社会保険完備(社保完備)とは?バイトやパートの加入条件や加入のメリットを解説

バイトやパートの募集の広告にある「社会保険完備」や「社保完備」という言葉。この記事では、社会保険完備の意味や社会保険加入の条件、社会保険に入ることでどんなメリットがあるのかなどを解説します。
- 社保完備とは、加入要件を満たす従業員が社会保険に加入することです
- バイトやパートも、労働時間や雇用見込みなどの条件により加入対象となります
- 会社の社会保険は保険料を会社と分担でき、将来受け取る年金も増えます。
社会保険完備(社保完備)とは
求人情報などで見られる「社会保険完備(社保完備)」とは、その会社の従業員は加入要件を満たせば、社会保険に加入する、という意味になります。
「社会保険」とは、生活するうえで必要な社会保障制度の総称で、「健康保険」「厚生年金保険」「雇用保険」「労災保険」などをひとまとめにしたものです。アルバイトやパートでも、以下の条件を満たしていれば、社会保険に加入することになります。
社会保険加入の条件
アルバイトやパートが勤務先の社会保険への加入は、労災以外は、労働時間などの条件を満たす必要があります。
健康保険・厚生年金保険の加入条件
勤務先の健康保険・厚生年金保険は、以下①②いずれかで加入することになります。
①1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が正社員の3/4以上
パートやアルバイトなどの非正規雇用でも、正社員の3/4以上の時間や日数を働いている人は加入対象となります。
ただし、最初の雇用契約が2ヶ月以内の期間を定めている場合には、条件にあてはまっていても加入できません。契約期間が2ヶ月を超えるか、超えることがわかった時点で加入することになります(※)。
・就業規則、雇用契約書等で、その契約が「更新される旨」、または「更新される場合がある旨」が明示されている場合
・同一事業所において、同様の雇用契約の労働者が更新等により最初の雇用契約の期間を超えて雇用された実績がある場合
②労働時間など4条件を満たしている
月額賃金8.8万円以上(いわゆる年収106万円の壁)という賃金要件は、2026年10月の撤廃前までの加入要件です。撤廃後は、賃金額にかかわらず、週20時間以上など、ほかの加入要件を満たすと社会保険の加入対象になります。
<社会保険加入の適用条件>
- 週の所定労働時間が20時間以上であること
- 2ヵ月を超えて雇用されることが見込まれること
- 厚生年金保険の被保険者数が51人以上の勤務先で働いていること(企業規模要件は2027年10月から36人以上、2029年10月から21人以上、2032年10月から11人以上へと段階的に引き下げられ、2035年10月に撤廃される予定)
- 学生でないこと(※夜間や定時制など、学生でも加入できる場合もある)
雇用保険の加入条件
1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上雇用される見込みがあること。ただし、こちらも学業が本分である昼間学生は加入することができません。
労災保険の加入条件
会社で労働者として使用されていれば、全員労災保険の対象になります。
フリーターが社会保険に加入するメリット
学生でないアルバイトのフリーターの場合、国民年金の支払い義務(20歳以上60歳未満の場合)があるほか、健康保険も原則として年収130万円以上になると親など家族の扶養に入れなくなり、自身で国民健康保険に入る必要があります。
会社の社会保険に加入すれば、会社が厚生年金と健康保険の保険料を半分負担してくれ、自身で国民年金と国民健康保険に加入するよりも年収によっては安く済み、さらに将来もらえる年金も増えます。長期的にフリーターを続けるのであれば、勤務先の社会保険に加入しておく方が得策と言えるでしょう。
主婦・主夫が社会保険に加入するメリット
パートで働く主婦や主夫の場合、原則として年収130万円以上になると配偶者の社会保険の扶養を外れ、勤務先の社会保険の加入要件を満たしていなければ、自身で加入手続きする国民健康保険や国民年金の支払い義務が生じます。
会社の社会保険に加入すると保険料は、会社が半分負担してくれます。そのため、年収130万円以上稼ぎ、自身で国民健康保険や国民年金を払っている人の場合は、年収によっては会社の社会保険に加入する方が自己負担額は減り、将来の年金は増えることになります。
稼ぎたい年収と比較しながら検討を
社会保険の加入は、国民年金や国民健康保険の保険料を自身で負担している人にとってはメリットがありますが、現在扶養内で働いている人が加入となった場合、年収によっては手取りが大きく減ることになります。職場の加入条件を確認しつつ、自身に合った働き方を選んでみてください。
特定社会保険労務士。国内大手生命保険会社、大手企業のシステムインテグレーターなどを経て、独立開業。人事労務のスペシャリストとして、上場企業からスタートアップまで最先端を走る企業の労務管理・就業規則の作成などを得意としている
https://akita-sr.com/
※公開履歴:2016年09月11日、2024年10月1日、2026年9月11日
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