バー（Bar）でバイトしてみたい！仕事内容、やりがい、大変なこと、向いている人について聞いてみた

雰囲気の良い空間で、お酒を提供するバーのお仕事。そこでのアルバイトは、どんな役割を求められるのだろうか。仕事内容、やりがいや苦労、どんな人が向いているかなど、気になるポイントを「Jazz & Bar Harbor Light（以下ハーバーライト）」でバイトをする大学生の中村さんに聞いてみました。

バー（Bar）バイトの仕事内容

メイン業務はお客様とのコミュニケーション

バーのアルバイトの主な仕事は、お客様とお話をすることです。一般的な居酒屋とは違い、バーに来られる方は会話を求めて来られる方も多いため、カウンターではお客様と積極的にコミュケーションをとることが大事になってきます。

ほかには、お客様のオーダーを受けたり、ドリンクの片付け、セッティング、洗い物、お会計、氷作り、お通しの準備、ビールサーバーの清掃などがあります。このあたりは、バー以外の飲食店のアルバイトとさほど変わりはないと思います。料理は専門のスタッフが在籍しているので、バイトはナッツやチョコレートなどの簡単なお通しの盛り付けのみを行なっています。

シェイカーを使うかはお店による

ハーバーライトではマスターがお酒作りを担当しています。なので、バイトがシェイカーを振ることはありません。ただ、ストレート、ロック、水割り、ソーダ割りなど簡単なお酒はバイトでもつくるため、マドラーやシェイカーカップの使い方は覚える必要があります。お客様が見ている前で作るのは緊張感がありますが、慣れていけば正しい所作を身につけることができます。

 

バー（Bar）バイトのやりがい・楽しいこと

年上の方と話すことで社会勉強になる

学生だとなかなか出会えない、年上の方とお話しできることは貴重な社会勉強だと思います。自分より多くの経験を積まれたお客様ばかりなので、仕事や人生に関するアドバイスをじっくり教えていただけるのは嬉しいですね。バイトで年上の方と話すことに慣れたお陰で、就活の面接では面接官の方との会話も緊張せずに臨めました。

お酒に興味が持てるようになる

お酒を愉しく飲めるようになったのも良かったですね。もともとは弱かったのですが、アルバイトの経験を通して、お酒の美味しさや上手な飲み方を学べたと思います。働きはじめたころは違うバーにも通い、同じドリンクをオーダーしてお店との味の違いを愉しんでいましたね。余談ですが、ハーバーライトのジントニックが一番美味しいと思っています（笑）。

制服がカッコイイ

制服を着ると、背筋がピンと伸びます。友達が遊びに来てくれた際も、いつもの私服と雰囲気が違うので「カッコイイ」と言ってもらえました。ちなみに、制服は貸してもらえるところが多いみたいですよ。

 

バー（Bar）バイトのきついこと・大変なこと

たくさんのお酒を覚えるのが大変

当たり前ですが、バーには豊富なドリンクメニューがあります。ハーバーライトでも約300種類のお酒があり、最初はカクテルの名前も全くわからなかったです。覚えるまでは苦労しましたが、普段の自分だったらオーダーしないお酒を知れるというのは、ありがたかったですね。生意気と思われるかもしれませんが、そのおかげでスコッチウイスキーのシングルモルトが好きになれました（笑）。

お客様に合わせた会話が難しい

バーでは礼儀をわきまえながらも、お客様ごとに適切な距離をとった会話が求められると思います。私はお客様に合わせて相槌や話し方を変えていました。ただ、新規のお客様は距離感を掴むのが難しいです。
新人の時は、プライベートでお店に飲みに来ては先輩の接客を学んだり、お客様からアドバイスを頂く中でできるようになりました。とはいえ、バーは常連さんが多いお店なので、喋っていけば慣れてくると思います。

終わる時間が遅い

バーが混み始めるのは21時頃からなので、終わる時間が遅いです。終電を逃す場合もあります。なので、家が遠い人は閉店時間が遅いお店だと大変だと思います。反対に、21時頃までは忙しくないことが多く、瓶やグラスを拭くなどお客さんを迎える準備をしています。

 

バー（Bar）バイトに向いている人は？

バーでのバイトに向いている人について、現役大学生バイトの中村さんと、オーナーの大村さんに聞いてみました。

好奇心と素直さ

1つは、好奇心が旺盛な方。いろんなお客様がいらっしゃるので、自分が知らない分野でも楽しく会話ができることは重要です。どんな話題でも興味を持てる人なら、楽しく働けるんじゃないかと思います。もう1つは、私も常に意識しているのですが、素直であること。知ったかぶりをすると、会話がスムーズに進まず、お客様との会話の内容も薄くなってしまいます。なので、わからないことは素直に聞くことが大切です。

お酒だけでなく、会話が好きな人

お酒は弱くても構いませんが、強いに越したことはないでしょう。バーではお客様からお酒をいただくことがあります。無理に飲む必要はないのですが、断ってしまうと会話が途切れてしまうんですよね。もちろん、お店にとってもプラスなので、できればお酒を飲みながら、楽しい会話をしてほしいと思います。

あとは、繰り返しになりますが、会話が好きな方。バーには1人で来られるお客様が多いです。そのため、お酒を愉しみに来るのと同時に、会話を求めて来られる方も多いんです。なので、私としては、上手じゃなくてもお客様と会話してくれると助かりますね。人見知りでシャイな性格の子よりは、愉快な子のほうが重宝されるでしょう。

また、バーで大学生を採用しているところは少ないと思います。お客様とは年齢が離れているため、スムーズな会話ができないことが多いんですよね。でも、そこは私を含めて指導次第だと思っています。最初はバー独特の空間に戸惑うかもしれませんが、会話をする気持ちさえあれば大学生でも十分務まります。そして、慣れてくればきっと財産になる経験が積めると思いますよ。

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取材・文／小野洋平（やじろべえ）
撮影／松倉広治