)の健康保険料は、労働者側と雇用者側が原則として折半して支払います。そのため、社会保険に加入すれば、支払うべき保険料の半分を企業が負担してくれることになります。
例えば自営業や個人事業主などの場合、国民健康保険と国民年金は全額自分で支払う必要があるので、社会保険に加入したほうが少ない自己負担で済む可能性があります。
老後に受け取れる年金額が増える
厚生年金保険に加入すると、国民年金から将来受け取れる基礎年金に加え、在職中に支払った厚生年金保険料に応じた金額を受け取ることができます。
また、厚生年金保険の加入期間が長い分だけ、将来上乗せされる年金の額も増えます。

手厚い保険制度が利用できる
社会保険の被保険者は、条件を満たしていれば手厚い保障制度を受けることができます。もちろん社員だけでなく、パートやアルバイトも対象です。
例えば、業務外のけがや病気を理由に連続して3日間仕事に就けなかった場合(待期期間)、4日目以降も仕事に就けず、かつ給与の支払いがない日について傷病手当金を受給することができます。
なお、待期期間の3日間には、有給休暇や土日・祝日なども含まれます。
出産手当金や出産育児一時金なども、要件を満たしていればすべての雇用形態の人に支給されます。
社会保険に加入するデメリット
社会保険は、基準を満たすと加入義務があるものです。加入によって生じる影響は、給与から保険料が差し引かれるため、当面の「手取り額が減少する」という点が挙げられます。
手取りが減る額は、住んでいる場所や年齢によって変わりますが、年収の壁をギリギリ超えると概ね15〜20万円程度、手取り年収が減るのを目安に考えると良いでしょう。
なお、年収の壁を超えても手取り収入を減らさないための対応も現在行われています。2023年10月から実施されてきた「年収の壁・支援強化パッケージ」の特例措置に続き、2026年4月からは「短時間労働者労働時間延長コース」が新設されています。年収の壁を超えても手取り収入を減らさないための企業の対応や導入状況はそれぞれ異なりますので、詳細は勤め先の担当者にご確認ください。
扶養内で働きたいと考えるパート社員の対処法
夫(妻)の扶養に入っている主婦主夫の場合、扶養を外れると保険料を自己負担するため、目の前の手取りは減ってしまいます。今は、手取りを大事にしたい人は、どうすればよいでしょうか。
扶養内で働きたいことを会社に伝える
扶養範囲内を維持したい人は、会社に扶養内で働きたいことを明確に伝えることが大切です。
掛け持ちしている人は、それぞれのパート先で働きたい金額の上限を率直に伝え、パートやアルバイト先との労働契約書に、所定労働日数や時間が扶養内に収まる内容で締結するようにします。
基準の改正により、ゆくゆく加入対象になりそうな人は、改正前に契約書の修正をパート先と相談しておきましょう。2026年10月の改正で影響が出る人は、8月9月の間に確認が必要です。
掛け持ちを利用して130万円ギリギリまで稼ぐ
1社で週20時間未満の勤務をして、別のパート先で掛け持ちをすることで130万円ギリギリまで収入を得る方法もあります。ただし、130万円の扶養条件で考慮される収入は、通勤手当、家族手当なども合算して考慮されるので注意が必要です。一方、2026年4月以降は、雇用契約書にある労働時間を基準に判定するので、不定期な残業代は原則として除いて判断されるようになりました。
社会保険の加入後で得られることを考えて、自分らしい働き方を選びましょう!
「手取り額を減らしたくない」という人にとっては、パートやアルバイトで社会保険に加入することにデメリットを感じるかもしれません。ですが、老後にもらえる年金の額が増えたり、休職・退職時に手厚い保障を受けられたりするなど、社会保険に加入して得られるメリットも少なくありません。社会保険に加入するメリット・デメリットを知った上で、自分自身の働き方を検討してみることをおすすめします。
※当記事は、社労士の監修をしています。
※更新履歴:
2019年4月7日(初回公開)
2026年7月9日
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。