コールセンターバイトが怖かったけど、実態を調査したらイメージが180度逆転した
※取材協力:りらいあコミュニケーションズ
こんにちは。ライターのたかやです。
皆さん、バイトの時給は高い方がいいですよね。僕もそう思います。お金超好きだから。
時給が良いバイトの代表例が「コールセンター」だそうです。
コールセンターの仕事といえば、お客様から掛かってきた電話を受け付けて適切な対応をする…といったイメージがあります。
……が、これはあくまで僕個人が思っていることなんですが
怖い。正直、コールセンターで働くのってすごい抵抗ある。
だって電話をかけてくるお客さんの中には、めちゃめちゃに怒ってる人もいるかもしれないじゃないですか。
「テメーんとこの会社はどうなってんだ○△×□くぁwせdrftgyふじこlp!!!」みたいな!「責任者だせや!!!」とか!…いや、あくまでイメージなんですけどね!
自分で言うことじゃないんですが、僕はほんの些細な刺激で凹んでしまうガラスのハートの持ち主。そんな僕が、コールセンターでバイトしてクレームの電話を受け取った日には…もう…ねぇ(泣)
加えて人と話すのも苦手という、おそらくコールセンターで働くのに最も向いてない人間じゃないでしょうか。ずっと柔らかい毛布に包まれてたい。
でも『コールセンターは時給がいい』という情報にも惹かれるところ…。お金欲しいしな~。う~~~ん。
…と思ったのでこの記事では「コールセンター」のアルバイト先に取材してみました。
結論から言わせてください。
コールセンター、超良いバイトでした。僕みたいなオドオドした人間でも働けそうでした。
あと学生にも向いてるバイトだったことが分かりました。特に「就活に向けて力を付けたい」と考えてる学生さんには是非とも読んで頂きたいです。
取材前は「コールセンター怖そう」と思い込んでましたが、
そんな僕の思い込みがひっくり返された一部始終をご覧ください。
コールセンターのアルバイト先に潜入!
今回はコールセンターの運営・マーケッターの人材派遣などを業務としている「りらいあコミュニケーションズ株式会社」さんにお邪魔しました。
この会社でアルバイトとして働かれている方数名に「そもそもコールセンターってどんな仕事内容なのか」をインタビューしてみたいと思います。
こちらがりらいあさんのオフィス。皆さん真剣にお仕事をされています。
「やっぱりヘッドギアつけてると、ロボットアニメでよくある“基地から指示を送る司令官ごっこ”とかしたくなっちゃうんですか?」と質問をしたところ普通に苦笑されました(お仕事の邪魔してすみません!)
コールセンターで働かれている方へのインタビュー!~1人目・Tさん(大学4年生)~
ここからが本題!
まずはコールセンターでのアルバイト歴1年目・Tさん(男性)にインタビューをします!Tさんの主な業務は、停電に関する問い合わせの対応、CS放送の通販の窓口をされています!お仕事の都合上、お顔は伏せてのご協力です。
たかや:「いきなりで大変失礼なんですが、僕、コールセンターのバイトだけは絶対したくないって思ってるんですよ」
Tさん:「本当にいきなりですね…」
たかや:「だってコールセンターって「怒りをぶつけてくる電話が多い」って印象しかないんですもん!
