アートカフェのアルバイトとは? 仕事内容、やりがい、大変なことについて聞いてみました
ドリンクや食事を楽しみながらアートも楽しめるアートカフェ。今回は、天王洲にあるアートギャラリーカフェ『WHAT CAFE』で働くスタッフに、具体的な仕事内容ややりがい、必要な資質などについて聞いてみました。
モリさん/アルバイト歴5ヵ月
ワタナベさん/採用担当
アートカフェのアルバイトの仕事内容とは
施設全体の運営管理が私たちの仕事
WHAT CAFEは、様々なアーティストの作品を展示し、訪れる人がカフェでゆっくり過ごしながら新たなアート作品と出会う機会を大事にしています。そのため、店内のドリンクやフード提供は協力会社と連携し、私たちは、展示する作品の企画や演出など、施設全体の運営管理に力を入れています。店舗運営に関わるアルバイトの仕事は、お店の開店時や閉店時に、店内の不備や不具合がないか確認したり、展示会コンセプトに合わせて流しているカフェ内の映像やBGMのセッティング、Webサイトの問い合わせフォームに送られたお客様からの問い合わせ対応などを行います。店内でライブペイントやドローイングなどのイベントを行う際は、その準備や進行も担当します。
アート作品の接客販売、店内の見回り
カフェオープン後は、アート作品に興味を持たれているお客様へお声がけなど接客や販売、店内の見回りが主な業務になります。特に店内の見回りは、アーティストの大切な作品を守る上でとても重要な仕事です。傷や汚れがないか、誤って手を触れてしまうお客様はいないか等を見ながら、スタッフで交代してお客様にアート作品をご案内します。また、アート作品は温度・湿度管理がとても大事なので、1日3回、店内の温度・湿度をチェックしています。
次回の展示の準備やSNS告知など
バックヤードでは、次の展示会の準備も並行して行います。アーティストから作品が納品されたら、専門のスタッフと一緒に作品を検品します。1作品ごとに画像と合わせて丁寧に確認を行い、気になる点があれば該当箇所を撮影して社員に報告します。また、会期中は、SNSで作品やアーティストの紹介を投稿するので、投稿内容をアーティストに確認したり、在廊時にお声がけをして確認したりします。そのほか、次の展示会の作家情報を調べてプロフィールボードを作成したり、ライブペイントなどイベントの準備も行います。
アートカフェで働きたいと思った理由は?
もともと芸大出身で、将来はギャラリーを経営するギャラリストになるのが夢なんです。そのためにギャラリー運営を学べる会社を探していました。『WHAT CAFE』を選んだのは、若手アーティストと、初めてアートに触れ“ファーストピース(初めて購入するアート作品)”を求めるお客様とが出会える場所という特徴に惹かれたからです。単なるギャラリーではなく、カフェを併設してカジュアルさも演出したアートカフェという業態にも魅力を感じました。
アートカフェバイトの楽しいこと、やりがい
一番のやりがいは、アート作品を初めて買うお客様の“ファーストピース”と若手アーティストとの出会いを手伝えることです。ふらっと立ち寄ったお客様がお気に入りの1枚を見つける、そんな出会いの場に立ち会えるのは毎回ワクワクしますし、アート購入のお手伝いを通して、お客様とアートへの感動や興奮を共有できるのは何よりも嬉しいです。また、『WHAT CAFE』は、20名前後のループ展が中心なので、自分も知らなかった若手アーティストにたくさん出会えます。私自身も絵を描くので、展示作品を確認している時に「どんな手法なんだろう?」と興味が湧いたり、刺激を受けることが多いですね。
アートカフェバイトの大変なところ
スタッフにとっては当たり前でも、初めてアートに触れるお客様にはわからないことも多いので、難しく感じさせないよう嚙み砕いた解説を心掛けています。また、見方がわからないという方には、気になった作品を遠くと近くで両方見てからキャプションを読むなど、私なりのおすすめの見方をお伝えしたり、アートを身近に感じてもらえるよう工夫しています。見回り中にお客様にお声がけをする際も、強い口調になったり威圧感を与えることのないよう、穏やかに対応するようにしています。特にお子さんは走り回ってしまうこともあるので、自分が慌てず注意を促すようにしています。
アートカフェバイトは、こんな人におすすめ
アートに興味がある、精通しているというのが前提の仕事になりますが、アートという文脈を除けば、人と接することが好きな人に向いているアルバイトだと思います。アーティストとのやりとりやお客様へのご案内にはコミュニケーション力が必要になりますし、ファーストピースを購入するお客様のお手伝いがしたいという気持ちを持っている人が活躍できる場だと思います。
採用担当者に聞く、面接で重視していることとは?
アートが好きなだけでなく扱い方も分かっている人
アート作品を扱う仕事上、アートの触れ方や扱い方をある程度分かっている必要があるため、美大・芸大出身者やアーティスト活動をされている方を中心に採用をしています。ただ、美大・芸大出身でなくても、扱い方やアーティストについて学ぶ意欲があり、アートが大好きで将来はアート業界でアートマネジメントやギャラリストとして働きたいという熱意がある人も歓迎しています。
明るさ、コミュ力、作品の良さを伝えられる人
ギャラリースタッフは、お客様やアーティストとのやりとりが多い仕事なので、コミュニケーション力は重要視しています。アート作品やアーティストに敬意を持って、初めてアートに触れるお客様に難しく感じさせないよう分かりやすく自分の言葉で伝えられる人にぜひ活躍してほしいですね。
◆取材協力
WHAT CAFE
https://cafe.warehouseofart.org/
東京都品川区東品川2-1-11
営業時間11:00 – 18:00 不定休
※展覧会期中は異なる場合があります。詳しい営業日・営業時間は店舗へご確認ください。
取材・文:金井さとこ 撮影:八木虎造
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。