僕、コンビニとかで店員さんが他のお客さんに怒鳴られてる場面を観ると「うわ~、キッツ~~」って、自分が言われてる訳でもないのにかなり凹んじゃって…。コールセンターで働くってことはその怒りを自分が受けるから、僕には絶対に向いてない!」
Tさん:「いえ!たしかに、厳しいご意見の電話をお受けすることもあります。しかしそう言った内容の電話はごく稀で、基本は普通の質問やご要望へのお電話がほとんどです」
たかや:「え! ひっきりなしにクレームの電話が鳴りっぱなしなもんだと…。『おたくの会社の新しいサービス、○○がないやり直し。FF外から失礼しました』みたいな電話もかかってこないってこと?」
Tさん:「そんなTwitterのリプライの様な電話はかかってきません」
たかや:「電話を受けたら、声色だけで僕の年齢や住んでる地域を特定できる念能力者のお客様も?」
Tさん:「念能力者のお客様はいません!」
たかや:「それは安心しました。…そもそも一回の勤務時間でどれぐらいの電話を受け取るんですか?」
Tさん:「自分の業務内容は停電に関する問い合わせなんですが、一回の勤務時間で4~5件くらいですね」
たかや:「あれ? 思ってたより全然少ない」
Tさん:「その中で、更にクレームのお問い合わせとなると、本当にたま~にかかってくるぐらいですね。勤務に入って、クレームの電話がないことはよくあります」
たかや:「クレームが来る確率の方が低かった…」
Tさん:「勿論、コールセンターを設置している企業はたくさんあるので、業種によってクレーム件数の割合も違ってくるとは思います。ですがうちの場合は比較的その様なお電話は少ないかと思います。逆に、自分が上手くご案内できなかった時に「大丈夫だよ」と労いのお言葉をくれるお客さんもいたり」
たかや:「なんて良いお客さん…!でもクレーム件数が少なくても、怒られるということはやっぱり辛くないですか?」
Tさん:「たしかに理不尽な事を言われると体力を削られることもありますね。ですが、そういう時はまずお客様の怒りがどのベクトルに向いているのかを知る努力をします。お客様が僕の対応に怒りを感じているのなら謝罪を。会社のサービスなどに対しての文句や質問だったら、マニュアルに沿って問題解決に導く…そうしていく内に、お客様も自然と冷静になってくれるんですよ」
たかや:「なるほど…。相手の怒りの矛先が何に向いているかを理解するのが大切なんですね」
Tさん:「お客様自身も『自分が何に怒っているのか』を理解できてないパターンが多いんですよ。お客様に落ち着いてもらうためにも、こちら側が焦らず、落ち着いて対応しなければなりません」
たかや:「焦らず、落ち着くことが大事。コールセンターに限らず、様々なことに当てはまりますね…」
Tさん:「もちろん、向いている・いない人の適性はあるかもしれません。誰だって厳しいことを言われたらツラいし、電話を受け取った瞬間に怒鳴られることもあります」
たかや:「ひぇ…。電話受け取った瞬間に…」
Tさん:「ですが同僚や社員の方も「まぁ、こういうこともあるよね。そんな気にしなくていいよ!」とサポートしてくれるのでそこまで苦ではありません」
たかや:「疲れやストレスを周りと共有するのは大事なんですね」
Tさん:「むしろ、自分がお客様からの要望を理解しきれず、「ちょっと時間ないからまた今度電話かけるね」と言われたときは悔しかったですね」
たかや:「僕より年下なのにしっかりしすぎじゃない?」
たかや:「でも僕、そもそもが人と話すのがマジで苦手なんです。会話って言葉のキャッチボールじゃないですか。でも脳の情報処理が全然追いつかなくて…。相手からしたら結果アタフタしてしまう。やっぱり僕じゃコールセンターは無理なんじゃ…」
Tさん:「そんなことないですよ!僕も入る前は「上手く喋れるのかな」と不安でした。でも電話応対を繰り返していく内に会話スキルも上達していきます。ですので会話が苦手な方や初心者でも安心して働けるんじゃないでしょうか」
たかや:「初心者でも?!…じゃあちょっと試しに、「僕がコールセンターで働いてみた」と仮定して、電話応対をしてもいいですか?」
Tさん:「え?! この場で電話応対をしてみるんですか?」
たかや:「初心者でもできるなら、僕みたいな喋り下手でもできるってことですからね!」
~筆者、コールセンターの電話応対を体験~
プルルルル!プルルルル!
たかや:「は、はい!お電話承りました!」
仮想お客様:「…早く来てほしい!」
たかや:「…き、来て?!と、言いますと?!どこに?!」
仮想お客様:「おたくの○○の××についてよくわからないから、家まで来てほしいんです!」
たかや:「…………へ?」
たかや:「家までですか?!…えっと! それは、…えっと…その?」
仮想お客様:「自分じゃ全然わからないんです!早く!!!」
たかや:「(なになになになに?!どういうこと?!家に来てってなに?!やばい!!全然わかんない!!何を言えばいいの?!えーっと!え~~~~っと)」
たかや:「…はい!参考になります!!!」
流石に酷すぎるため強制終了
たかや:「騙したな…」
Tさん:「騙してません!」
たかや:「なんて返せばいいのか全く思いつきませんでした(泣)っていうか難しすぎません?! 『家に来て』ってなに?!」
Tさん:「勿論、今のはかなりレアケースです。ですが、稀にこういったイレギュラーな事態も起こります。そんな時にはマニュアルに沿って問題を解決していきます」
たかや:「コールセンターって対応マニュアルが存在するんですか?」
Tさん:「お客様からの要望・疑問を的確に解決するために、「こう言われたら、こう返す」といったマニュアルに沿って電話応対をさせていただいてます」
社外秘のため中身はお見せできませんが、様々なパターンに沿っての対応が記載されています。
Tさん:「流石に、今日初めて挑戦して完璧な電話対応ができることはありません。この会社ではアルバイトに入ったら2か月の研修期間があるので、そこで受け答えの基本を学んでいただきます」
たかや:「2か月も研修?! なっが!」
Tさん:「お客様からしたら電話越しの相手が新人かどうかなど関係ないので、適切な応対ができなければいけませんからね」
たかや:「徹底してるなぁ。凄い…!」
Tさん:「それでも自分1人では応対が困難だった場合、社員の人がヘッドフォン共有して自分とお客様の会話を聞いてくれているので、言葉に詰まったら横から救けてくれます。なのであまり会話で躓くことはありません」
たかや:「え、ヘッドフォンにそんな機能が!?ハイテク…!
社員さんも一緒に聞いてくれるんだったら、たしかに初心者でもすごく安心だ!」
コールセンターアルバイトのメリット・デメリット
たかや:「もしかしてコールセンターのバイト…怖くないんですか?」
Tさん:「そうですよ!むしろ良い点がたくさんありますよ。やっぱり時給はいろんなバイトと比べて高い方だと思います。あと電話での受け答えが基本なので、服装や髪形にそこまで制限がないんです」
たかや:「へー!じゃあ、金髪の人もいるんですか?」
Tさん:「バイトで働かれている人の中にはいますね。あまりにも派手だったりダラしないのは当然NGですが」
たかや:「髪型が自由なのは大学生とかにはありがたいかも!」
Tさん:「見た目にある程度自由が利くので、中には役者や声優を目指している人、バンドマンなんかもアルバイトで入ってたりしますね」
たかや:「バンドマンも!?たしかに髪型にこだわり持ちたい人にはオススメできますね。でも、自分の隣の席でパンクロッカーによくいる肩にトゲトゲがついてる人座ってたら大変じゃないですか?」
Tさん:「流石にそこまでの人はいません。そういう人達もバイトの時は普通の服着てると思うし」
たかや:「たしかに…。普段なら知り合うことのない属性の人と交流が持てるのは楽しそうですね」
Tさん:「他にもお客様にビジネス用語で話すことが必須なので、敬語の正しい言い回しなどが身につきます。バイトでビジネスマナーを習得できたおかげで就活では『めちゃくちゃ役に立ったな』と感じました」
たかや:「なるほど!僕も就活のときは正しい敬語とか全然わからなかったから、バイトでその知識を得れるのは良いなぁ!」
Tさん:「大体の学生って、就活講座とかに参加しない限りそういったマナーを身に付けられないじゃないですか。バイトをやりながら、社会に出る上で必要なスキルが獲得できるのは一石二鳥だなと思います」
たかや:「たしかにインタビューを始めてまだ数分ですが、大学生のTさんの方が僕(25歳)よりめちゃくちゃ言葉遣いとかしっかりしてるな…って思いましたもん!受け答えもスラスラできてるし。もっと誇っていいですよ!」
Tさん:「いや~、自分はまだまだです。あ!でも、美容院の電話予約をするとき、店員さんよりもかしこまった言葉が言えた時にはちょっと優越感に浸れます」
たかや:「それ、そこまで誇れること?」
たかや:「なんだかメリットばかり上げてますが、流石に大変な面もあるんじゃ…?」
Tさん:「そうですね。僕の業務の1つに電話の停電対応に関する問い合わせがあるんですよ。2年前、東京に記録的な大雪が降った日があり、担当している地域のマンションが全室停電してしまったんですよ。その時は電話が鳴りっぱなしで…ヤバかったです」
たかや:「うわぁ…。コールセンターの敵は大雪…」
1人目のインタビューを通して、自分が抱いていた不安がかなり的外れだったころが分かりました。でも!まだ確証が持てません…!
なのでもう2名、一気にお話しを伺ってみたいと思います!
コールセンターで働かれている方へのインタビュー!~2人目・Nさん(大学4年生)、3人目・Oさん(大学3年生)~
続いてお話を伺うのは女性2人。Nさん(写真・左)とOさん(写真・左)です。
お二人とも主に、保険会社に自動車事故の連絡(事故があった際に、保険会社に状況などを伝える)業務を担当しています。
たかや:「お二人が思うコールセンターでアルバイトする魅力はなんでしょう」
Oさん:「やっぱりお客様の問題をスムーズに解決できたときに達成感を感じます」
Nさん:「電話をかけてくれたお客様が「何に困ってるのかな」「言葉に隠されているニーズはなんなのか」と質問の意図を的確に読み取る力が上がったなと思いますね」
たかや:「だから二人とも学生なのにしっかりしすぎじゃない? 本当に僕より年下?」
Oさん:「自分は今就活中なので、面接官の中には斜め上の質問を投げかけて来る人もいるんです。でも、そういう時にも思考を停止せず理解でき、ちゃんと受け答えできるようになれたのは大きいです」
たかや:「おお…。やはり応対力の向上は、就活で大きな武器になるんですね」
Nさん:「私はコールセンターで働く前に飲食店でもアルバイトをしていたんです。でも立ち仕事があまり好きじゃなく、コールセンターは基本座りっぱなしなので嬉しいです」
たかや:「たしかに立ち仕事が苦手って人には向いてるかもですね!」
Nさん:「座ってるだけで時給が発生するなんて天国ですね」
たかや:「その表現はなんか語弊が生まれません?」
※もちろん、お二人ともきちんと仕事をされている上での天国です。
たかや:「いま時給の話が出ましたね。ここが一番知りたかったことなんですが、コールセンターはやっぱり時給がいいんですか?」
Nさん:「先ほども言った通り、私は以前飲食店で働いてたんですが、飲食店の平均よりは若干高いかな…と思います」
Oさん:「勿論会社・時間帯によって差が発生しますが、基本1100~1400円の間ぐらいです」
たかや:「おお!結構良い額だ!たしかに座ってるだけでそれだけの給料貰えるなんて最高!もうコールセンターで働こっ!」
Oさん:「お金の話になると急にテンション高くなりましたね…」
Nさん:「座ってるだけで給料貰えるわけじゃありませんから!」
まとめ
たかや:「取材を通して、僕みたいな打たれ弱い人間でもコールセンターのアルバイト出来そうな気がしてきました!」
Nさん:「『打たれ弱い』人って『相手の態度を凄く気にしている』人だと思うんですよ。でも、それは相手への気遣いが出来ていることだから、立派な長所ですよ!」
Oさん:「ネガティブな人は 、考え過ぎて自己評価を下げがちなのかもしれません!もっと自分を正当化しても大丈夫ですよ!!」
たかや:「最後にめっちゃ励ましてくれてる…。ありがとうございます!僕、お二人より年上なんですけど頑張りますね!!(涙)」
何故か流れで励ましてもらいました。
コールセンターのアルバイトはどうでしょうか?
コールセンターアルバイトの実態を調査してみて、自分が抱いていた「コールセンターはクレームが多そう」というイメージがかなり違っていたことがわかりました。
勿論、人によって向き・不向きはあると思います。が、就職活動で役に立つ技術が獲得できるのはかなり大きい!「なにかバイトをしたい」「人と話す仕事に挑戦してみたい」と考えてる学生は、コールセンターでの仕事も候補に入れてもいいかもしれませんね!
(おわり)
※取材協力:りらいあコミュニケーションズ
取材・文:たかや(@tky888tky)
※2019年2月6日に公開した記事を更新しました。